魔法少女≠不死

霜月麗華

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Jack-the-Ripper◆編

#04 夜空を彩る赤い液体

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 赤い鳥をあの二人が倒してから、四日経った。魔女や、異形型にも全然出会さず、四日だけ平和な日々が続いた。
 平和が続いても、すぐ災厄が再来する。
 家に程近い公園に、人集り。人集りを掻き分けて進んだ先には、首より上のない女性の死体があった。警官らが立入禁止のテープを貼り、侵入禁止にした。
「……魔女?」
偶然居合わせた狗飼美咲に言った。
「……魔女が人間の頭だけ喰ったなんて聞いた事ないわよ。って遠くの友達からメール来た」
狗飼美咲は私にLINEの画面を見せた。そこには確かに『魔女が人間の頭だけ喰ったなんて聞いた事ないわよ』と書かれていた。その時、
「魔女…じゃなさそうね」
背後に、四日前会ったあの女性が居た。
「いきなり出てくるのやめて貰えます?」
「ごめんね…で、多分魔法少女の仕業で……」
「根拠は?」
狗飼美咲は食い気味に言った。
「いや、魔女って人を喰らう存在よ?頭だけ喰ってどっか行く?」
「……でも、頭だけ食べて消える魔女だって、居るんじゃないの?」
私は不思議そうに、女性に聞き返した。
「……さぁねー。わからないわ」
狗飼美咲は、「ただの魔女がやったのか、ただのpsychopathサイコパス魔法少女がやったのか、どっちにしろ犯人は」と、物騒な事を言った。
 ──翌日。私は幼馴染みの家に居た。幼馴染みの名前は飯原響いいはらひびきという。私と年齢、身長差はほぼ同じ。好き嫌いも何故か一緒だ。
「ねぇ。この世に人を喰う化け物が居たらどーする?」
「え?」
響は携帯片手に解答した。
「うーん…どうにかして倒す」
「そう…じゃあ、具体的にどうやって?」
「うーーん…じゃあ、逆に凛花はどうすんだ?」
私は少し考えて、
「逃げる?」
「根性なし」
響はそう言うと、コンピュータでTwitterを立ち上げた。
「ちょっとネットの皆んなにどーするか聞いてみるわ」
彼はTwitterに、『この世に人を喰う化け物が居たら皆んなどーする?』と書き込み、投稿した。ネットの皆んなから解答がすぐ来た。

『逃げる』
『戦う』
『逃げる』
『殺す』
『取り敢えず神様にお祈り』
『逃げる』

『逃げる』が圧倒的に多かった。
「そりゃ、未知の存在が人喰ってたら逃げたくもなるよな…」
私は響の横に立って、
「何?殺すとか言うコメントが大量に来るのを待ってたの?」
「その通り」
私は呆れて、「バカ」と一言。
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