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白猫魔女の愛妻・捜索の話
11 捜索 Ⅲ
しおりを挟むグリアはジンの腕の中からもがくようにすり抜け肩に這い上がった。
「ありがとう。ジン…奴等はどうなった?」
「グリア、遺跡泥棒、獣に襲わせようとしただろ?」
「悪いか?」
「城に差し出すのがグリアの役目なら、彼らを法で裁くのが役人の役目。わかる?」
「生かせと…?」
「そう。」
ジンはグリアを両手で抱き上げ子供をあやすように高く掲げた。
「泥棒を減らすためにも大事なんだよ?」
「なぜ?」
「俺が尋問で白状するように、彼らが持ってる情報を吐き出させる必要がある。今後のためにね。」
「わかった、きをつける。で、さっきの奴等は?」
「縛って、魔法で天井に宙ずりにしてある。」
ジンは天井へ視線を向けると、先ほどの男達が気絶した状態で吊るされていた。
「ほ~」
「さて、グリア降りて、俺は家ノ前までこいつらを運ばないとな。」
グリアが地面に飛び降りると、ジンが指をならし、吊るしている縄はちぎれて二人は落下。まだ眠る二人は魔法で軽くなっており、ジンは大きな荷物を担ぐように二人を担ぎ、グリアはジンの頭に飛び乗ると、ジンの体を風が包み、ジンは風にのりあっというまに地上へ出て、木々を飛び越え家へと向かった。
日も真上に上がる頃、森の木々の隙間から見えるのは城から派遣された騎士達数名が馬を走らせグリアの家に向かっているところだった。
「ジン…あれは?」
「グリアが捕まったから俺が仕事にいけないからって報告しといたんだ。」
「ほう。」
ジンが家に到着し、背負う男達を地面に降ろすとグリアは地面に飛び下りる。ジンが背伸びをしていると、ようやく騎士達が到着をした。ジンとグリアは捕まえた男達を差し出せば、騎士たちは足早に森を後にした。
そして翌日、ジンが城の魔法省の長、レイに会いに行くと、また新たな任務を与えられることになったのだった。
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