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第73話 そして聖王国の第3の都市ウィリナークは守られた
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「美緒っ!!」
サロンに転移した私にリンネが飛びついて来た。
「もう、心配かけて……大丈夫なの?」
「うん。ごめん。……今回はただの私の自爆。本当に迷惑かけました」
皆の私を心配する気持ちが伝わってくる。
本当に大好きな仲間たちだ。
「ふむ。無駄ではなかったようではあるな。美緒、お前今良い顔してるぞ?だが汚れているな。お姉ちゃんが洗ってやろう」
「うあ………う、うん。……お願いします」
「っ!?ふふっ、フハハハ、なんだ、本当に成長しおった。うむうむ。いいぞ美緒。そうやって皆成長するものだ。よし、じゃあ早速行こう。皆もどうだ?せっかくだ女性全員で行こうではないか」
「はい。レグお姉さま♡」
「はいにゃ♡」
「ふわあ、美緒さまと一緒に入浴?……うう、正に至福」
「ふふ、私も美緒殿とは入浴したかったのだ。楽しみだ」
「たまにはあたしも仲間に入れてもらおうかねえ。良いだろ?美緒」
うあ、ファルマナさんまで…
うん。
皆楽しみだったんだ。
はは、は。
そうして女性陣全員で、大浴場へと転移した。
※※※※※
「む?いかんな美緒。お前ここ2日食事もとらなかったな?可愛い胸がしぼんでしまうぞ?」
「えっ?……ほ、ほんとに?」
「うむ。ほれ、いまいち張りが悪い。心なし先っちょも……」
「ひゃん♡……うあ、レ、レグ?ど、どうしてそこばっかり……ん♡」
相変わらずレグは直接手で私の体を洗う。
なんか体に電気が……
「どおれ。秘伝のマッサージをしてやるとしよう。そうすればしぼんだ胸も元通りという物だ」
そして始まる超絶テクニック。
見ている皆の顔が赤く染まっていく。
「あ、あんっ♡……んう♡……や、やあ♡……ん、ふ♡……ああああんっ♡」
「ゴクリ……レグねえ…パない」
「ふにゃー、凄くえっちにゃ♡」
「ふふふ、可愛い声で鳴く。……わらわも興奮してしまうぞ?それ」
「あああっ、んう♡……あああっ♡」
「あうっ♡……真っ赤になって目を潤ませる美緒さま……尊い♡」
なぜかミカも真っ赤な顔でもじもじしている?
「まったく。レグ、いい加減におし。美緒が変な道に目覚めたらどうするつもりさね。ほら、もうやめてあげな」
「むう。ファルマナ殿に言われてしまえばな。名残惜しいがここまでとするか」
やっと解放された私。
もう動けない。
リンネがそっと私の手を取って立たせてくれた。
「まったく。色々聞きたいけど……取り敢えずお風呂あがったらご飯を食べること。胸はともかくあんた顔げっそりしてる。もうだめだからね」
「……うん。ごめん」
そうして湯船につかる。
たった二日入らなかっただけだけど。
私は自分が日本人であることを実感してしまう。
「ああああっ……き、気持ちいい♡」
「ふふっ。なんか美緒おっさんみたい」
「むう。しょうがないでしょ?本当に気持ちいいんだから」
広い湯船。
そして薄っすらと香るフローラルな香り。
本当に癒される。
「ねえ美緒。……何があったの?」
すすっと私に近づいて、レリアーナが上目遣いで私に問いかけてきた。
確かに私、死にかけて説明する前に引きこもっていた。
とんでもなく迷惑をかけていた。
「あー、うん。まずはロッドと一緒に居た妖精、ティリミーナ分かる?」
「う、うん。お話はしてないけど兄さまが皆に説明してたから」
エルノール、ナイス。
私の説明の手間が省けた。
……そう言えば彼、サロンに居なかった?
マールとアルディも……
どういう組み合わせなんだろ。
「実は彼女ね、封印されていたの。それで私限界まで魔力使っちゃって…でもリアたちと一緒に寝ていたから回復したのよね」
「うん。それは知ってる。……寝ている美緒、可愛かったよ♡」
「あう…」
「コホン。それでそのあと私、サンテスのお見舞いに行こうとして…2階に行ったの」
「うん。それで?」
何故かいつの間にか全員が湯船につかり、目をらんらんと煌めかせ私の話を聞いている?
うう、怖すぎなんですけど!?
「コホン……ねえみんなはどういう認識なの?」
ここで迂闊な事は言えない。
せっかくザッカート、いつも通りに暮らせるようにしたんだもの……
「うーん。なんか美緒が、男の人たちのエッチい話を盗み聞きして卒倒、いきなり転移して自室に引きこもった、かな」
うん。
その通り。
ザッカートの事は洩れていないようだ。
私は内心大きく安堵の息を吐いた。
「……ねえ」
「う、うん」
「何を聞いたの?」
「………えっと」
どうする私。
何を言えば正解なのか分からない。
……ここは初心な私を演じるしかない!!
そしてとんでもなくえっちい事を聞いたことにせねば!!
「あのね……しょ、娼館の女の人との、その…ごにょごにょごにょ……みたいなこと、かな」
「っ!?」
「え、えっと、お互い裸で……そ、そそ、その、大事なところ、触ったり…お互いに…舐めたり?」
「っっっっ!!??????」
「そ、それから、えっと……あ、赤ちゃん作る?事とか?…えっと……男の人のアレが大きく……」
「ス、ストップ、美緒、だめ、もうそれ以上はっ!!!」
真っ赤になり卒倒するレリアーナ。
もちろん私も真っ赤だが?
ありがとうスマホの知識。
どうにか危機を乗り越えた?
周りに目をやれば、みんなのぼせたように真っ赤になっていました。
なぜにファルマナさんまで真っ赤?
貴女経験者ですよね?
この世界、思っていた以上に純情ちゃんが多かった。
何はともあれ、その後この事で追及される事はなかったよ。
良かったです。
※※※※※
「ふむ。やはりな。師匠、そっちはどうだ」
「うん。マールの言う通りだ。この部屋、やばいね。もうすでに崩壊が始まっているね」
「マール殿、アルディ、どうする?」
マールとアルディ、そしてエルノールは再度侯爵の屋敷の封印された隠し部屋を調べていた。
※※※※※
あの悍ましい台座。
どうしても取り出す事が出来ず、異様な魔力を放っていた。
そして2日が経過した今、すでに亜空間と呼べるほど空間がゆがみ始めていた。
このままでは違う世界の物が紛れ込んでしまうほどの危機的状況となっていた。
実は彼ら3人、あれからほぼ無休で街中を調べていたのだ。
美緒の騒動は彼らには伝わっていなかった。
もしエルノールの耳に入っていたら今回の騒動はもっと大変なことになっていた事だろう。
美緒の異常なまでに高い幸運値。
意外なところで仕事をしていたようだ。
※※※※※
「確実なのは封印だが……この魔力。相当なものでなければ逆効果だ。師匠、美緒殿の錬成した魔刻石、いくつか都合できぬか?あれであればどうにか持ちこたえよう」
「あー、うん。実は持ってきてるんだよね。……どれがいいかな」
アルディはおもむろに腰につけているポーチからいくつかの魔刻石を取り出した。
「ふむ流石は師匠。抜け目がない。エルノール、発動許可をもらえるか?」
「……そうですね。ちょっと待ってください。美緒さまに聞いてみます」
「仕方がない。我らの判断でこの世界を崩壊させるわけにもいかぬからな。流石に我が魔眼にもこれは防げぬ」
念話を試みるエルノール。
やがて大きく頷いてマールへと視線を向けた。
「どうだ?」
「赤い線が入ったものが最適のようです。ただ…」
「何か問題か?」
「魔力の周辺からの消費量がえげつないと注意されました。発動と同時に転移で逃げる必要があるようです。それほどの危険なものらしい」
さらに念話をしているのだろう。
エルノールが何かをつぶやいた。
「ここら一帯、侵入禁止にした方がいいな。今伯爵の許可を取る。……良いそうだ」
「はは、君たちもうとっくにチート集団だね。素直に称賛するよ」
「何を言う。アルディだってその中の一人だろうに。もちろんマール殿もな」
「ふむ。嬉しい事を言う。たぎるではないか。それでは早速片を付けるか」
「ええ。じゃああの台座の前においてください。魔力を注入したら飛びます」
マールが台座の前に魔刻石を置く。
そして一瞬魔力を放出。
恐ろしい勢いで周囲の魔力、さらには3人の魔力までをも吸い始めた。
「くうっ?!まさか、これほどとは……行くぞ、転移」
「ふむ、とんでもないな」
「うわーマジでヤバイね」
言い残し消える3人。
やがて結界が完成するまで侯爵邸の周辺の魔力はほぼ吸いつくされていた。
聖王国フィリルスの第3の都市、ウィリナーク。
脅威を全て押さえこみ、人知れず平和は守られた。
サロンに転移した私にリンネが飛びついて来た。
「もう、心配かけて……大丈夫なの?」
「うん。ごめん。……今回はただの私の自爆。本当に迷惑かけました」
皆の私を心配する気持ちが伝わってくる。
本当に大好きな仲間たちだ。
「ふむ。無駄ではなかったようではあるな。美緒、お前今良い顔してるぞ?だが汚れているな。お姉ちゃんが洗ってやろう」
「うあ………う、うん。……お願いします」
「っ!?ふふっ、フハハハ、なんだ、本当に成長しおった。うむうむ。いいぞ美緒。そうやって皆成長するものだ。よし、じゃあ早速行こう。皆もどうだ?せっかくだ女性全員で行こうではないか」
「はい。レグお姉さま♡」
「はいにゃ♡」
「ふわあ、美緒さまと一緒に入浴?……うう、正に至福」
「ふふ、私も美緒殿とは入浴したかったのだ。楽しみだ」
「たまにはあたしも仲間に入れてもらおうかねえ。良いだろ?美緒」
うあ、ファルマナさんまで…
うん。
皆楽しみだったんだ。
はは、は。
そうして女性陣全員で、大浴場へと転移した。
※※※※※
「む?いかんな美緒。お前ここ2日食事もとらなかったな?可愛い胸がしぼんでしまうぞ?」
「えっ?……ほ、ほんとに?」
「うむ。ほれ、いまいち張りが悪い。心なし先っちょも……」
「ひゃん♡……うあ、レ、レグ?ど、どうしてそこばっかり……ん♡」
相変わらずレグは直接手で私の体を洗う。
なんか体に電気が……
「どおれ。秘伝のマッサージをしてやるとしよう。そうすればしぼんだ胸も元通りという物だ」
そして始まる超絶テクニック。
見ている皆の顔が赤く染まっていく。
「あ、あんっ♡……んう♡……や、やあ♡……ん、ふ♡……ああああんっ♡」
「ゴクリ……レグねえ…パない」
「ふにゃー、凄くえっちにゃ♡」
「ふふふ、可愛い声で鳴く。……わらわも興奮してしまうぞ?それ」
「あああっ、んう♡……あああっ♡」
「あうっ♡……真っ赤になって目を潤ませる美緒さま……尊い♡」
なぜかミカも真っ赤な顔でもじもじしている?
「まったく。レグ、いい加減におし。美緒が変な道に目覚めたらどうするつもりさね。ほら、もうやめてあげな」
「むう。ファルマナ殿に言われてしまえばな。名残惜しいがここまでとするか」
やっと解放された私。
もう動けない。
リンネがそっと私の手を取って立たせてくれた。
「まったく。色々聞きたいけど……取り敢えずお風呂あがったらご飯を食べること。胸はともかくあんた顔げっそりしてる。もうだめだからね」
「……うん。ごめん」
そうして湯船につかる。
たった二日入らなかっただけだけど。
私は自分が日本人であることを実感してしまう。
「ああああっ……き、気持ちいい♡」
「ふふっ。なんか美緒おっさんみたい」
「むう。しょうがないでしょ?本当に気持ちいいんだから」
広い湯船。
そして薄っすらと香るフローラルな香り。
本当に癒される。
「ねえ美緒。……何があったの?」
すすっと私に近づいて、レリアーナが上目遣いで私に問いかけてきた。
確かに私、死にかけて説明する前に引きこもっていた。
とんでもなく迷惑をかけていた。
「あー、うん。まずはロッドと一緒に居た妖精、ティリミーナ分かる?」
「う、うん。お話はしてないけど兄さまが皆に説明してたから」
エルノール、ナイス。
私の説明の手間が省けた。
……そう言えば彼、サロンに居なかった?
マールとアルディも……
どういう組み合わせなんだろ。
「実は彼女ね、封印されていたの。それで私限界まで魔力使っちゃって…でもリアたちと一緒に寝ていたから回復したのよね」
「うん。それは知ってる。……寝ている美緒、可愛かったよ♡」
「あう…」
「コホン。それでそのあと私、サンテスのお見舞いに行こうとして…2階に行ったの」
「うん。それで?」
何故かいつの間にか全員が湯船につかり、目をらんらんと煌めかせ私の話を聞いている?
うう、怖すぎなんですけど!?
「コホン……ねえみんなはどういう認識なの?」
ここで迂闊な事は言えない。
せっかくザッカート、いつも通りに暮らせるようにしたんだもの……
「うーん。なんか美緒が、男の人たちのエッチい話を盗み聞きして卒倒、いきなり転移して自室に引きこもった、かな」
うん。
その通り。
ザッカートの事は洩れていないようだ。
私は内心大きく安堵の息を吐いた。
「……ねえ」
「う、うん」
「何を聞いたの?」
「………えっと」
どうする私。
何を言えば正解なのか分からない。
……ここは初心な私を演じるしかない!!
そしてとんでもなくえっちい事を聞いたことにせねば!!
「あのね……しょ、娼館の女の人との、その…ごにょごにょごにょ……みたいなこと、かな」
「っ!?」
「え、えっと、お互い裸で……そ、そそ、その、大事なところ、触ったり…お互いに…舐めたり?」
「っっっっ!!??????」
「そ、それから、えっと……あ、赤ちゃん作る?事とか?…えっと……男の人のアレが大きく……」
「ス、ストップ、美緒、だめ、もうそれ以上はっ!!!」
真っ赤になり卒倒するレリアーナ。
もちろん私も真っ赤だが?
ありがとうスマホの知識。
どうにか危機を乗り越えた?
周りに目をやれば、みんなのぼせたように真っ赤になっていました。
なぜにファルマナさんまで真っ赤?
貴女経験者ですよね?
この世界、思っていた以上に純情ちゃんが多かった。
何はともあれ、その後この事で追及される事はなかったよ。
良かったです。
※※※※※
「ふむ。やはりな。師匠、そっちはどうだ」
「うん。マールの言う通りだ。この部屋、やばいね。もうすでに崩壊が始まっているね」
「マール殿、アルディ、どうする?」
マールとアルディ、そしてエルノールは再度侯爵の屋敷の封印された隠し部屋を調べていた。
※※※※※
あの悍ましい台座。
どうしても取り出す事が出来ず、異様な魔力を放っていた。
そして2日が経過した今、すでに亜空間と呼べるほど空間がゆがみ始めていた。
このままでは違う世界の物が紛れ込んでしまうほどの危機的状況となっていた。
実は彼ら3人、あれからほぼ無休で街中を調べていたのだ。
美緒の騒動は彼らには伝わっていなかった。
もしエルノールの耳に入っていたら今回の騒動はもっと大変なことになっていた事だろう。
美緒の異常なまでに高い幸運値。
意外なところで仕事をしていたようだ。
※※※※※
「確実なのは封印だが……この魔力。相当なものでなければ逆効果だ。師匠、美緒殿の錬成した魔刻石、いくつか都合できぬか?あれであればどうにか持ちこたえよう」
「あー、うん。実は持ってきてるんだよね。……どれがいいかな」
アルディはおもむろに腰につけているポーチからいくつかの魔刻石を取り出した。
「ふむ流石は師匠。抜け目がない。エルノール、発動許可をもらえるか?」
「……そうですね。ちょっと待ってください。美緒さまに聞いてみます」
「仕方がない。我らの判断でこの世界を崩壊させるわけにもいかぬからな。流石に我が魔眼にもこれは防げぬ」
念話を試みるエルノール。
やがて大きく頷いてマールへと視線を向けた。
「どうだ?」
「赤い線が入ったものが最適のようです。ただ…」
「何か問題か?」
「魔力の周辺からの消費量がえげつないと注意されました。発動と同時に転移で逃げる必要があるようです。それほどの危険なものらしい」
さらに念話をしているのだろう。
エルノールが何かをつぶやいた。
「ここら一帯、侵入禁止にした方がいいな。今伯爵の許可を取る。……良いそうだ」
「はは、君たちもうとっくにチート集団だね。素直に称賛するよ」
「何を言う。アルディだってその中の一人だろうに。もちろんマール殿もな」
「ふむ。嬉しい事を言う。たぎるではないか。それでは早速片を付けるか」
「ええ。じゃああの台座の前においてください。魔力を注入したら飛びます」
マールが台座の前に魔刻石を置く。
そして一瞬魔力を放出。
恐ろしい勢いで周囲の魔力、さらには3人の魔力までをも吸い始めた。
「くうっ?!まさか、これほどとは……行くぞ、転移」
「ふむ、とんでもないな」
「うわーマジでヤバイね」
言い残し消える3人。
やがて結界が完成するまで侯爵邸の周辺の魔力はほぼ吸いつくされていた。
聖王国フィリルスの第3の都市、ウィリナーク。
脅威を全て押さえこみ、人知れず平和は守られた。
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