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第1章 魔法学園の少女、アメリア

11,至福のひと時

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 アメリアの家はマッサージ店から歩いて20分ほどのところにある。


 たたっと小走りで往復したので、30分ほどでスライム・リフレに帰ってきた。

「すみません、わざわざ待ってもらって」

「いえいえ。(今日アメリアちゃんのために全部の仕事他の人に押し付けちゃったから)全然問題ないですよ。うちはお客様(の快楽)第一ですから」


 近くの机に彼女の私物を置くと、さっそく追加の説明をした。

「このほど私も魔物について詳しく研究しまして、スライムに多少我々の言語が伝わるように調教しました。(こら! スラ介! 後ろからどつくな!)

 その結果、ある程度口でやってほしいことを伝えても通じるようになりました。

 例えば……ジャンプしながら分裂して着地したら元に戻ってー」

 ぼよんっ ぷるんっ びたっ ぽよっ

「え~! すごーい!」

「って感じなので、自分のマッサージしたいところとか、ガンガン言っちゃってください。なんでもやってくれますよ!

 では、初めにいつものハーブティーを飲んでいただいてですね、お顔に軽くお薬だけ塗っちゃいましょう」

 以上で、今日のアメリアのお肌改善は終了である。ここからの時間、実は全く肌に関係が無いことを彼女は未だ知る由もない。


 ぬるっぬるっ

 スライムがその巨体からストロー程度の細い触手を出してアメリアの顔に薄く薬を塗っていく。


「では、私は他の仕事があるので席を外させていただきます。何かございましたら上の受付のところに言ってくれれば私が行きますので。」

「はい! ありがとうございます。あ、今日はこの服のままでいいんですか?」

「ええ、大丈夫です。」

 アメリアはほっとした。どうしても実質裸のような状態をタツシに見せるのはかなり恥ずかしいのだ。

「あ、ですが、や、それに類することをされるのでしたら、下着だけでも脱いでいただくといいかもしれません。

 あ、この部屋の防音は完ぺきですのでご安心ください。」

 アメリアがしようとしていたことを直接単語を出して言われれたため恥ずかしさはMaxである。


「いっいや! そんなことしませんん!」

「そうですか。するとよりお肌がツルツルに……って、もうすでにツルツルですもんね、失礼しました。では、どうぞごゆっくりお楽しみください。」

 ガチャリッバタン。

 タツシは部屋から出ていった。

(うぅ……店員さん、やっぱり前回の私を見てHな子だって思っちゃっているのかなぁ……)

 そう思いつつもアメリアの心臓は徐々に元気になっていく。

 股間から少しむず痒い感触を感じる。

(言われた通り、下着だけは脱いでおこうかな……)

 そういってアメリアはスカートをたくし上げてパンツを脱ぐ。さらにブラジャーも外した。

(スライムさんに触ってもらうときに邪魔になるといけないし……)

 何気に用意周到である。

 そしてその様子を見る悪い男。

「うぉーーー! アメリアちゃんいまノーパンノーブラ! やべえ興奮するぅ!」

 実はいま、この男がいる場所は控室ではない。

 この部屋にはもう一つ、秘密の入口があるのだ。

 そこから入って気配を消して、大きなマッサージルームの隅っこで気配を消して座っている。

「いやぁこの計画思いついた俺、天才!」




「スライムさん、よろしくね?」

 巨大なスライムは数本の触手を出すと彼女の体を持ち上げる。

「んんっと。あ、本当だ。全然落ちそうにないわ。これ楽しいかも!」

 腰をしっかり支えられているおかげで、足をパタパタさせても足に絡んだ触手はパタパタに合わせて動き、あまり行動を阻害されている感覚が無い。

(本当に浮いているみたいな感覚になってきたかも……)

 真下にぷよんぷよんのスライム本体(と彼女は思っている)がいるため、万が一落ちても全く痛そうにない。

 スライムは若干足が下になるように彼女を持ち上げているためスカートはまくれ上がらず自然体だ。

「スライムさん、意外と優しいのよね~」

 前回シャワーに入った時執拗に責められたことをもう忘れてしまったようだ。

「じゃあ、まずは肩と腰のマッサージからお願い!」

 こうしていつものマッサージが始まる。違うのは彼女が宙に浮いているのと……

「うお! この角度最強すぎる! やべ~~!!」

 タツシが彼女の下にこっそり行って、スカートの中を覗いていることくらいだ。

 タツシもまだまだ子供(22歳)である。


 そうしているうちに、彼女には昼の睡魔が襲ってくる。

 今日はカラッと晴れた、快適な気候だった。


「ふぁ……眠くなって来ちゃった。スライムさん、私が起きるまでしばらくいろいろな所マッサージしておいてくれる?」

 ぷるん

 彼女は心地よく眠りについた。

(おい! スラ介! 催眠魔法かけろ!)

 ぶるん!!!

「はっはっは、『いろいろなところマッサージしておいてくれる?』だって。この店でそんなに曖昧なこと言っちゃっていいのかなぁ~~~??」

 彼女の至福のひと時は終わりを告げようとしていた。
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