幸せのλ

霜月麗華

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#002 泣いて、怒って

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私は泣いた。目の前で友人を、其れに殺された。悲しみと同時に、怒りが込み上げてきた。其れは、逃げ惑う者達より動きが速く、人を殺す事だけに専念している感じだった。其れは子供っぽく、右手に棒状の何かが握られていて、其れは人々の頭に刺して殺していた。ただただ殺戮を楽しんでいる、そう見えた。

       ◾️

ーーよく考えれば、其れ達の行動は、良い行動だったのかもしれない。人類を選別し、選別した者から何人か選び、戦わせる。邪魔である最初に選別した人類は、殺す。其れ達の行動は、良い行動だったのかもしれない。

       ◾️

 私は怒りに身を任せて、其れから棒を盗み取り、其れを棒で殴った。ガンっという鈍い音が鳴ると同時に、其れの身体がグニャグニャと、時空が歪んだかの様に曲がり、最終的には爆発し、辺りに血が飛び散った。一応其れにも血流がある様だ。次に私は、もう一体の其れの頭に、棒を刺した。其れはガタガタと震え出し、最終的には止まって、倒れてしまった。私は其れの頭に刺さった棒を抜き取り、構えた。
「来なさいよ!殺戮マシン!」
私は其れ達に挑発した。だが其れ達は、聞く耳を持たず、逃げ惑う者達を次々と襲う。
「人の話を聞けよー!」
また怒りに身を任せて、其れ達の頭に棒を刺した。
「死ねぇ!殺戮マシン!あああ!」
段々と怒りは、快感に変わっていったのかもしれない。
「気持ちいいなぁ!」
私は快感を求めて、其れ達を次々と襲い始めた。どんどん破裂して、血が飛び散って。奥にも其れはいる。だがその時、頭上に新たな巨大不明浮遊物体が現れた。
「何?」
すると其れは、狂ったかの様に、「殺せぇ!」
とゆっくりと言い、一斉に巨大不明浮遊物体に敵対し、人々から巨大不明浮遊物体に向かって行った。
「な、に?」
私はとにかく、「逃げないと」と思って、逃げ惑っていた人々の中に入った。
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