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第2章 許されざる人間

小児性犯罪者

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 小児性愛者……ペドファイルは主に13歳未満の子どもに性的嗜好を持つ人間のことで、性嗜好障害っていう精神疾患のひとつだ。
 子どもと性的な関りを持ちたい欲望や、子どもとの性行為を空想すると強烈な性的興奮を感じる病気で。そんな思いを抱く自分に苦しむ者もいるという。

 小児性犯罪者……チャイルドマレスターは実際に子どもに性的な行為を行う人間のことで、ペドファイルもペドファイルじゃない者もいる。

 子どもに対する性的欲望を持って夢想するだけのペドファイルは、犯罪者じゃない。
 実際に子どもに手を出すチャイルドマレスターは、犯罪者だ。

 『おじさん』は小児性犯罪者だ。

 小児性犯罪者は、裁かれるべき最低の人間だ。



 今日。小屋の中で、ヤツは奏子が服を脱ぐように仕向け。その身体を見て触り、舐めた。

『おじさん、帰らなきゃいけないから、引っ越しはこの次。子猫のおうちに来てね』

 何が起きたか奏子がわからないうちに、ヤツはそんなことを言って小屋を出て行った。

『おじさんが出てってすぐ、あたしも外に出たの。おじさん、どんどん走ってっちゃった』

 ヤツの消えたほうを、奏子はしばらくぼうっと眺めてた。
 そのうち……小屋で起きたことのひとつひとつが、奏子の心にのしかかってきたんだろう。



 奏子は小屋の中に戻ることもすぐに館に帰ることも出来ず、小屋の外にうずくまったまま……要因のわからない悲しみや悔しさや、恐怖や怒りに包まれていた。

 そこに、僕が現れた。
 現れることが出来て、よかった。



 過去4回……特に今日のヤツの行動からわかったこと。

 ヤツは計算高い。
 性的興奮と欲望の最中にあっても、ちゃんと先のことを考えている。

 閉ざされた空間で、自分と奏子二人きり。
 奏子がどう抵抗しても、自分の力には到底適わないと知っている。
 つまり、自分がどんなことでも出来る状況にいた。

 ペニスを奏子の口に押し込むことも出来た。
 奏子をレイプすることも出来た。

 でも、しなかった。
 レイプも。
 殴ったり叩いたりの暴力も。
 怒鳴ったり暴れたりの直接的な脅しも。
 
 これは自分の立場を守るための自己制御かもしれないし。ただ単に、ヤツに度胸がなかっただけかもしれない。

 どっちにしろ。
 レイプしていないから、殴っていないからっていうのは……ヤツを許す理由にはならない。

 ヤツはチャイルドマレスターだ。



 復讐に、手加減はいらない。


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