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第2章 森再生編
56話 黒い集合体
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その空間は、以前と同じく居心地の良い場所であった。
だが、畑のような所はあるが、生薬になる植物が殆ど無くなっていたのだ。
「舞、ブラック、来てくれてありがとう。
この空間は今のところ、あの者に侵食されてないから大丈夫だよ。
でも、見つかるのも時間の問題かも。
また移動しないと。」
その精霊は前と同じ輝きを放ちながら話したのだが、その大きさは以前と比べ物にならないくらい小さくなっていた。
「見た目が変わってしまったのね。
それにエネルギーも以前より少なくなってしまっているように見えるわ。
大丈夫なの?
それに、あの黒い物は何?」
私はその精霊に触れて話したが、今度は弾かれる事は無かった。
やはり負のエネルギーでなければ問題ないようだ。
小さな子供の姿になってしまった精霊は、少し困った顔をして話し出したのだ。
「・・・そうですね。
森を維持するためにエネルギーをかなり使ってしまったので、小さな子供のような姿でしか、実体化できなくなってしまいました。
ハナから受け継いだ植物を作る事も、もう出来なくなって。
私の力では元の森に戻す事は出来ないかもしれません。
あの黒い影のようなものは、何百年に一度現れるものでした。
以前枯れたのも、そのせいだったのです。
森のエネルギーを吸い取り増殖してはまた他の森に移動して行くのです。
そしてエネルギーを吸い尽くされた森は消滅してしまうのです。」
「しかし、ハナとこの森に来ていた時は、確かに木は枯れかけていたが、こんな黒い影や負のエネルギーは存在しなかったはず。」
そうだ、ブラックはこの大木が枯れかかっているのを見ているのだ。
「私が実体化出来るようになったのと同じように、あの黒いものも魔獣からの魔力の影響を受け、人や魔人の目にもわかるような黒い実体を作ったのです。
自我とは違うようですが、生きるために必要な本能というべき意志の集合体になってる感じです。
そして、ただエネルギーを食らう物質から知恵をつけた者に変わってしまいました。
私を全て吸収すれば、この森自体を手中に収められると気づいたんです。
だから、私を必要に追ってくるのです。」
魔人や魔獣の移住が意図せず、他に影響を及ぼしていたと言う事なのかもしれない。
いわゆる生態系に変化があったようなものか。
「すまない。
我らの移住が影響したのだろう。」
ブラックは本当に申し訳なさそうに話した。
精霊は少し微笑んで伝えたのだ。
「いえ、あなた方が来た事で私は嬉しかったのですよ。
このように、思いを伝えることも出来る様になりましたし、魔獣が住み着く事はとても刺激的で、毎日が楽しかったのですよ。
魔獣達は、森の恵みを必要なだけもらうと、森を荒らすことなくとても上手く共存していたのですよ。
だから、ブラック、あなたが気に病む事はありません。
感謝こそあれ、恨むことなど少しも無いのですよ。」
私はこの精霊の話を聞くと、益々どうにかこの森を助けたいと思うのだった。
そして、一つ気になる事があった。
「あの、さっきあの黒い集合体はあなたの形をしていたし、私やブラックを呼んだのですが・・・」
「ああ、私はあの者達に一部を吸い取られてしまったのです。
だから、私や森が記憶している物になる事が出来るようなのです。
もちろん見た目だけですが。
その集合体も私と同じように、核となるものがいます。
その者を抑えれば森は復活すると思いますが、かなりの負のエネルギーを持ち、私にはどうすることも出来ないのです。」
その精霊は静かに続けた。
「それに・・・以前は植物のみの問題でしたが、負のエネルギーが増えた事で、他の生物への影響も。
まあ、魔獣や魔人であれば問題ないかと思いますが。」
いや、それは問題であった。
もしも、この黒い集合体が森を出て街の方に行ってしまったら。
・・・少しではあるが今は人間がいるのだ。
「では、その核となる集合体を消滅させれば良いのですね。」
ブラックはそれだけであれば簡単であるかのように話した。
「それが、その黒いものは今や植物達と繋がっているのです。
消滅させる事ができるかもしれないが、同時に森も消えるかもしれません。
私が上手く切り離せると良いのですが、今の状態では抵抗出来ないのです。
自分が逃げる事で森全部の侵食をなんとか防ぐだけしか出来ないのです。」
なるほど。
では、植物とこの黒い影のような負の塊を離す事ができれば良いわけなのだ。
だが、畑のような所はあるが、生薬になる植物が殆ど無くなっていたのだ。
「舞、ブラック、来てくれてありがとう。
この空間は今のところ、あの者に侵食されてないから大丈夫だよ。
でも、見つかるのも時間の問題かも。
また移動しないと。」
その精霊は前と同じ輝きを放ちながら話したのだが、その大きさは以前と比べ物にならないくらい小さくなっていた。
「見た目が変わってしまったのね。
それにエネルギーも以前より少なくなってしまっているように見えるわ。
大丈夫なの?
それに、あの黒い物は何?」
私はその精霊に触れて話したが、今度は弾かれる事は無かった。
やはり負のエネルギーでなければ問題ないようだ。
小さな子供の姿になってしまった精霊は、少し困った顔をして話し出したのだ。
「・・・そうですね。
森を維持するためにエネルギーをかなり使ってしまったので、小さな子供のような姿でしか、実体化できなくなってしまいました。
ハナから受け継いだ植物を作る事も、もう出来なくなって。
私の力では元の森に戻す事は出来ないかもしれません。
あの黒い影のようなものは、何百年に一度現れるものでした。
以前枯れたのも、そのせいだったのです。
森のエネルギーを吸い取り増殖してはまた他の森に移動して行くのです。
そしてエネルギーを吸い尽くされた森は消滅してしまうのです。」
「しかし、ハナとこの森に来ていた時は、確かに木は枯れかけていたが、こんな黒い影や負のエネルギーは存在しなかったはず。」
そうだ、ブラックはこの大木が枯れかかっているのを見ているのだ。
「私が実体化出来るようになったのと同じように、あの黒いものも魔獣からの魔力の影響を受け、人や魔人の目にもわかるような黒い実体を作ったのです。
自我とは違うようですが、生きるために必要な本能というべき意志の集合体になってる感じです。
そして、ただエネルギーを食らう物質から知恵をつけた者に変わってしまいました。
私を全て吸収すれば、この森自体を手中に収められると気づいたんです。
だから、私を必要に追ってくるのです。」
魔人や魔獣の移住が意図せず、他に影響を及ぼしていたと言う事なのかもしれない。
いわゆる生態系に変化があったようなものか。
「すまない。
我らの移住が影響したのだろう。」
ブラックは本当に申し訳なさそうに話した。
精霊は少し微笑んで伝えたのだ。
「いえ、あなた方が来た事で私は嬉しかったのですよ。
このように、思いを伝えることも出来る様になりましたし、魔獣が住み着く事はとても刺激的で、毎日が楽しかったのですよ。
魔獣達は、森の恵みを必要なだけもらうと、森を荒らすことなくとても上手く共存していたのですよ。
だから、ブラック、あなたが気に病む事はありません。
感謝こそあれ、恨むことなど少しも無いのですよ。」
私はこの精霊の話を聞くと、益々どうにかこの森を助けたいと思うのだった。
そして、一つ気になる事があった。
「あの、さっきあの黒い集合体はあなたの形をしていたし、私やブラックを呼んだのですが・・・」
「ああ、私はあの者達に一部を吸い取られてしまったのです。
だから、私や森が記憶している物になる事が出来るようなのです。
もちろん見た目だけですが。
その集合体も私と同じように、核となるものがいます。
その者を抑えれば森は復活すると思いますが、かなりの負のエネルギーを持ち、私にはどうすることも出来ないのです。」
その精霊は静かに続けた。
「それに・・・以前は植物のみの問題でしたが、負のエネルギーが増えた事で、他の生物への影響も。
まあ、魔獣や魔人であれば問題ないかと思いますが。」
いや、それは問題であった。
もしも、この黒い集合体が森を出て街の方に行ってしまったら。
・・・少しではあるが今は人間がいるのだ。
「では、その核となる集合体を消滅させれば良いのですね。」
ブラックはそれだけであれば簡単であるかのように話した。
「それが、その黒いものは今や植物達と繋がっているのです。
消滅させる事ができるかもしれないが、同時に森も消えるかもしれません。
私が上手く切り離せると良いのですが、今の状態では抵抗出来ないのです。
自分が逃げる事で森全部の侵食をなんとか防ぐだけしか出来ないのです。」
なるほど。
では、植物とこの黒い影のような負の塊を離す事ができれば良いわけなのだ。
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