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蛇令嬢
72 律儀で頑固
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生徒達が戦闘訓練を行うための森で今日も激しい轟音がなっていた。
「篠野部のやつ容赦ねーな」
「それを言うならミューもでしょ?」
「確かに」
今、対戦している二人以外は訓練要の森から少しはなれたところで観戦していた。
今対戦してるのは篠野部とミューだ。この二人とメメは私達のなかでも容赦ない魔法の使い方をする。
逆にこの前のローレスとレーピオは結構あっさりといった方だ。
観戦していると夕暮れを背景に木が空を舞って篠野部に向かって落ちていった。
「まじでミューのやつ容赦ねえな……」
「さすが軍人のお父さん直々に鍛えられてるだけあるわ……」
「相手の篠野部は私の記憶が間違ってなかったら一般家庭出身のはずなんだけどなあ……」
私よりも篠野部の方がこの世界に、この学校に適応してきてない?適応能力高いのかな……。
この集まりも毎日あるわけではないが、令嬢に目をつけられてからは頻度が増えていた。
しばらくして音はおさまり、ついてくれている先生からの終了の合図が出た。
戻ってくる二人をみるに篠野部が勝ったようだ。ミューは隣でしょぼくれているので、とてもわかりやすい。
ふと時計をみると、そろそろいい時間になるところだ。
……それはそうと喉が渇いたな。
「水取りに行ってくるわ。食堂行ってくるから帰ってこなかったら迎えに来てね」
そう言って止められる前に走り出す。
「え?ちょっ、えーちゃん!?」
「は?待て待て待て!止まれ!」
「今、僕たち皆揃って狙われてるかもしれないのに一人で行くんですかあ!?」
「えぇ!?永華ちゃん!?」
「危機感持ちなさいよ!」
後ろからガヤガヤと静止の声が聞こえてくるが私は止めることなく早足で目的地に向かう。
でも、さすがに心配させるのはダメか。
「近くに友達がいるから大丈夫~!」
それだけ言ってそそくさと校舎のなかに入っていった。
「水取りに行くのに友達が待ってる?」
「どうしたのかしら?」
「猫にでも会いに行くんじゃないか。たまにある」
残されたもの達は迷路のような校舎のなかに入り早々に姿を消した永華のを見送るしかなかった。
今だ見慣れない廊下を早足で進んでいく。地図を片手に目的地へ向かっていくと、曲がり角で誰かにぶつかりそうになった。
「わっ!」
「なっ!?」
永華が慌てて足を止めるとギリギリぶつからずにすんだ。そのかわりに凄い距離が近くなったけど……。
「す、すみません」
声からして令嬢ではないことがわかるが令嬢の差し金だったら困る。ここはすぐに謝ってスタコラサッサと逃亡するのが良いだろう。
そう思って、謝罪の言葉と共にその場から去ろうと顔を上げたら見覚えのある顔だった。
「……食堂で騒いでたシスコンだあ!!!!」
薬を盛られ、理性を失っていき、ナーズビアに妹との縁談を断ったとかで絡んで、最終的には暴走した先輩だ。
「うるせえ!!誰も彼もその覚え方しやがって!!俺は薬盛られら被害者だぞ!!」
「あ、わ、ごめんなさい」
先生が近々復帰するとかいってたけど、まさかこんな再開を果たすとは思っていなかった。
素面とはいえ妹との縁談を断ったからって絡んでいった人と関り合いにならない方がいいよね。早く行こ。
踏み出した一歩は__
「それじゃあ、失礼しま__」
「おい、待てよ」
柄の悪いシスコンに阻まれてしまった。
「何ですか?」
いつでも対応できるように杖に手をのばす。
「お前、もしかして俺のこと縛り上げたやつか?」
「覚えてるんですか?記憶とか飛んでそうな雰囲気だったのに……。あ、体の方はどうです?」
そういえばシマシマベアーさんも起きたとき凄い慌てて、動き的に記憶はなくなっていなかった気がする。多少手が入ってるとはいえ、そこら辺は変わらないのか。
「おぼろげだけどな。お前と妹の初恋を奪ったクソ野郎と、あと俺を気絶させたやつ。顔を覚えてるのその三人だけ、もっといたのは知ってる。体の方はピンピンだ、後遺症もなんもなく一昨日復帰した」
「そうですか。よかったです」
「おう、それでお前らに礼と謝罪を言いたい」
「え?」
目の前にいた先輩が頭を下げた。
「え!?」
「あのとき薬を盛られちまったとはいえ無関係なお前やお前のダチに魔法をうっちまった事実は変わらねえ。錯乱していたとはいえ俺のやったことだ。だから、それについての謝罪と、あのときの俺を止めてくれた礼を言う」
「……」
貴族でありながら柄の悪さに驚いていたのに、今では逆にその柄の悪さからは想像できない律儀さを発揮され驚きから固まってしまう。
「いいですよ、べつに。頭を上げてください。私は自分のために、あぁやっただけなので」
本当はシマシマベアーさんに使われた薬の可能性があるって言うから、体に何かしらの影響が出る前に止めようとしただけなんだけどね。
「そうか、だが礼と謝罪は受け取ってもらうぜ」
「はい」
この人、律儀だとおもったが頑固そうでもあるな。
「俺はビーグル・ナリューラ、三年だ。まぁ、あんなの見た後だと気まずいかもしんねえが、なにかあれが声かけろ」
「いいんですか?先輩は規則だったと記憶してます。平民と貴族が関わることを吉としない方がいるのでは?」
正直、令嬢差し金ならこれに引っ掛かってくれたりしないかなあ、とか思いつつ質問した。
「あぁん?……そういやお前ら、あのめんどくさい上に古くさい考え方のカリヤに絡まれてんだったか」
「お話が早いようで」
「俺はちげえよ。あんなめんどくさい、どんな生き物だって皮剥いじまえば肉塊なんだからよ」
ずいぶんと過激な発言だが、まあ頷ける。
この様子を見るに令嬢の差し金ではなさそうだ。これで嘘をついてたら相当の演技はだね。
「俺の次はカリヤって、運がねえな。最近のあいつは何があったかしねえが容赦ねえぜ」
“最近”ってことは前は違ったの?
何があったんだか……。
「はは……。まぁ、だいぶ悪運強いなとは思います」
じゃなきゃ異世界に呼ばれたりしないだろうしね。
「自覚あんならいいが大物に絡まれるのも時間の問題かもな」
「……」
はは、わりとそうかも……。
ん?時間?
そういえば私、呼び出されてて、そろそろ時間だから訓練抜けてきたんだった!
「やっば!急がないと遅れる!」
「あ?なんか約束でもしてたか?わりいな、引き留めちまって」
「忘れて話してた私が悪いので……」
どやされはしないけど拗ねそうだなあ……。
何はともわれ早くいかないと遅れてしまう。
それじゃあ、と口を開こうとした頃で先に先輩が口を開いた。
「……送ってくわ」
「え?」
「約束の場所まで送るつってんだよ。お前らカリヤに狙われてんだったら、もう少し集団で動けよ。一人いるとか闇討ちしてくださいって言ってるようなものだからな」
「うっ……」
近いから大丈夫かなと思ったけど、やっぱり怒られちゃったか。
「見送ったあと怪我でもされてみろ、目覚めわりいわ。だから送ってく」
「えっと……」
「送ってく!」
「あ、はい」
先輩の圧に屈して返事を返してしまった。
「どこだ?」
「ここです」
大人しく目的地を教えると地図を見ずにスタスタ歩きだし、驚いた私は慌ててついていく。
「先輩、地図覚えてるんですか?」
「ビーグルだ。先輩だけで呼ぶな。誰かわからなくなるぞ。あと地図は丸暗記した」
「はい、ビーグル先輩。凄いですね、記憶力がいいんですか?」
「あぁ、暗記は得意だ」
おぉ、凄い。長い間勤めてるだろう先生達だって地図が必要なのにビーグル先輩は丸暗記してしまっているらしい。
「……」
「あれ?ビーグル先輩、どうかしました?」
「いや、なんでもねえ。……ネズミがいただけだ」
「え!?どこ?」
こんな古い建物ならいたっておかしくない。おっかなびっくりくるくると回りを見てネズミがいないか確認する。半分は恐怖と、もう半分は好奇心から来た行動だった。
「はっ!もう逃げたわ」
「そ、そうですか。よかった……」
永華は知らない。ネズミは遠くはなれた背後にいて、ネズミ達はビーグルに睨まれ怖じ気づき退散したことを、しらない。
「篠野部のやつ容赦ねーな」
「それを言うならミューもでしょ?」
「確かに」
今、対戦している二人以外は訓練要の森から少しはなれたところで観戦していた。
今対戦してるのは篠野部とミューだ。この二人とメメは私達のなかでも容赦ない魔法の使い方をする。
逆にこの前のローレスとレーピオは結構あっさりといった方だ。
観戦していると夕暮れを背景に木が空を舞って篠野部に向かって落ちていった。
「まじでミューのやつ容赦ねえな……」
「さすが軍人のお父さん直々に鍛えられてるだけあるわ……」
「相手の篠野部は私の記憶が間違ってなかったら一般家庭出身のはずなんだけどなあ……」
私よりも篠野部の方がこの世界に、この学校に適応してきてない?適応能力高いのかな……。
この集まりも毎日あるわけではないが、令嬢に目をつけられてからは頻度が増えていた。
しばらくして音はおさまり、ついてくれている先生からの終了の合図が出た。
戻ってくる二人をみるに篠野部が勝ったようだ。ミューは隣でしょぼくれているので、とてもわかりやすい。
ふと時計をみると、そろそろいい時間になるところだ。
……それはそうと喉が渇いたな。
「水取りに行ってくるわ。食堂行ってくるから帰ってこなかったら迎えに来てね」
そう言って止められる前に走り出す。
「え?ちょっ、えーちゃん!?」
「は?待て待て待て!止まれ!」
「今、僕たち皆揃って狙われてるかもしれないのに一人で行くんですかあ!?」
「えぇ!?永華ちゃん!?」
「危機感持ちなさいよ!」
後ろからガヤガヤと静止の声が聞こえてくるが私は止めることなく早足で目的地に向かう。
でも、さすがに心配させるのはダメか。
「近くに友達がいるから大丈夫~!」
それだけ言ってそそくさと校舎のなかに入っていった。
「水取りに行くのに友達が待ってる?」
「どうしたのかしら?」
「猫にでも会いに行くんじゃないか。たまにある」
残されたもの達は迷路のような校舎のなかに入り早々に姿を消した永華のを見送るしかなかった。
今だ見慣れない廊下を早足で進んでいく。地図を片手に目的地へ向かっていくと、曲がり角で誰かにぶつかりそうになった。
「わっ!」
「なっ!?」
永華が慌てて足を止めるとギリギリぶつからずにすんだ。そのかわりに凄い距離が近くなったけど……。
「す、すみません」
声からして令嬢ではないことがわかるが令嬢の差し金だったら困る。ここはすぐに謝ってスタコラサッサと逃亡するのが良いだろう。
そう思って、謝罪の言葉と共にその場から去ろうと顔を上げたら見覚えのある顔だった。
「……食堂で騒いでたシスコンだあ!!!!」
薬を盛られ、理性を失っていき、ナーズビアに妹との縁談を断ったとかで絡んで、最終的には暴走した先輩だ。
「うるせえ!!誰も彼もその覚え方しやがって!!俺は薬盛られら被害者だぞ!!」
「あ、わ、ごめんなさい」
先生が近々復帰するとかいってたけど、まさかこんな再開を果たすとは思っていなかった。
素面とはいえ妹との縁談を断ったからって絡んでいった人と関り合いにならない方がいいよね。早く行こ。
踏み出した一歩は__
「それじゃあ、失礼しま__」
「おい、待てよ」
柄の悪いシスコンに阻まれてしまった。
「何ですか?」
いつでも対応できるように杖に手をのばす。
「お前、もしかして俺のこと縛り上げたやつか?」
「覚えてるんですか?記憶とか飛んでそうな雰囲気だったのに……。あ、体の方はどうです?」
そういえばシマシマベアーさんも起きたとき凄い慌てて、動き的に記憶はなくなっていなかった気がする。多少手が入ってるとはいえ、そこら辺は変わらないのか。
「おぼろげだけどな。お前と妹の初恋を奪ったクソ野郎と、あと俺を気絶させたやつ。顔を覚えてるのその三人だけ、もっといたのは知ってる。体の方はピンピンだ、後遺症もなんもなく一昨日復帰した」
「そうですか。よかったです」
「おう、それでお前らに礼と謝罪を言いたい」
「え?」
目の前にいた先輩が頭を下げた。
「え!?」
「あのとき薬を盛られちまったとはいえ無関係なお前やお前のダチに魔法をうっちまった事実は変わらねえ。錯乱していたとはいえ俺のやったことだ。だから、それについての謝罪と、あのときの俺を止めてくれた礼を言う」
「……」
貴族でありながら柄の悪さに驚いていたのに、今では逆にその柄の悪さからは想像できない律儀さを発揮され驚きから固まってしまう。
「いいですよ、べつに。頭を上げてください。私は自分のために、あぁやっただけなので」
本当はシマシマベアーさんに使われた薬の可能性があるって言うから、体に何かしらの影響が出る前に止めようとしただけなんだけどね。
「そうか、だが礼と謝罪は受け取ってもらうぜ」
「はい」
この人、律儀だとおもったが頑固そうでもあるな。
「俺はビーグル・ナリューラ、三年だ。まぁ、あんなの見た後だと気まずいかもしんねえが、なにかあれが声かけろ」
「いいんですか?先輩は規則だったと記憶してます。平民と貴族が関わることを吉としない方がいるのでは?」
正直、令嬢差し金ならこれに引っ掛かってくれたりしないかなあ、とか思いつつ質問した。
「あぁん?……そういやお前ら、あのめんどくさい上に古くさい考え方のカリヤに絡まれてんだったか」
「お話が早いようで」
「俺はちげえよ。あんなめんどくさい、どんな生き物だって皮剥いじまえば肉塊なんだからよ」
ずいぶんと過激な発言だが、まあ頷ける。
この様子を見るに令嬢の差し金ではなさそうだ。これで嘘をついてたら相当の演技はだね。
「俺の次はカリヤって、運がねえな。最近のあいつは何があったかしねえが容赦ねえぜ」
“最近”ってことは前は違ったの?
何があったんだか……。
「はは……。まぁ、だいぶ悪運強いなとは思います」
じゃなきゃ異世界に呼ばれたりしないだろうしね。
「自覚あんならいいが大物に絡まれるのも時間の問題かもな」
「……」
はは、わりとそうかも……。
ん?時間?
そういえば私、呼び出されてて、そろそろ時間だから訓練抜けてきたんだった!
「やっば!急がないと遅れる!」
「あ?なんか約束でもしてたか?わりいな、引き留めちまって」
「忘れて話してた私が悪いので……」
どやされはしないけど拗ねそうだなあ……。
何はともわれ早くいかないと遅れてしまう。
それじゃあ、と口を開こうとした頃で先に先輩が口を開いた。
「……送ってくわ」
「え?」
「約束の場所まで送るつってんだよ。お前らカリヤに狙われてんだったら、もう少し集団で動けよ。一人いるとか闇討ちしてくださいって言ってるようなものだからな」
「うっ……」
近いから大丈夫かなと思ったけど、やっぱり怒られちゃったか。
「見送ったあと怪我でもされてみろ、目覚めわりいわ。だから送ってく」
「えっと……」
「送ってく!」
「あ、はい」
先輩の圧に屈して返事を返してしまった。
「どこだ?」
「ここです」
大人しく目的地を教えると地図を見ずにスタスタ歩きだし、驚いた私は慌ててついていく。
「先輩、地図覚えてるんですか?」
「ビーグルだ。先輩だけで呼ぶな。誰かわからなくなるぞ。あと地図は丸暗記した」
「はい、ビーグル先輩。凄いですね、記憶力がいいんですか?」
「あぁ、暗記は得意だ」
おぉ、凄い。長い間勤めてるだろう先生達だって地図が必要なのにビーグル先輩は丸暗記してしまっているらしい。
「……」
「あれ?ビーグル先輩、どうかしました?」
「いや、なんでもねえ。……ネズミがいただけだ」
「え!?どこ?」
こんな古い建物ならいたっておかしくない。おっかなびっくりくるくると回りを見てネズミがいないか確認する。半分は恐怖と、もう半分は好奇心から来た行動だった。
「はっ!もう逃げたわ」
「そ、そうですか。よかった……」
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