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番外編Ⅲ
幼女クラン④完結
しおりを挟むクランは17歳でナクシス国のラパスと出会った。
ルイヴ女王の代理でハミン国のお茶会に参加したラパスと…もてなす側のクラン。
この時二人は初めて出会ったと思っていた。
しかし、それは少し違った。
クラン5歳、ラパス15歳…この時二人は出会っていた。
幼いクランがルイヴ女王をお茶会にお誘いしたあの後に…行われたお茶会で。
この日ルイヴ女王は王配に国を任せ…子供達三人をつれてハミン国へ訪れた。
ハミン国の王も二人の我が子と王妃と共に…ルイヴ女王達をもてなした。
ルイヴ女王の二人の王子は17歳と18歳。花嫁選びが始まる年頃。そのため、招かれたお茶会に礼儀正しくし紳士に振る舞う。
クランの兄は7歳。お城で家庭教師から所作を学びお行儀よくお茶会の席に着くなか…ルイヴ女王の三番目の王子は15歳。名はラパス。不器用で人見知り、じっとしているのが苦痛でお茶会の席をたった。
「母様少し散歩してきてもよいですか?」
「これ、ラパス。じっとできぬか?」
ルイヴがため息をつくなか…ハミン国王はクランを呼んだ。
「まあまあ、クラン、ラパス殿と散歩してきなさい。」
クランは元気よく立ち上がるとラパスのもとへかけよりてを引くようにしてお茶会から席をはずしたのだった。
二人が歩いたのは今日の会場ハミン国の領地アクアの不思議の庭。
お茶会のせきから離れた場所に泉があり…クランはラパスのてを引き泉の説明をした。
「ラパス王子は将来が見える泉を知っていますか?」
「…知らない。クラン王女はなにか知っているの?」
ラパスはしゃがみこみ、クランと視線を合わせて真面目に聞いた。
「みたいものを1つだけみることができます。」
クランは得意気に胸をはってそういうと、ためらうことなく泉を覗こうとしたラパスの腕を引っ張り呼び止めた。
「みたいものをちゃんと念じてください!」
「あ、ああ。わかった。」
ラパスが、頭に浮かべたのは
『自分の20年後は生きているか』
騎士を志、表情の固い、言葉の少ないラパスは敵が多い。そのため、自分はいつか殺されてしまうかもしれないと不安な気持ちがあった。
「いいんですね?」
「ん、みる!」
ラパスは勢いよく泉に身をのりだし、泉に自分の姿が映った瞬間…そこに映ったのは屈強な騎士の姿が映し出された。
乳白色の髪の可憐な美女を傍らに…幼い子供を両脇に抱えて、もう一人は肩車していた…。
後ずさりしたラパスは泉から視線をはずすとそばに…しゃがみこんで、少年ラパスを待っ乳白色の髪の幼い少女が首を傾げて待っていた。
「今のって君じゃないよね?」
クランは満面の笑みを返した。
「泉でみた記憶は翌日には忘れてしまうそうですよ?私も忘れちゃったから、いい夢なら誰にも言わない方がいいみたいです。昔からそういい伝わってると…爺(執事)から聞きました。」
クランはてを伸ばし、ラパスがその手を握り引き上げるようにすればクランはすくりと立ちあがり…
「僕も言わない。」
「はい。そろそろ戻りましょ?」
クランは繋がれたてをしっかり握り返すと小さな足でラパスを誘導するように前に一歩二歩先を進んだ。
ラパスはクランの話どうり次の日には泉でみたことを忘れ…クランとの記憶までなくしていたのであった。
そして、ラパス27歳。クラン17歳。二人は再会をし…二人の恋は動き始める。
番外編シリーズ・完結
****************
ここで完全にお話は終了です。お付き合いくださりありがとうございました。恋愛小説大賞は結果はどうなるかはわかりませんが、投票、お気に入り、読んでくださった皆様、ありがとうございます。
…つぎは新しいお話で(^^)
◆yu-kie◆
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