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#7 私はこうして魔王になったで章 え編
#7.3 愛の帰還
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このようにして次々と契約を頂くことが出来ました。これもあれもマニュアルと私の優れた能力による結果だと思います。さあ、時間となりました。帰社、いえ、帰国して帰社しましょう。
職場に戻ると既に皆さん、お集まりのようです。流石は私の敵、ライバル達です。ただ、数名の方が戻っていません。そのまま就業時間の終わりを待ちましたが戻って来る気配がありません。この職場は時間厳守ですので定時で閉鎖されました。おそらく戻ってこられない方々は爆死されたのでしょうか。ライバルが花と散ったことに心が痛みます。
仕事も終わり部屋に戻ろうとした時です。懐かしい方、春子さんがエレーベーターの近くで潜んでいました。私が声を掛けようとすると口に指を当てています。それで春子さんには背中を向けてのヒソヒソ話となりました。
「良子さん、例の部屋にA時集合です」
「はい」
そうして私は見知らぬ振りをして自分の部屋に戻ったのです。監視の厳しい会社です、何処に耳や目があるか分かったものではありません。それで暗号なのです。A時とは午後10時。例の部屋とは空き部屋のことです。
私達、元菫組は解散しましたが心までは解散していません。私達の絆は強いのです。例の部屋は誰も入居者がいない部屋を事前に調べてあり、そこを集合場所にしています。本当は誰かのお部屋に集まれれば良いのでしょうが、会社に目を付けられている私達は行動を控えています。ですが何時までも会社の良いように扱われているわけではありません、こうして着実に進歩しているのです。何時か笑顔でここを出られる日を夢見ながら。
トン、トントン、トン。
これが部屋に入る時の合図になっています。集合時間も微妙にずらしてのことです。
トントン、トン、トントン。
了解の合図が返ってきました。これで安心して入室することが出来ます。中に入ると皆さん、お集まりです。
「「良子!」」
「皆さん!」
狭い部屋の中で抱き合って再会を喜び合う菫組です。私は良子と言う名前ではありませんが、もう慣れてしまいました。それに今では本名でなくても良かったと思います。この会社、この国に名乗るような名前は持ち合わせておりませんから。
早速、夏子さんが議長として話を進めます。いくら空き部屋といっても長居は無用、いつ誰が来るか分からないからです。用心に越したことはありません。
「今日は、秋子さんのことです。秋子さんは直ぐにでもここを出たいと言っています。そこで皆さんのお知恵を借りたいのです」
秋子さんの番です。
「私、もうこれ以上ダメなんです。ここには居られなくなりました。それにずっと連絡を取っていない家族、それと、その、彼とも会いたいのです」
「落ち着いて、秋子さん。あなたが急ぐ理由を皆さんにも分かるように説明してください」と議長の夏子さんです。
「ああ、すみません。実は、あのケンジ部長が毎日のように言い寄ってきていまして、とうとう今夜の零時に、部屋に来い、来なければお前の友人達がどうなっても知らないぞ、と脅してきたのです。それで、」とここで言葉を詰まらせてしまった秋子さんです。
確かに、秋子さんは色んな方から言い寄られることが多いようです。私達の中でも群を抜いて、というわけではありませんが、私より少し美しい方です。魅力も少し、可愛らしさも少し、女子力も少し、そうです、ほんの僅かな違いがあるのです。
夏子さんが話を繋げていきます。
「わかったわ秋子さん、急ぎの案件ね。話を纏めましょう。まず、秋子さんの身の安全が最優先よね。次に部長の件だけど、その後の友人達というのは恐らく私達のことでしょうけれど、その点について皆さんはどうかしら」
「「私は」」
春子さんと冬子さんが同時に言おうと被ってしまいました。そこで春子さんが続けます。
「私は大丈夫です。気にしないで出来る事をしてください。冬子さんはどうですか」
「はい、私も春子さんと同意見です、良子さんは?」
「はい、私も同じです」
夏子さんが皆さんの意見を聞いて目を閉じています。そして良い考えが浮かんだようです。
「私達の思いは同じですね。分かりました。では秋子さん、私達の事は気にせず、お逃げなさい。この国を出るのです。ですが問題があります。それはどうやってここから出国するか、という点とこの腕時計を何とかしなければなりません。皆さん、良い知恵はありますか」
良い知恵かどうかは分かりませんが、私には提供できる情報がありました。
「私は今日、出国して営業に行ってきました」
「「ええ!」」
皆さん、驚いて開いた口が塞がりません。私もこれだけ驚かれるとは思ってもみませんでした。そこで夏子さんが進行を続けます。
「良子さん、それ、詳しく話してください。それで解決できるかもしれません」
「はい」
私は営業で地下駐車場から出国したこと、地図に記されたルートを辿れば腕時計は問題なかったことです。夏子さんの目が一層輝いてきました。
「駐車場から出られるなんて。言われればそうでしょうね。車で外出する、それはすなわち国外に出ることですからね、盲点でした。車の運転をしない私には思いもつきません。後は腕時計ですね、これを何とかしないと」
秋子さんの沈んだ顔にも笑みが戻ってきました。そして、
「皆さん、ありがとうございます。それだけで十分です。出られることが分かれば、それで行けます。それで腕が無くなっても部長のところに行くよりはずっとましですから」と決意されたようです。
秋子さん以外の私達に、その苦痛が伝わってくるようです。そこで思い出したことがありました。そういえばです。
「あの、営業に行かれた方で何人か戻られない方がいたんです。その方々はもう、きっと、あの、あれだと思うのですが」
それを聞いた夏子さんの顔が曇りました。でも事実なんです。どこかでドカーンとなられているかと。
「それなら、そうですね、春子さん、何か情報は入っていますか」
「いいえ、特にありません。いつも通りです」
電子工作が得意な春子さんは、祖国のラジオを傍受することが出来るのです! 夏子さんの進行が続きます。
「冬子さんはどうですか」
「いいえ、大きな事件・事故は発生していません」
コンピューターの知識が豊富な冬子さんは公衆電話から祖国のインターネットに接続して情報を収集できるのです!
夏子さんは、それらの情報から道筋を立て未来を形作ります。そして、安堵のため息をつくのでした。
「そうですか、やはり私の思った通りです。この腕時計がアレするとは、恐らくハッタリでしょう。私達を怖らがせ逃さないためのフェイク。100%とは言いませんけれど、そう考えてもおかしくはないでしょう。でも、秋子さん。覚悟だけはしておいてください」
「覚悟は出来ています。それに万が一でも耐えてみせます。皆さん、色々とありがとうございます」
「では、急ぎましょう、時間がありません」
私達は夏子さんを中心に小さな声でコソコソ、ウンウンと計画を立案、ヨシヨシと実行に移します。そして最後に夏子さんが締めます。
「いいですか皆さん、私達には大して力はありません。そして直ぐにバレてしまうでしょう。それでも秋子さんを出国させることは出来るはずです。私達に出来ないことは無いのです。最後になるかもしれません。ですが最後だからこそ全力で計画を遂行致しましょう!」
「「はい」」
◇
午後11時30分、私達は別々に1階で集合しました。そこから地下駐車場に通じる階段の入り口へ。そこの扉を開けます……開きません、鍵が掛かっています。何てしっかりとした会社なのでしょうか。計画が頓挫しそうです。私達従業員はエレベーターで直接、地下まで行くことが出来ないのです、困りました。
そこにです。静まり返った空間に幾つかの靴音が聞こえてきました。急いで角に隠れる私達です。
おじさんが4人、歩いてきました。それも不規則な足音です。その音に一緒に声も聞こてきました。
「何でエレベーターが動かないんだ!」
「そんなことは、どうでもいい。急げ!」
大変不満げで苛立っている感じのおじさん達です。歳からいって、もう寝る時間ですよ。そのおじさん達、私達が開けられなかったドアを開けてゾロゾロと中に履いて行きます。そしてドアが閉まって行きます。今、出て行けば見つかってしまいます。既に監視カメラで私達の行動が把握されているかもしれません。でも捕まるにはまだ早すぎます。だってまだ、何も成し遂げられていないのですから。
そう思っているうちにドアが閉まってしまいます。ああ、どうしましょう、こうしましょう。私は片方の靴を脱ぎ、それを閉まりかけているドアの隙間めがけて滑らせました。ドアは靴が挟まって閉じるのを諦めています。
皆さん、私に親指を立ち上げています。私は、やれば出来る子なのです!
今度は全員で靴を脱ぎ、キャットウォークで階段を降りて行きます。その先はガラス張りの待合室です。外には守衛室兼検問所のはずです。そこでおじさん達が守衛さんらしき人に車を出せ、出せないの押し問答中です。私達は待合室の長椅子に隠れて準備をしています。そこで秋子さんと熱い抱擁を交わした後、秋子さんを除き立ち上がりました。
「今よ!」
夏子さんの号令で私と春子さんとで、私が日中担いでいた墓石の見本をガラスの壁に向かって投げ飛ばしました。盛大な音と共にガラスが割れていきます。
「さあ、行って」
冬子さんが秋子さんの肩を叩きました。靴を履いた秋子さんが涙ながらに応えます。
「皆さん、ありがとうー」
割れたガラスと、立ち上がった私達にこの場にいる全員の視線が集まりました。その隙に秋子さんが駆け出して行きます。早く、早く、もっと早く!
驚きと怒りを持って私達は睨まれています。そうです、それで良いのです。秋子さん、幸せになってください。
待合室は大騒ぎとなりました。直ぐに捉えられ拘束された私達は、また反省房行きです。ですがそれで済めば安いものです。
連行された私達は……何故か自宅謹慎となりました。拍子抜けです。酷い拷問まで覚悟していたというのに。とばっちりを受けたおじさん達は、外出は叶わず引き返して行きます。なんであれ私達はやり遂げました。それだけで満足です。あとは秋子さんの無事を祈るばかりです。
◇
職場に戻ると既に皆さん、お集まりのようです。流石は私の敵、ライバル達です。ただ、数名の方が戻っていません。そのまま就業時間の終わりを待ちましたが戻って来る気配がありません。この職場は時間厳守ですので定時で閉鎖されました。おそらく戻ってこられない方々は爆死されたのでしょうか。ライバルが花と散ったことに心が痛みます。
仕事も終わり部屋に戻ろうとした時です。懐かしい方、春子さんがエレーベーターの近くで潜んでいました。私が声を掛けようとすると口に指を当てています。それで春子さんには背中を向けてのヒソヒソ話となりました。
「良子さん、例の部屋にA時集合です」
「はい」
そうして私は見知らぬ振りをして自分の部屋に戻ったのです。監視の厳しい会社です、何処に耳や目があるか分かったものではありません。それで暗号なのです。A時とは午後10時。例の部屋とは空き部屋のことです。
私達、元菫組は解散しましたが心までは解散していません。私達の絆は強いのです。例の部屋は誰も入居者がいない部屋を事前に調べてあり、そこを集合場所にしています。本当は誰かのお部屋に集まれれば良いのでしょうが、会社に目を付けられている私達は行動を控えています。ですが何時までも会社の良いように扱われているわけではありません、こうして着実に進歩しているのです。何時か笑顔でここを出られる日を夢見ながら。
トン、トントン、トン。
これが部屋に入る時の合図になっています。集合時間も微妙にずらしてのことです。
トントン、トン、トントン。
了解の合図が返ってきました。これで安心して入室することが出来ます。中に入ると皆さん、お集まりです。
「「良子!」」
「皆さん!」
狭い部屋の中で抱き合って再会を喜び合う菫組です。私は良子と言う名前ではありませんが、もう慣れてしまいました。それに今では本名でなくても良かったと思います。この会社、この国に名乗るような名前は持ち合わせておりませんから。
早速、夏子さんが議長として話を進めます。いくら空き部屋といっても長居は無用、いつ誰が来るか分からないからです。用心に越したことはありません。
「今日は、秋子さんのことです。秋子さんは直ぐにでもここを出たいと言っています。そこで皆さんのお知恵を借りたいのです」
秋子さんの番です。
「私、もうこれ以上ダメなんです。ここには居られなくなりました。それにずっと連絡を取っていない家族、それと、その、彼とも会いたいのです」
「落ち着いて、秋子さん。あなたが急ぐ理由を皆さんにも分かるように説明してください」と議長の夏子さんです。
「ああ、すみません。実は、あのケンジ部長が毎日のように言い寄ってきていまして、とうとう今夜の零時に、部屋に来い、来なければお前の友人達がどうなっても知らないぞ、と脅してきたのです。それで、」とここで言葉を詰まらせてしまった秋子さんです。
確かに、秋子さんは色んな方から言い寄られることが多いようです。私達の中でも群を抜いて、というわけではありませんが、私より少し美しい方です。魅力も少し、可愛らしさも少し、女子力も少し、そうです、ほんの僅かな違いがあるのです。
夏子さんが話を繋げていきます。
「わかったわ秋子さん、急ぎの案件ね。話を纏めましょう。まず、秋子さんの身の安全が最優先よね。次に部長の件だけど、その後の友人達というのは恐らく私達のことでしょうけれど、その点について皆さんはどうかしら」
「「私は」」
春子さんと冬子さんが同時に言おうと被ってしまいました。そこで春子さんが続けます。
「私は大丈夫です。気にしないで出来る事をしてください。冬子さんはどうですか」
「はい、私も春子さんと同意見です、良子さんは?」
「はい、私も同じです」
夏子さんが皆さんの意見を聞いて目を閉じています。そして良い考えが浮かんだようです。
「私達の思いは同じですね。分かりました。では秋子さん、私達の事は気にせず、お逃げなさい。この国を出るのです。ですが問題があります。それはどうやってここから出国するか、という点とこの腕時計を何とかしなければなりません。皆さん、良い知恵はありますか」
良い知恵かどうかは分かりませんが、私には提供できる情報がありました。
「私は今日、出国して営業に行ってきました」
「「ええ!」」
皆さん、驚いて開いた口が塞がりません。私もこれだけ驚かれるとは思ってもみませんでした。そこで夏子さんが進行を続けます。
「良子さん、それ、詳しく話してください。それで解決できるかもしれません」
「はい」
私は営業で地下駐車場から出国したこと、地図に記されたルートを辿れば腕時計は問題なかったことです。夏子さんの目が一層輝いてきました。
「駐車場から出られるなんて。言われればそうでしょうね。車で外出する、それはすなわち国外に出ることですからね、盲点でした。車の運転をしない私には思いもつきません。後は腕時計ですね、これを何とかしないと」
秋子さんの沈んだ顔にも笑みが戻ってきました。そして、
「皆さん、ありがとうございます。それだけで十分です。出られることが分かれば、それで行けます。それで腕が無くなっても部長のところに行くよりはずっとましですから」と決意されたようです。
秋子さん以外の私達に、その苦痛が伝わってくるようです。そこで思い出したことがありました。そういえばです。
「あの、営業に行かれた方で何人か戻られない方がいたんです。その方々はもう、きっと、あの、あれだと思うのですが」
それを聞いた夏子さんの顔が曇りました。でも事実なんです。どこかでドカーンとなられているかと。
「それなら、そうですね、春子さん、何か情報は入っていますか」
「いいえ、特にありません。いつも通りです」
電子工作が得意な春子さんは、祖国のラジオを傍受することが出来るのです! 夏子さんの進行が続きます。
「冬子さんはどうですか」
「いいえ、大きな事件・事故は発生していません」
コンピューターの知識が豊富な冬子さんは公衆電話から祖国のインターネットに接続して情報を収集できるのです!
夏子さんは、それらの情報から道筋を立て未来を形作ります。そして、安堵のため息をつくのでした。
「そうですか、やはり私の思った通りです。この腕時計がアレするとは、恐らくハッタリでしょう。私達を怖らがせ逃さないためのフェイク。100%とは言いませんけれど、そう考えてもおかしくはないでしょう。でも、秋子さん。覚悟だけはしておいてください」
「覚悟は出来ています。それに万が一でも耐えてみせます。皆さん、色々とありがとうございます」
「では、急ぎましょう、時間がありません」
私達は夏子さんを中心に小さな声でコソコソ、ウンウンと計画を立案、ヨシヨシと実行に移します。そして最後に夏子さんが締めます。
「いいですか皆さん、私達には大して力はありません。そして直ぐにバレてしまうでしょう。それでも秋子さんを出国させることは出来るはずです。私達に出来ないことは無いのです。最後になるかもしれません。ですが最後だからこそ全力で計画を遂行致しましょう!」
「「はい」」
◇
午後11時30分、私達は別々に1階で集合しました。そこから地下駐車場に通じる階段の入り口へ。そこの扉を開けます……開きません、鍵が掛かっています。何てしっかりとした会社なのでしょうか。計画が頓挫しそうです。私達従業員はエレベーターで直接、地下まで行くことが出来ないのです、困りました。
そこにです。静まり返った空間に幾つかの靴音が聞こえてきました。急いで角に隠れる私達です。
おじさんが4人、歩いてきました。それも不規則な足音です。その音に一緒に声も聞こてきました。
「何でエレベーターが動かないんだ!」
「そんなことは、どうでもいい。急げ!」
大変不満げで苛立っている感じのおじさん達です。歳からいって、もう寝る時間ですよ。そのおじさん達、私達が開けられなかったドアを開けてゾロゾロと中に履いて行きます。そしてドアが閉まって行きます。今、出て行けば見つかってしまいます。既に監視カメラで私達の行動が把握されているかもしれません。でも捕まるにはまだ早すぎます。だってまだ、何も成し遂げられていないのですから。
そう思っているうちにドアが閉まってしまいます。ああ、どうしましょう、こうしましょう。私は片方の靴を脱ぎ、それを閉まりかけているドアの隙間めがけて滑らせました。ドアは靴が挟まって閉じるのを諦めています。
皆さん、私に親指を立ち上げています。私は、やれば出来る子なのです!
今度は全員で靴を脱ぎ、キャットウォークで階段を降りて行きます。その先はガラス張りの待合室です。外には守衛室兼検問所のはずです。そこでおじさん達が守衛さんらしき人に車を出せ、出せないの押し問答中です。私達は待合室の長椅子に隠れて準備をしています。そこで秋子さんと熱い抱擁を交わした後、秋子さんを除き立ち上がりました。
「今よ!」
夏子さんの号令で私と春子さんとで、私が日中担いでいた墓石の見本をガラスの壁に向かって投げ飛ばしました。盛大な音と共にガラスが割れていきます。
「さあ、行って」
冬子さんが秋子さんの肩を叩きました。靴を履いた秋子さんが涙ながらに応えます。
「皆さん、ありがとうー」
割れたガラスと、立ち上がった私達にこの場にいる全員の視線が集まりました。その隙に秋子さんが駆け出して行きます。早く、早く、もっと早く!
驚きと怒りを持って私達は睨まれています。そうです、それで良いのです。秋子さん、幸せになってください。
待合室は大騒ぎとなりました。直ぐに捉えられ拘束された私達は、また反省房行きです。ですがそれで済めば安いものです。
連行された私達は……何故か自宅謹慎となりました。拍子抜けです。酷い拷問まで覚悟していたというのに。とばっちりを受けたおじさん達は、外出は叶わず引き返して行きます。なんであれ私達はやり遂げました。それだけで満足です。あとは秋子さんの無事を祈るばかりです。
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