誤解の代償

トモ

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再会

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そして、パーティの時間、いよいよエミリーは、ルーメンコーポレーション社長の娘として、お披露目される。
マナー講師の先生から頑張ったとお墨付きを頂いたので、胸を張って頑張ろう、そう緊張していたら、お父さんに「肩に力を入れなくても大丈夫。何も心配しないで」と笑顔で安心させてくれた。エミリーは早く慣れるようにしよう、そう思った。
それから、ルーメンコーポレーションの娘がなぜ今になって登場したかなど、会長が説明し、紹介された。緊張していたのが嘘のように、みんな好意的で温かい雰囲気のパーティだった。1時間ほど、お父さんと一緒に挨拶周りをして、疲れたと思っていたら、あちらで少し休憩をと、社長秘書が促してくれた。
お言葉に甘えて、ソフトドリンクをもらい、軽食を食べていると、「失礼」そう声をかけてきた人物が。
キングコーポレーションの元上司達の姿だった。そうだわ、この人たちも、呼ばれてたんだわ。すっかり忘れていたわ。もうかなり前のことのよう。そう思っていたら、ディックが「お父さん居たんだね。よかった。そして本当に申し訳ない事をした」と言ってきたので、そういう事を今触れてくるにはタイミングも悪いし、もう過去のこと。早く立ち去ってほしくて、「もう過去のことです。そして今後はお会いしても、挨拶程度でお願いします。お二人の益々のご健勝お祈り申し上げます」そう伝え、去ろうとしたら、待ってと腕を掴んできた。気持ち悪い!そう思い、嫌な顔をした。すると、横から「こんにちは。あの時は、甥がお世話になりまして、ありがとうございました。何かお困りですか?」そう聞いてきたので、顔をあげると、この前迷子の甥を探し回っていた、男性だった。「こんにちは、実は以前勤めていた会社の上司の方々なんです。挨拶をしていただけなんですが、なぜか引き止められて。」そう言うと、
「では話は終わった?あちらでこの前の続きでもどうですか?」そう言ってくれた。私は、前の上司達に会釈すると、「はい。喜んで」そう言ってその場を後にした。
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