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番外編
その後②
しおりを挟む4日目、今日からクランとラパスは仕事に復帰する。
ラパスに馬のりを教わったクランは馬に乗り…別の馬に乗るラパスと並走し屋敷から執事に見送られ護衛の黒い騎士服に身を包むアルトを従え城へと向かった。
ラパスは総騎士団長になり早速遠征があって旅だった。数日帰ってこれないという。
クランは図書館の副館長になった。基本的には管理補佐と変わらないが…図書館に並べる本を収集するため、城を出ることも増え、ヤイバは管理補佐のまま、新たにはいった男性新人2名の指導係りになった。
城内を本の収集の相談で寄ったルイヴ女王がいる執務室からの帰り…王宮の入り口付近にある庭へ出た。
手入れされた庭には様々な花が咲き…ベンチに腰掛けると…後ろから声をかけられ振り返った。
「クランさん。」
そこに佇んでいたのは第1王子である王太子の妃だった。
「王太子妃様!」
クランは立ちあがりスカートの裾をつまみ礼をすると、意地悪そうな笑みを称えた。
「クランさん…あなたはラパス殿の邸を守らなくてもいいのかしら?女は家を守るものでしょう?毎日城に出入りしてますわよね?」
「…ええ。大丈夫です。執事が…何かあれば知らせてくれます。」
そうしてクランは兎のかたちの図書館管理者が着る制服に留めた兎のブローチの鼻をツンツンとつついて声をかけた。
「こちらはクランです。変わりないですか?」
『奥様、変わりございません。』
「わかりました。ありがとう。」
再び鼻をツンツンつついて通信終了。
「こんな感じでございます。王太子妃様お気遣いありがとうございます!」
クランは立ち上がるとスカートの裾をつまみお辞儀した。
王太子妃は可憐で妖精のように美しいと聞く噂のクランが嫌いだった。そのため、クランをからかうつもりだったが…発明品に驚き…次の言葉をなくしていると…
「私はもの作りが好きです。王太子妃様はどの様な形のブローチがお好きですか?」
「わ、わたくし?」
「はい。作らせてください。」
「そ、そお?では…桃色のバラのブローチ…作れるかしら?」
「かしこまりました!7日ほど猶予をください。完成しましたら、お届けにあがります。」
クランはお辞儀をしてその場を去った。
王太子妃はその後、本当に届けられたクランからの贈り物に驚いたが、1つを自分の胸元につけ、もう1つを太子にクランからだといい、胸元につけた。
妊娠中の王太子妃は王太子が公務で帰って来ないひが続いており、別に女性を作らないかと不安でいたため…お陰で二人のすれ違いが多かった心は修復し以前よりも仲良く…意地悪で有名だった王太子妃は優しい人間になっていったのであった。
そして、ラパスは遠征から戻りクランは二人仲良く馬を並走し城とラパス邸を行き来する毎日を過ごし…3年の月日が過ぎたのでした。
<その後③完結へ>
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