~喫茶ポポの日常~

yu-kie

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2話<春樹のお客現る>

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 喫茶ポポは今日も少しだけ忙しく、小さい店長は笑顔を振り撒きちょこちょこと走り回っています。

 最近かわったことと言えば、閉店前には大柄な格闘家を思わせる青年がポポの2階の仮住まいに帰って来ること。

 そのため、夕方に来るお客の数名は目撃しているため、小さな店長の栗田美奈を心配していた。

「最近大男が居座ってるんだって。」
「あ~仕事が早く終わるとここに来て彼女の顔をみながら珈琲飲むのが楽しみなのに~」

 仕事終わりに喫茶ポポに寄ったと思われる若いサラリーマン二人は閉店前、そんな話をしながら店を出た。

 ビルとビルの間の狭い空間に体をぎゅっと押込み隠れたつもりの男が1人、その話を耳にし、双眼鏡をてにして至近距離のポポの前を監視していた。

 張り込みにも見える事をしている男は、その双眼鏡にポポに入ろうとする『大男』をとらえる。次の瞬間、『大男』は双眼鏡をてにしている男に詰めより、レンズの視界は真っ黒になった。

「おい、何してる。」
「へっひゃ。」

 捕獲された男はビルの隙間に挟まり動けずにいる。すると『大男』鮎川春樹が、男の腕を引っ張り、男は簡単に隙間から体が解放された。男は春樹に引っ張られるようにして春樹と共にポポの店内へと姿を消したのだった。

 時間は閉店30分前。ラストオーダーはまだギリギリ間に合う時間だった。

「いらっしゃいませ。」

 店内に入れば妖精?小動物?を思わせる少女が出迎えた。

「春樹さん、お友達ですか?」
「いや?店を気にしてたから連れてきた。」
「夕飯は済んでますか?厚焼き玉子と厚切りベーコンのサンドイッチ作れますけど、どうします?」
「食べます!」
「それでいいよ。」

 男二人は同時に答え、美奈は笑顔を向けながらテーブルに水の入ったグラスを二つ置いた。

「お飲みものはどうします?」
「HOT珈琲二つ。」

  春樹は男の返事を聞かずに答え、男は口をパクパクさせ、アイスが良かったのにと小さく呟き、春樹の睨みに小さくなり下をうつむき無言になるとそのまま食事が来るのを待っていた。

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