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7話 魔女の報復
しおりを挟む瘴気が広がる周辺は薄暗く、遠方へ向かうために多くの人が利用する整備された広い道をも覆い、その先に向かう者たちの行く手を阻む。
危険な場所であるこの山脈を、無害で安全な場所にするため、トーマ達はこの瘴気に立ち向かう。
❖
瘴気のエリアへと足を踏み入れた直後、木々の奥では黒い霧の中からこちらを狙う無数の目が光っていた。
トーマは直ぐ側で剣を構える剣士ザイルに聞こえるよう呟いた。
「あの目は…」
「番人様あの光は獣人達と思われます。」
「ザイルにはわかるの?」
「いえ、私はわかりませんが…同行する猫の獣人数名は獣の気配に敏感ですので…彼らの尻尾はほら…あのように毛が立ちいつもより太く伸びているでしょ?あの目から敵意を感じとっているのです。」
ドクンドクンドクン…
(僕の体が反応してるってことかな?僕に生命エネルギーを分けてくれたから、僕の体内にも獣人の本能的なものが備わったのだろうか、体はあの目に敏感になってて、心臓ははずんでる。少し筋肉もピリピリしてる…)
「ふぅ…」
「番人様?」
「うん多分大丈夫です。まずは彼らに接触しなくては始まらないようですね。」
霧から飛び出してくる獣人達は狼頭の上をし両手に短剣を持ち猛スピードでトーマ達へと向かう。
『私の可愛い仔猫を拐った人間に報復を』
狼の獣人達が動きだすと同時にどこからか、薄気味悪い女性らしき声がこだました。
「行こう」
「はい。攻撃開始!敵は魔女の呪いに侵されている可能性がある、生きて拘束を」
「「「承知しました。」」」
トーマとザイルを飛び越え、仲間の獣人兵士達は敵の獣人へと飛びかかっていった。
そしてトーマは、その場に立ち止まると魔力をその身に集中させ、魔法を発動。無数の魔法陣がトーマの周りに出現た。
「心の掃除」
トーマは敵の獣人達を操る闇を吹き飛ばすため、体に感じとった敵の獣人の人数分まとめて魔法を同時に放出し…
魔法陣から放たれた白く光る風の渦は敵の獣人達の体に強くぶつかり体を覆う闇を吹き飛ばしていった。
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