愛され魔女の治療院

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愛され魔女の治療院

治療院 とある1日①

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 今日は治療院休診日、ジアーナ国の訪問診療を行う週です。

 私はお気に入りのおっきな白いかぼちゃの形をした治療院のドアのぶに休診の札を掛けて室内へと戻りドアの鍵を掛けて…転移魔法陣のある治療院奥の部屋へ。

 ニサさんのお迎えはアギー・ミアーナ王太子殿下の直接の用があるときだけ。ここ1ヶ月無いことは平和な事。治療道具の詰まったバッグを片手に、空いたもう片方には愛用の動物図鑑を抱えて魔法陣に飛び込んで…訪問診療開始です。







 数日後

 治療院は診療中の札を付け扉を開放した。

 本日は農家で飼われている竜が奇病にかかり獣舎にて治療中、治療院の待合室は農家の老人夫婦がお茶を飲みながら、竜の診療の様子を聞きに、順番待ち中。

 シャロはシンプルなワンピースに白いエプロン姿で獣舎を行き来する中…そのエプロンは腹部が何故か大きく膨らみ、まるで妊婦を思わせた。

「パタン!」

 治療院の扉が大きく開き、院に花束を持って現れたのは騎士服姿の青年キアヌだった。

「シャロ様!」
「あっキアヌさん。」

 シャロがキアヌを出迎えると、キアヌは花束を落として両手で顔を覆い叫び声をあげた。

「わあ~!!シャロ様!いつの間に!いったい誰の子を!ニサか!ニサがあ~!」

 シャロはくすくす笑いながら待合室の老夫婦に治療中の竜の診断書を手渡した。

「落ち着いてくださいキアヌさん。私は妊婦じゃないですから。」
「えっでも!膨らみが!お腹…お腹が!」

 シャロは老夫婦に少し待っていてもらうよう告げ、キアヌの前へと歩み寄りキアヌの前でエプロンを外した。

 そこにはグリフォンの赤ちゃんがシャロのお腹にしがみついていた。

「この子も治療中でお預かりしてる子なんですよ。」

 キアヌは足の力が抜けるとペタリとその場に座り込み、シャロのお腹にしがみついていたグリフォンの子は、キアヌの頭へと移動し、キアヌをなだめるように頬をペロペロ舐めるのだった。

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