104 / 171
王都
一度ならず二度までも④※
しおりを挟む「ん、ぁぁあ……」
「だいぶ柔らかくなってきた」
え、なにどこが?
さっきから何をされているのか、これから何をされるのか、何も分からなくてもうパニックだ。
「や、や……っ。ジルさん…?」
「アキオ、力を抜いていなさい」
低い声の振動が耳に伝わり、全身がとろけるように緩んだ次の瞬間、お尻にとてつもない違和感を覚える。
「っジ、ジルさん、な、に…?」
予想していなかった刺激に思わず腰が逃げてしまう。
こ、これってまさか、考えたく無いけど、もしかして…ジルさんの指が侵入してる……!?
「媚薬摂取時の症状を鎮めるには、より強い刺激が効果的だ。快感だけに身を任せるといい」
ご丁寧に説明ありがとうございます。そっか、ジルさんが言うなら間違いないか……とはならないからな。
そもそもそんなところで気持ちよくなれるはず無いのに。
抵抗しようとするも、丁寧に丁寧にマッサージを施されふやふやに柔らかくなったそこは、指の侵入を簡単に許していく。
「んっ、あ」
「痛いか?」
「痛く、ない……けど、」
「では、もう少しだけ奥に行くぞ。
アキオ。力を抜いて、深呼吸……そう、上手だ」
「はぁ、はぁ、……っうぅ」
「苦しいな。すまない、もう少し我慢してくれっ」
「大、丈夫で、す…」
「…指の半分まで入った。馴染むまで少しこのままにしておこう」
指の侵入が止まり一息ついた瞬間、前への刺激が再開された。
「ぁ、いや、ああっ」
恥ずかしいとか、情けないとかよくわからなくなっていて、ただただ全身がジルさんの体温を欲している。
こうなったら、全部任せよう。
「…アキオ、もう少し奥に入るぞ?」
「…は、い……っあぁ」
「これはどうだ?痛くないか?」
「なんか…なんかよ、く、わからな、っぁ、」
ズブズブと僕の体を拓いていく指は、あたたかくて優しくて、どんどん僕の中に馴染んでいるのが分かる。
「そう、上手だ。うまく力を抜けている」
頭をぽんぽんと優しく撫でられる。その手の感覚に反応した体はぞわぞわと痺れを全身に走らせ、無意識にきゅっとジルさんの指を締め付けていた。
ゴツゴツした指の形を鮮明に感じてしまい、お腹の中にずんと甘い刺激が響く。
「はっ、ぁ、あっ…ぁあっ!」
「この辺りか…アキオ、少し中を撫でる。苦しかったら言ってくれ」
一点に集められた刺激がジルさんの指によってどんどん育てられていく。くりくりと指を動かされると、たまらなく切ない気持ちになった。
「ぁ、やっ、ジル、さん…なんか、そこ」
「あぁ…ここだな」
「な、にっこれ、なんか……へん」
「っ、苦しいか?」
「苦しく、ない、です……でもっ僕、からだおかし、ぃ」
なんだ、これ。
勝手に腰がくねる。
「おかしくない、大丈夫だ。…これはどうだ?」
その部分を軽く押されたまま、くにくにと小刻みに指を動かされる。
「やっああぁ・・・!ジルさっ、やだ、やだ、これ」
お腹の中がじんじんする。
太腿がブルブル震え、腰はガクガクと跳ねる。
やばい、やばい。何?こんなの知らない。
「あっ、は・・・ぅぁああ、ん」
「そう、上手に出来ている。恥ずかしがる必要は無い」
必要なくても恥ずかしいんです。
「ここが気持ち良いんだな」
よし分かったとばかりにその部分を優しく、時に強く撫でる。
気持ち良い………?
そっか、これ、気持ち良いんだ。
自身に降りかかる快感を自覚した途端、体はそれだけを求めてジルさんに纏わりつく。彼の声を受け止める耳さえも心地いい。
「ん、気持ち、ぃ…あぁあ、ジルさっ、きもち…」
「……っ!ああ、気持ち良いな。だんだんここが膨らんできている。うまく快感を追えている証拠だ」
僕はこんなにどろどろでぐちゃぐちゃなのに、やっぱりジルさんはいつも冷静だ。こんな時にも埋まらない隔たりを感じて悲しくなってしまうけど、でも間違いなく頼もしいこの人に今は全てをゆだねるしかない。
「ぁぁぁあ、や、でる、っ!」
脳内で何かが弾けたように、頭の中が真っ白になった。
苦しい、しんどい、辛い。
そりゃこれだけ息も絶え絶えに悶えていたのだから当たり前だろう。
でもなんだろう、とても満たされている。
心も体も全てが幸せに包まれているような感覚だ。
ようやく熱が治まってきたことに安堵しながら、何でもかんでも貰ったものを口にしないと心に決め、一気に襲ってきた眠気に身を任せた。
1
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~
クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。
だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。
リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。
だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。
あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。
そして身体の所有権が俺に移る。
リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。
よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。
お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。
お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう!
味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。
絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ!
そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
ガチャテイマーはもふもふを諦めない。〜フェンリルを求めてガチャを回すがハズレのようです。代わりに来たもふもふをモスモスしたら幸運が訪れた〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
第一部ざまぁ編 完結
第二部スローライフ編 突入
主人公は妹と二人で暮らしていた。両親は仕事に行ったきり帰ってこず、残されたのはわずかに風と雨が凌げる家だけだった。
そんな彼らを襲ったのは妹の難病。
――魔力喰い
体の中にある魔力を少しずつ食らいつくと言われている。やがて体の中の魔力がなくなると、生命まで食らいついてしまうという病気。
妹を助けるためには、魔力を与える必要があった。
だが、兄にはそんな力がなかった。兄のスキルは【ガチャテイム】。魔物を倒した時に稀に手に入るコインを使って、魔物をテイムするスキル。
力もなく、金もない主人公はどうすることもできず、パーティーの荷物持ちとしてお金を稼いでいた。
ある日、Aランクパーティーの荷物持ちとしてダンジョン攻略に向かうことになる。
だが、主人公はダンジョンボスの囮として雇われていた。
死を覚悟した主人公はあることがきっかけで、ダンジョンボスを倒してしまう。
目の前に現れたガチャコイン。
ゆっくりとガチャを回すと、もふもふと愛らしいフェンリル?が現れた。
兄妹の人生を変わり者のフェンリル?との出会いが、次々と幸運を巡り寄せていく。
いつかあのフェンリルにお礼を伝えたい!
主人公は今日もフェンリルに会うためにガチャを回す。
※表紙はAIイラストで作成。著作権は作者にあり。
感想コメント大歓迎です(*´꒳`*)
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
身代わり男装騎士ですが、副騎士団長様に甘く暴かれました
卯月ミント
恋愛
侯爵令息に婚約破棄された伯爵令嬢ユベルティナは、男装して騎士候補生となった!
病に倒れた双子の弟ユビナティオに代わり、男装して騎士候補生として王立賛翼騎士団に入団したユベルティナ。
そこで待っていたのは公爵家出身で女嫌いな副団長ロジェだった。
副団長補佐官となった男装騎士候補生ユベルティナと、真面目で女嫌いな副団長ロジェの、戸惑ったりイチャイチャしたりするお話です。
*ゆるゆる設定です。
*R18エピソードは物語の後半に出て来ます。なお、軽いR18シーンには☆、濃いR18シーンには★を付けてあります。
*この作品は、他サイト様にも掲載しています。
*hotランキング2位になれました!!!ありがとうございます!!!!!
*読者さまのお陰で、無事に完結を迎えることができました。心より御礼申し上げます。
*沢山の読者様に読んでいただいた感謝の気持ちを込めて、番外編を書かせていただきました。お楽しみいただけると、嬉しいです。
*アルファポリス様のノーチェブックスより書籍化いたしました!みなさまのお陰です。本当に、どうもありがとうございます!
*書籍化にともないまして、アルファポリス様の方針により、5月17日に本編部分を取り下げさせていただきました。本編のご愛読、まことにありがとうございました!
*書籍化にあたってタイトルが変わりました。旧題『男装して騎士候補生になったら、女嫌いの副団長様にとろとろに蕩かされてしまいました』→新題『身代わり男装騎士ですが、副騎士団長様に甘く暴かれました』です!
*書籍化記念番外編更新終了です。お読みいただきありがとうございました!
*お気に入り登録、エールをありがとうございます!本当に励みになります!
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
攻略対象の婚約者でなくても悪役令息であるというのは有効ですか
中屋沙鳥
BL
幼馴染のエリオットと結婚の約束をしていたオメガのアラステアは一抹の不安を感じながらも王都にある王立学院に入学した。そこでエリオットに冷たく突き放されたアラステアは、彼とは関わらず学院生活を送ろうと決意する。入学式で仲良くなった公爵家のローランドやその婚約者のアルフレッド第一王子、その弟のクリスティアン第三王子から自分が悪役令息だと聞かされて……?/見切り発車なのでゆっくり投稿です/オメガバースには独自解釈の視点が入ります/魔力は道具を使うのに必要な程度の設定なので物語には出てきません/設定のゆるさにはお目こぼしをお願いします
婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています
葉柚
ファンタジー
婚約者の二股により婚約破棄をされた33才の真由は、突如異世界に飛ばされた。
そこはど田舎だった。
住む家と土地と可愛い3匹の猫をもらった真由は、猫たちに囲まれてストレスフリーなスローライフ生活を送る日常を送ることになった。
レコンティーニ王国は猫に優しい国です。
小説家になろう様にも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる