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#12 強い風
#12.5 救う風
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一本の大きな木、その皮が剥がれると、あら不思議、そこからロケットが現れました。ここは、久しぶりのケイコの家です。そこで『風の便り ニュース』を見ていたケイコとマチコ、序でにヨシコです。そのヨシコが、「あれに乗って行くといいよ」と言ったアレがロケットのことです。
そのロケットを見上げながら、「ほっほー」と唸っているのがケイコ、「ほぉ」と、少し醒めた感じのマチコです。そのロケットで宇宙船に捕らわれた風の子たちを救出に向かう、というところまで話は進んでいました。
しかし、既にその宇宙船からシャトルに乗ったリンコたちが地球に向かっている情報は伝わっていませんので、行く気満々のケイコと、多分マチコもそうです。
早速、宇宙服に着替えて……変身して、意気揚々とするケイコたちです。因みに、宇宙服に着替える……変身する必要はないのですが、雰囲気を大切にするケイコたちです。
その姿を見ていたミツコは、
「私も行きます」と言いながら画面から飛び出してきました。ええ、『風の便り ニュース』を映す画面は双方向なのです。そのミツコはケイコたちの雄姿に、居ても立ってもいられなくなったのでしょう。勿論、捕獲したドローンも持参しています。
そして、ミツコも同様に変身し、これで風の子救出作戦の宇宙飛行士が揃いました。そこで、宇宙飛行士たちの前に立ち、エヘンとするヨシコです。
「いい? 救出のチャンスは一度きり。みんな、心して挑むんだよ」と適当に張り切るヨシコ、ですが、ミツコが手に持っているドローンが気になるケイコは、
「久しぶりですね、奥さん」とミツコに挨拶するケイコです。
「いいえ、違います、ミツコです」
「ところで、それ、名前はなんていうんですの? あっ、直接聞いてみますから、そのままで」と、そのドローンに尋ねるケイコです。しかし、
「ピン!」と異音を立てるだけで拒否するドローンです。そこでドローンを振り回し、
「答えてあげなさいよ」と叱るミツコです。そにで漸く「ピピ」と答え、「魂が支配されるから名前は言えない、と申しています」とミツコが翻訳してくれました。
そんなやり取りを見ていたマチコがドローンに向かって、
「ちょっとぁ、あんたぁ、それでいいのぉ?」と睨みつけると、「ピコピ」と返事が返ってきました。それをミツコが翻訳すると「名前はブン太です、それ以上は勘弁してください」と言ったそうです。
ドローンの名前が分かったことでスッキリしたケイコたちです。早速、ロケットに乗って宇宙へ、というところで、
「ねえヨシコぉ、あれって、どうやって乗るのよぉ」と疑問のマチコです。そういえばロケットは突っ立っているだけで、よくある発射台のようなものがありません。
「上まで飛んで、そこから乗り込むのさ」と、さも当然のように上の方を指差しているヨシコ、正しく風の子しか乗れない仕組みのようです。そこに、
「速報です、速報が入ってきたにゃ」と復活したノリコが叫びました。それでニュース画面に注目のケイコたちです。その画面の中央から端に向かって順にニャーゴ、ニャージロウ、そして辛うじて写っているノリコです。
そのノリコに注がれる視線で思うように話せないノリコは、隣のニャージロウを叩きながら画面を切り替えてしまいます。そして、「見ての通り、です」と言うと、画面には宇宙船からポイッと飛び出したシャトルが地球に向けって降下している様子が映し出されました。それを見て、
「これは!」と声を上げたのはミツコです。続けて「なんでしょう」です。それを補足するヨシコ、
「あ~、あれはシャトルだね~。多分、あれにみんな、乗ってるんじゃないかね~。ちょっと聞いてみるさね」と言うと、画面をペンペンと叩きだしました。するとそこから、
「ぎゃーはー」とか「うおー」という、はしゃぎ声が聞こえてきました。それに、
「あ~、こちらは風の子誘拐事件対策本部だよ、みんな無事かーい?」とヨシコが尋ねると、
「あっ、うん? その声はヨシコだね」とリンコの声が返ってきました。
「ああ、そうだよ。みんなが急に居なくなったもんだから、こっちじゃ大騒ぎさね」
「またまた~。どうせ、ヨシコが話しを大きくしたんでしょう。そういうの、好きだよね~」とリンコが言った途端、
「わー、ごめんなさい、ごめんなさいです」と泣き声のノリコです。きっと自分が、この騒ぎの原因だと思ったのでしょう。
「あっ、その声はノリコだね。ごめんよ、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。ノリコは全然、悪くないからね。悪いのは全部、ヨシコだから」と宥めようとするリンコです。
「ノリコや。うちのヨシコが悪いことをしたようじゃ。ほれ、この通り、許されよ」と画面に向かってペコリのケイコです。因みにノリコは画面には映っていません。
「おや、その声はケイコだね。そうかそうか。なら、ちょうどいいか。今からそっちに行くからね。そこで新しいお友達を紹介するよ」のリンコは、ケイコの声を聞いて、なんとなくエリコとケイコが似ているような気がしたそうです。それでエリコをケイコに会わせたくなったのでしょう。そんなリンコに、
「うむ、待っておるぞ」と腕組みをして答えるケイコ、頭の中では既に『新しいお友達、私はお姉さん』という図式を描いているようです。
「てことは、もう迎えに行く必要は無くなったね~」と、少しガッカリそうなヨシコです。そこに、
「大変だにゃあああ、なんか、でっかいのが一緒に落ちて来るだどー」と絶叫のノリコ、騒然とする風の子誘拐事件対策本部です。
◇
そのロケットを見上げながら、「ほっほー」と唸っているのがケイコ、「ほぉ」と、少し醒めた感じのマチコです。そのロケットで宇宙船に捕らわれた風の子たちを救出に向かう、というところまで話は進んでいました。
しかし、既にその宇宙船からシャトルに乗ったリンコたちが地球に向かっている情報は伝わっていませんので、行く気満々のケイコと、多分マチコもそうです。
早速、宇宙服に着替えて……変身して、意気揚々とするケイコたちです。因みに、宇宙服に着替える……変身する必要はないのですが、雰囲気を大切にするケイコたちです。
その姿を見ていたミツコは、
「私も行きます」と言いながら画面から飛び出してきました。ええ、『風の便り ニュース』を映す画面は双方向なのです。そのミツコはケイコたちの雄姿に、居ても立ってもいられなくなったのでしょう。勿論、捕獲したドローンも持参しています。
そして、ミツコも同様に変身し、これで風の子救出作戦の宇宙飛行士が揃いました。そこで、宇宙飛行士たちの前に立ち、エヘンとするヨシコです。
「いい? 救出のチャンスは一度きり。みんな、心して挑むんだよ」と適当に張り切るヨシコ、ですが、ミツコが手に持っているドローンが気になるケイコは、
「久しぶりですね、奥さん」とミツコに挨拶するケイコです。
「いいえ、違います、ミツコです」
「ところで、それ、名前はなんていうんですの? あっ、直接聞いてみますから、そのままで」と、そのドローンに尋ねるケイコです。しかし、
「ピン!」と異音を立てるだけで拒否するドローンです。そこでドローンを振り回し、
「答えてあげなさいよ」と叱るミツコです。そにで漸く「ピピ」と答え、「魂が支配されるから名前は言えない、と申しています」とミツコが翻訳してくれました。
そんなやり取りを見ていたマチコがドローンに向かって、
「ちょっとぁ、あんたぁ、それでいいのぉ?」と睨みつけると、「ピコピ」と返事が返ってきました。それをミツコが翻訳すると「名前はブン太です、それ以上は勘弁してください」と言ったそうです。
ドローンの名前が分かったことでスッキリしたケイコたちです。早速、ロケットに乗って宇宙へ、というところで、
「ねえヨシコぉ、あれって、どうやって乗るのよぉ」と疑問のマチコです。そういえばロケットは突っ立っているだけで、よくある発射台のようなものがありません。
「上まで飛んで、そこから乗り込むのさ」と、さも当然のように上の方を指差しているヨシコ、正しく風の子しか乗れない仕組みのようです。そこに、
「速報です、速報が入ってきたにゃ」と復活したノリコが叫びました。それでニュース画面に注目のケイコたちです。その画面の中央から端に向かって順にニャーゴ、ニャージロウ、そして辛うじて写っているノリコです。
そのノリコに注がれる視線で思うように話せないノリコは、隣のニャージロウを叩きながら画面を切り替えてしまいます。そして、「見ての通り、です」と言うと、画面には宇宙船からポイッと飛び出したシャトルが地球に向けって降下している様子が映し出されました。それを見て、
「これは!」と声を上げたのはミツコです。続けて「なんでしょう」です。それを補足するヨシコ、
「あ~、あれはシャトルだね~。多分、あれにみんな、乗ってるんじゃないかね~。ちょっと聞いてみるさね」と言うと、画面をペンペンと叩きだしました。するとそこから、
「ぎゃーはー」とか「うおー」という、はしゃぎ声が聞こえてきました。それに、
「あ~、こちらは風の子誘拐事件対策本部だよ、みんな無事かーい?」とヨシコが尋ねると、
「あっ、うん? その声はヨシコだね」とリンコの声が返ってきました。
「ああ、そうだよ。みんなが急に居なくなったもんだから、こっちじゃ大騒ぎさね」
「またまた~。どうせ、ヨシコが話しを大きくしたんでしょう。そういうの、好きだよね~」とリンコが言った途端、
「わー、ごめんなさい、ごめんなさいです」と泣き声のノリコです。きっと自分が、この騒ぎの原因だと思ったのでしょう。
「あっ、その声はノリコだね。ごめんよ、そんなつもりで言ったんじゃないんだ。ノリコは全然、悪くないからね。悪いのは全部、ヨシコだから」と宥めようとするリンコです。
「ノリコや。うちのヨシコが悪いことをしたようじゃ。ほれ、この通り、許されよ」と画面に向かってペコリのケイコです。因みにノリコは画面には映っていません。
「おや、その声はケイコだね。そうかそうか。なら、ちょうどいいか。今からそっちに行くからね。そこで新しいお友達を紹介するよ」のリンコは、ケイコの声を聞いて、なんとなくエリコとケイコが似ているような気がしたそうです。それでエリコをケイコに会わせたくなったのでしょう。そんなリンコに、
「うむ、待っておるぞ」と腕組みをして答えるケイコ、頭の中では既に『新しいお友達、私はお姉さん』という図式を描いているようです。
「てことは、もう迎えに行く必要は無くなったね~」と、少しガッカリそうなヨシコです。そこに、
「大変だにゃあああ、なんか、でっかいのが一緒に落ちて来るだどー」と絶叫のノリコ、騒然とする風の子誘拐事件対策本部です。
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