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第5章 闇の遺跡編
160話 パラシスの思惑
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パラシスは古くからいる存在である森の主の所に急いだ。
魔人達のエネルギーを吸収したかったが、あの者がいた事が誤算であったのだ。
まさか、魔人や黒翼人達の仲間に自然から生まれし存在がいるとは思いもしなかったのだ。
その者がいたせいで、計画が狂ったのだ。
そしてその者の気配が城中に溢れ始めたのだ。
何をしたのかはわからなかったが、私が作る空間は意味がなくなってしまったのだ。
もちろん、捕らえている二人についてはその者の加護下にないのだが、見つけられるのも時間の問題かもしれない。
そうであるなら、直接彼らに挑み、エネルギーをいただく事にするしか無かった。
しかし・・・彼らは予想より強かったのだ。
そう思っていた時、森の主が予想外に邪なエネルギーを蓄え始めたことを知ったのだ。
あの状態でそのエネルギーを持つ事は、消滅への道をより進めてしまう。
それではダメなのだ。
本来の力をある程度復活させた上で、邪なエネルギーを溜めてほしいのだ。
この森の主が消滅してしまっては、二度とあのエネルギーを吸収する事は出来ないのだ。
森の主には、どんなエネルギーも私にとっては同じと言ったが、実は違っていた。
それまでは確かにどんなエネルギーを吸収しても、全ては自分自身の存在を維持するための栄養でしかなかった。
だが、この森の主の邪なエネルギーを吸収した後は、何とも言えない安らぎや幸福感を私にもたらしてくれたのだ。
それは思っても見なかった事なのだ。
森の主の邪なエネルギーを吸い込むたびにそれを感じる事が出来たのだ。
私はその気持ちを得たいがために、この森に住み着いたようなものなのだ。
だが、ここしばらくはそんなエネルギーが蓄えられる事が無くなっていた。
村人達がいなくなってからは、森の主の心を掻き乱す事が無くなってしまったのだ。
森の主は私が消滅しないようにエネルギーを与えてくれたが、それはあの時感じたものでは無かったのだ。
ただ、存在を維持するだけのもので、そこに幸福感は無かったのだ。
そしてこのまま私にエネルギーを与える事で、森の主が消滅する事があっては、二度とあの幸福感を得ることは無いかもしれない。
昔、村人達を羽ばたかせてしまったことを後悔したのだ。
だから、ここに黒翼人を呼ぶ事により、また森の主の邪なエネルギーを増やそうと思ったのだ。
また、あの時と同じ状況を作り出そうと。
そして、予想外に魔人達が一緒ではあったが、その大きなエネルギーは森の主の復活に役立てたかったのだ。
私はすぐに移動すると、そこには予想通り魔人達もいたのだ。
森の主は下を向きながら頭を抱えていた。
そして私を見るなり、表情を変えたのだ。
邪なエネルギーを溜め始めた事は気付いていたが、森の主の姿も変わり始めていたのだ。
それはとても久しぶりに見る姿であった。
私はこんな状況ではあったが、その姿を見て思ったのだ。
ああ、またあの気持ちを感じる事が出来る・・・。
ここ最近感じる事が出来なかったものが目の前にある。
そう思うだけで、私は高揚していたのだ。
私は森の主を見て、心から微笑んだのだ。
○
○
○
古くからの存在である森の主は精霊から言われた言葉を聞いて、ひどく動揺したのだ。
昔、森の中で本来の姿が村人に見られた事も、村人達が城に集まり、非難と罵声を浴びせた事も、誰かが先導したものだとしたら・・・。
パラシスがまさか・・・
あの者は私の邪なエネルギーを吸い取り、私に安定をもたらしてくれる者であった。
必要以上にエネルギーを吸い取ることもなかった。
だから、パラシスが弱りそうな時は、自分から望んでエネルギーを分け与えてきたのだ。
そして今、私の為に新たなエネルギーを蓄える為に、正しいことでは無いかもしれないが、魔人達を捕らえているではないか。
だが、パラシスがここに留まる理由は確かに無かったはずだ。
この森のエネルギーを吸い尽くせば、ほかに移る事が出来たのだ。
どこにでも行けるパラシスは私とは違うのだ。
では、なぜ・・・。
私の中で黒い物が少しずつ増えてくるのがわかった。
疑問から疑念となっていったのだ。
私は自分がその疑念から、恐ろしい姿になっていく事が止められなかった。
その時、この場にその元となる者が現れたのだ。
その姿は冷酷で恐ろしい姿をしており、私が変わりつつある姿と酷似しているに違いないのだろう。
そしてパラシスは冷酷な姿ではあったが、私に怪しく微笑んだのだ。
魔人達のエネルギーを吸収したかったが、あの者がいた事が誤算であったのだ。
まさか、魔人や黒翼人達の仲間に自然から生まれし存在がいるとは思いもしなかったのだ。
その者がいたせいで、計画が狂ったのだ。
そしてその者の気配が城中に溢れ始めたのだ。
何をしたのかはわからなかったが、私が作る空間は意味がなくなってしまったのだ。
もちろん、捕らえている二人についてはその者の加護下にないのだが、見つけられるのも時間の問題かもしれない。
そうであるなら、直接彼らに挑み、エネルギーをいただく事にするしか無かった。
しかし・・・彼らは予想より強かったのだ。
そう思っていた時、森の主が予想外に邪なエネルギーを蓄え始めたことを知ったのだ。
あの状態でそのエネルギーを持つ事は、消滅への道をより進めてしまう。
それではダメなのだ。
本来の力をある程度復活させた上で、邪なエネルギーを溜めてほしいのだ。
この森の主が消滅してしまっては、二度とあのエネルギーを吸収する事は出来ないのだ。
森の主には、どんなエネルギーも私にとっては同じと言ったが、実は違っていた。
それまでは確かにどんなエネルギーを吸収しても、全ては自分自身の存在を維持するための栄養でしかなかった。
だが、この森の主の邪なエネルギーを吸収した後は、何とも言えない安らぎや幸福感を私にもたらしてくれたのだ。
それは思っても見なかった事なのだ。
森の主の邪なエネルギーを吸い込むたびにそれを感じる事が出来たのだ。
私はその気持ちを得たいがために、この森に住み着いたようなものなのだ。
だが、ここしばらくはそんなエネルギーが蓄えられる事が無くなっていた。
村人達がいなくなってからは、森の主の心を掻き乱す事が無くなってしまったのだ。
森の主は私が消滅しないようにエネルギーを与えてくれたが、それはあの時感じたものでは無かったのだ。
ただ、存在を維持するだけのもので、そこに幸福感は無かったのだ。
そしてこのまま私にエネルギーを与える事で、森の主が消滅する事があっては、二度とあの幸福感を得ることは無いかもしれない。
昔、村人達を羽ばたかせてしまったことを後悔したのだ。
だから、ここに黒翼人を呼ぶ事により、また森の主の邪なエネルギーを増やそうと思ったのだ。
また、あの時と同じ状況を作り出そうと。
そして、予想外に魔人達が一緒ではあったが、その大きなエネルギーは森の主の復活に役立てたかったのだ。
私はすぐに移動すると、そこには予想通り魔人達もいたのだ。
森の主は下を向きながら頭を抱えていた。
そして私を見るなり、表情を変えたのだ。
邪なエネルギーを溜め始めた事は気付いていたが、森の主の姿も変わり始めていたのだ。
それはとても久しぶりに見る姿であった。
私はこんな状況ではあったが、その姿を見て思ったのだ。
ああ、またあの気持ちを感じる事が出来る・・・。
ここ最近感じる事が出来なかったものが目の前にある。
そう思うだけで、私は高揚していたのだ。
私は森の主を見て、心から微笑んだのだ。
○
○
○
古くからの存在である森の主は精霊から言われた言葉を聞いて、ひどく動揺したのだ。
昔、森の中で本来の姿が村人に見られた事も、村人達が城に集まり、非難と罵声を浴びせた事も、誰かが先導したものだとしたら・・・。
パラシスがまさか・・・
あの者は私の邪なエネルギーを吸い取り、私に安定をもたらしてくれる者であった。
必要以上にエネルギーを吸い取ることもなかった。
だから、パラシスが弱りそうな時は、自分から望んでエネルギーを分け与えてきたのだ。
そして今、私の為に新たなエネルギーを蓄える為に、正しいことでは無いかもしれないが、魔人達を捕らえているではないか。
だが、パラシスがここに留まる理由は確かに無かったはずだ。
この森のエネルギーを吸い尽くせば、ほかに移る事が出来たのだ。
どこにでも行けるパラシスは私とは違うのだ。
では、なぜ・・・。
私の中で黒い物が少しずつ増えてくるのがわかった。
疑問から疑念となっていったのだ。
私は自分がその疑念から、恐ろしい姿になっていく事が止められなかった。
その時、この場にその元となる者が現れたのだ。
その姿は冷酷で恐ろしい姿をしており、私が変わりつつある姿と酷似しているに違いないのだろう。
そしてパラシスは冷酷な姿ではあったが、私に怪しく微笑んだのだ。
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