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姿現し編 *雌殺し編の解答編です!*
第三話「先生…」
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──3週間が経過し、1年生の女子の通夜、葬式が何事もなく終わり、学校は再開した。
里原はこれで極楽浄土に1歩近付いたと思い、次は誰を殺すかを、家で模索していた。
「……洗脳。そうだ、あの転校生が居たな。転校生を洗脳して、氷竜京香を間接的に殺し、転校生を自殺させる。そして転校生の死体は回収。完璧だ。ふふふ。この私に不可能はないなぁ」
──後日。愴璽とクラスメイトは教室で里原の話を黙々と聴いていた。
「……と、いうわけだ。皆んな帰り道は気を付けろよ。後、大月。今日の放課後、ちょっと職員室に来てくれ」
「あ、はい」
愴璽は元気のない返事をした。
「それじゃ、氷竜。帰りの挨拶」
「はい。さようなら」
京香もまた、元気のない声を出した。
里原と愴璽は職員室ではなく、駐車場で話をしていた。
「先生、話って…」
「大月。ちょっとなぁ」
すると里原は布袋をポケットから取り出し、愴璽の頭に布袋を被せた。
「ちょっと!先生!何するんですか!」
「えぇ?聴こえないなぁ」
里原は愴璽の身体を軽々と持ち上げ、愴璽を自分の車のトランクに入れた。
トランクを閉めた里原は車の運転席に座り、エンジンをかけて、学校を後にした。
──家に着いた里原は愴璽を縄で椅子に縛り上げ、夜中まで飲まず食わずの状態にした。愴璽は洗脳されやすいのだ。
「ふむ、大月。どうだ?やってみないか?」
愴璽はゆっくりと頷いた。
「……これをやる。とっととやれ」
愴璽は縄を解かれ、立ち上がって里原から金属バットを受け取り、外へ。
「………ふふふ。あははははは!!すごい!すごいぞ!私は天才だ!」
里原は高笑いした。
「……30分、か」
一言呟き、椅子に座る。
──翌日。警察が学校に到着した2時間後。刑事の高安の部下の前沢は高安に、
「先輩。カメラの映像です」
と言い、スマートフォンに共有した監視カメラの映像を、高安に見せた。
「ご苦労様」
高安はじっくりと映像を見た。
「なるほど。容疑者は大月愴璽だな」
「あの時の第一発見者が今度は容疑者ですか…」
「大月愴璽の身柄は?」
すると前沢は顔の表情を変え、
「家に帰ってないそうです」
と告げた。
「行方不明なのか?!」
前沢は頷いた。
「あの事故の第一発見者は撲殺されて、もう1人は失踪か。なんなんだこの事件は」
高安はため息を吐いた。
「……死体が歩いたのか?」
「そんなわけないなだろ」
その時、部下の子安が携帯を持ちながら、
「先輩!西谷の湖から遺体発見と通告あり!」
「遺体の身元は?」
「……大月愴璽だ、そうです」
高安は驚き、
「大月、愴璽だって?……死体が、歩いてたのか?」
「自殺、とかは?」
前沢は恐る恐る、言った。
「………入水自殺ってことか……」
高安は頭を抱えた。
──姿現し編 終──
里原はこれで極楽浄土に1歩近付いたと思い、次は誰を殺すかを、家で模索していた。
「……洗脳。そうだ、あの転校生が居たな。転校生を洗脳して、氷竜京香を間接的に殺し、転校生を自殺させる。そして転校生の死体は回収。完璧だ。ふふふ。この私に不可能はないなぁ」
──後日。愴璽とクラスメイトは教室で里原の話を黙々と聴いていた。
「……と、いうわけだ。皆んな帰り道は気を付けろよ。後、大月。今日の放課後、ちょっと職員室に来てくれ」
「あ、はい」
愴璽は元気のない返事をした。
「それじゃ、氷竜。帰りの挨拶」
「はい。さようなら」
京香もまた、元気のない声を出した。
里原と愴璽は職員室ではなく、駐車場で話をしていた。
「先生、話って…」
「大月。ちょっとなぁ」
すると里原は布袋をポケットから取り出し、愴璽の頭に布袋を被せた。
「ちょっと!先生!何するんですか!」
「えぇ?聴こえないなぁ」
里原は愴璽の身体を軽々と持ち上げ、愴璽を自分の車のトランクに入れた。
トランクを閉めた里原は車の運転席に座り、エンジンをかけて、学校を後にした。
──家に着いた里原は愴璽を縄で椅子に縛り上げ、夜中まで飲まず食わずの状態にした。愴璽は洗脳されやすいのだ。
「ふむ、大月。どうだ?やってみないか?」
愴璽はゆっくりと頷いた。
「……これをやる。とっととやれ」
愴璽は縄を解かれ、立ち上がって里原から金属バットを受け取り、外へ。
「………ふふふ。あははははは!!すごい!すごいぞ!私は天才だ!」
里原は高笑いした。
「……30分、か」
一言呟き、椅子に座る。
──翌日。警察が学校に到着した2時間後。刑事の高安の部下の前沢は高安に、
「先輩。カメラの映像です」
と言い、スマートフォンに共有した監視カメラの映像を、高安に見せた。
「ご苦労様」
高安はじっくりと映像を見た。
「なるほど。容疑者は大月愴璽だな」
「あの時の第一発見者が今度は容疑者ですか…」
「大月愴璽の身柄は?」
すると前沢は顔の表情を変え、
「家に帰ってないそうです」
と告げた。
「行方不明なのか?!」
前沢は頷いた。
「あの事故の第一発見者は撲殺されて、もう1人は失踪か。なんなんだこの事件は」
高安はため息を吐いた。
「……死体が歩いたのか?」
「そんなわけないなだろ」
その時、部下の子安が携帯を持ちながら、
「先輩!西谷の湖から遺体発見と通告あり!」
「遺体の身元は?」
「……大月愴璽だ、そうです」
高安は驚き、
「大月、愴璽だって?……死体が、歩いてたのか?」
「自殺、とかは?」
前沢は恐る恐る、言った。
「………入水自殺ってことか……」
高安は頭を抱えた。
──姿現し編 終──
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