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第1章 洞窟出現編
32話 逃走者
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結局のところ、シンブに加担した薬師や兵士はあっという間にシウン大将や部下により取り押さえられたのだ。
その日の王様と薬師達の会議の途中、シンブは魔人との共存は難しく、戦争を回避は出来ないと話し出したようだ。
そして、どうしても魔人を攻略するために舞の薬が必要だと訴えたのだ。
抑止力にもなるので、出来る限り準備をしたいと力説したようだ。
しかし、ヨクや王様は以前話した通り、共存を1番に考え、ここでの薬の大量生産などはできないと、シンブとは平行線であった。
それに痺れを切らせたシンブが、他の者を巻き込む形で暴走したようなのだ。
以前から計画していたようで、他の薬師や兵士など数十人の仲間がすでに集結していたようであった。
それにしても、ブラックからハナさんの話を聞いていたので、少しは冷静に行動ができたと思う。
まあ、作れと言われたところで、薬の材料がそろわなければ、作れないのだが。
そろそろ私が持ってきた漢方薬も底をつきそうだったのだ。
そして、何より驚いた事があったのだ。
実験室のような部屋に薬で眠らせておいたはずのシンブが行方不明になっていると言うのだ。
薬が効かなかったのだろうかと考えたが、あの時シンブが眠りに落ちたのは確かだった。
効果はあったし、光の鉱石を入れた事で通常以上の効果があったはずなのだ。
普通の人間、それも高齢の者にとってはすぐに目覚めるはずはないと思われたのだ。
それも、私がシウン大将に話した後すぐに精鋭部隊がその場に向かったわけで、閉じ込めてから30分もたっていなかったと思われるのだ。
それなのに、すでにシンブの姿がないと言うのがおかしいのだ。
誰か手助けした者がいるのだろうか?
それ以外考えられなかったのだ。
取り押さえられた薬師や兵士に尋問する事でシンブ以外の反乱分子は全て拘束されたのだ。
しかし、シンブのみが発見されず、新たな協力者などもわからず、城は引き続き厳戒態勢が続いていたのだ。
そして、シンブが逃げているうちは再度狙われる可能性があるかもしれないと、私やカク、ヨクとも城に一時的に身を寄せるように王様からの指示があったのだ。
「舞、ここにいる方が安心だね。シウン大将もいるからね。
やっぱりシンブ様は昔から何かあると思ってたんだよ。」
カクは得意げに話しはじめたが、私は帰るタイミングを外してしまったのだ。
自分の世界への帰り支度をしていた矢先に、シンブの事件が起きてしまったので、この中途半端な状態では帰る事は出来なくなってしまったのだ。
それにしても、シンブはどこに行ったのだろう。
私はまだまだ何かが起こるのではないかと心配になった。
私は今、手元にある全ての漢方薬を使って、今後必要となる薬を何種類か作る事にしたのだ。
ハナさんは自分からは作らなかったかもしれないが、私はもしものために闇の薬も作っておく事にしたのだ。
私はカクやヨク、王様を含め、その事を誰にも伝えない事にしたのだ。
○
○
○
その頃、出現した洞窟がある岩山の近くで唸っているものがいたのだ。
「くそ・・・あの娘。あんな薬を使うとは・・・。
人間であれば、数日は眠りから覚めず、あっという間に捕まっていたところだった。
まだフラつきが消えないとは。
500年前のあの時の薬を思い出すではないか。」
その者は薬師の衣装を纏っており、見た目は老人なのであるが、滲み出るオーラは明らかに人間では無かったのだ。
その日の王様と薬師達の会議の途中、シンブは魔人との共存は難しく、戦争を回避は出来ないと話し出したようだ。
そして、どうしても魔人を攻略するために舞の薬が必要だと訴えたのだ。
抑止力にもなるので、出来る限り準備をしたいと力説したようだ。
しかし、ヨクや王様は以前話した通り、共存を1番に考え、ここでの薬の大量生産などはできないと、シンブとは平行線であった。
それに痺れを切らせたシンブが、他の者を巻き込む形で暴走したようなのだ。
以前から計画していたようで、他の薬師や兵士など数十人の仲間がすでに集結していたようであった。
それにしても、ブラックからハナさんの話を聞いていたので、少しは冷静に行動ができたと思う。
まあ、作れと言われたところで、薬の材料がそろわなければ、作れないのだが。
そろそろ私が持ってきた漢方薬も底をつきそうだったのだ。
そして、何より驚いた事があったのだ。
実験室のような部屋に薬で眠らせておいたはずのシンブが行方不明になっていると言うのだ。
薬が効かなかったのだろうかと考えたが、あの時シンブが眠りに落ちたのは確かだった。
効果はあったし、光の鉱石を入れた事で通常以上の効果があったはずなのだ。
普通の人間、それも高齢の者にとってはすぐに目覚めるはずはないと思われたのだ。
それも、私がシウン大将に話した後すぐに精鋭部隊がその場に向かったわけで、閉じ込めてから30分もたっていなかったと思われるのだ。
それなのに、すでにシンブの姿がないと言うのがおかしいのだ。
誰か手助けした者がいるのだろうか?
それ以外考えられなかったのだ。
取り押さえられた薬師や兵士に尋問する事でシンブ以外の反乱分子は全て拘束されたのだ。
しかし、シンブのみが発見されず、新たな協力者などもわからず、城は引き続き厳戒態勢が続いていたのだ。
そして、シンブが逃げているうちは再度狙われる可能性があるかもしれないと、私やカク、ヨクとも城に一時的に身を寄せるように王様からの指示があったのだ。
「舞、ここにいる方が安心だね。シウン大将もいるからね。
やっぱりシンブ様は昔から何かあると思ってたんだよ。」
カクは得意げに話しはじめたが、私は帰るタイミングを外してしまったのだ。
自分の世界への帰り支度をしていた矢先に、シンブの事件が起きてしまったので、この中途半端な状態では帰る事は出来なくなってしまったのだ。
それにしても、シンブはどこに行ったのだろう。
私はまだまだ何かが起こるのではないかと心配になった。
私は今、手元にある全ての漢方薬を使って、今後必要となる薬を何種類か作る事にしたのだ。
ハナさんは自分からは作らなかったかもしれないが、私はもしものために闇の薬も作っておく事にしたのだ。
私はカクやヨク、王様を含め、その事を誰にも伝えない事にしたのだ。
○
○
○
その頃、出現した洞窟がある岩山の近くで唸っているものがいたのだ。
「くそ・・・あの娘。あんな薬を使うとは・・・。
人間であれば、数日は眠りから覚めず、あっという間に捕まっていたところだった。
まだフラつきが消えないとは。
500年前のあの時の薬を思い出すではないか。」
その者は薬師の衣装を纏っており、見た目は老人なのであるが、滲み出るオーラは明らかに人間では無かったのだ。
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