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第4章 聖女の近侍、ラネル

18,映像

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「んっ……声出しちゃ……ダメ……」



 ここは神殿の住まい。



 ラネルの部屋はクラリスと同じフロアだ。本来侍女はこんないいところに住めないのだが近侍だからと許してもらえた。



 というより朝起きれなくて困る人に頼まれてここに住んでいる。



(やだ……声は出さないようにしなきゃ……)



 必死に声を出さないようにして自分の股間をまさぐる。



 徐々に徐々に亀裂からにじみ出る液体によって繁みが水分を吸収して皮膚に張り付いていく。



「ん………」



 夜の静寂の中、ラネルは一人自分の世界に入り込んでいた。



 自分の手で快感を得ていると、ふとマッサージ中の快楽を体が思い出してしまう。



 タツシが見ていて、当人は何もしていないのに急に気持ちよくなっていって――



 脱力しようと意識すればするほど力が入ってしまって腰が動いて――



 気持ちよくイったあと、タツシさんに気持ちよかったです、と言って――



(違う! 気持ちいいって、私そんな意味で言ったんじゃ……)



 ここでラネルはタツシの前でイったとき、本当に性的な快楽をそのまま「気持ちいいです」と伝えたことを思い出し、さらに恥ずかしくなる。



(そんな……! そんなこと許されない……! なのに、どうしてこんなに気持ちいいの……?)



 もちろん今の彼女の体の中には遅効性の媚薬が残っているが、タツシはそこまで強いものは使っていない。



 あくまで発情のトリガーになる程度のものだ。



 したがって今彼女が妄想してしまってオナニーしているのは結局彼女にもともとその欲求があったからだといっていいだろう。



 この世界にはもちろんインターネットなどない。



 したがって短時間で済ませることのできる娯楽などほとんどないのだ。



 楽しみたければ本を読むか友達と遊ぶか恋人とイチャつくか――



 どれもできない侍女では日頃からストレスの発散方法を求めてしまうのも仕方がない。



 故に一度快楽の味を知った体は再びそれを求めようとした。



 すでに彼女の左手は自分の胸に伸びている。





「ぁ……んっ……」



 ラネルは何も考えずに自分が喘ぎ、絶頂した時のことを思い出す。



「ぃやぁ……っ……」



 非常に恥ずかしいと思いつつその恥ずかしさごと興奮の糧にできてしまうラネル。



 しかし、人間の想像力というものにも限界がある。



 現代人が小説より漫画、漫画より動画に手を付けやすいように、人間は極力自力で想像することを拒むのだ。



 ラネルはマッサージ中の自分を想像していた。



 今、彼女の近くには一つの録画された映像がある。





 もはやそれを手に取るのは必然だった。



 ラネルは自らの淫らな様子が録画されているその映像を自分で映写機に取り付け、そして映した。





 仕事をしている時のメイド服のままの自分が非常に淫らに腰や足をぴくんぴくんと動かしている。



 そして顔はいつになく笑顔……というより緩み切った笑みとでも言ったほうがいいのか。



「ぃや……こんなの……おかしいのに……どうしてですか……どうして私はタツシ様の前でこんな……」



 タツシにがっつりみられているのも映像で確認できてしまう。



 そして巧妙なことにラネルの性感帯を刺激するスライムはすべて服の中に隠れており、それとは別に足や肩をマッサージするスライムがいるからラネルはタツシは真面目にマッサージしようとしているようにしか見えない。



 最も卑猥なことが行われている股間も彼女の長いスカートによって完全に隠されている。



 何もされていないのに喘ぎ狂う自分の様子を見ながら、その時の快感を思い出してオナニーする。



 聖女の近侍はまもなく達しようとしていた。



 じゅぷんじゅぷんじゅぷん



 次第に彼女の指の往復が早くなる。



「いや……こんなこと……許されないのに……私……ぁっ……ああ! あっ……んんん!! んっんっぁんっ」



 ビクッっと体を一度大きく緊張させて彼女は行き着いてしまった。



「はぁ、はぁ、はぁ……早く寝ないと……明日またクラリスを起こさないと……」



 思わず「様」が抜けたラネル。



 本人は意識もせず、急いで魔道具を片付けて寝た。



 この日はなぜかぐっすり眠れた。









 その様子を異世界初の赤外線スコープを用いて観察する悪徳勇者。



「ふふふ。いやぁあんな魔道具あったのかぁ。あれ、AV作り放題じゃね?? 本人のイっちゃってるところ撮って映像あげようかなぁ」



 最悪のセクハラを思いついたタツシだった。
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