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★46-3 ドライで

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「え……出さな……?」

 血流が下に集まってるせいで。涼弥の言葉の意味を頭が理解するのに、タイムラグがあった……けど。



 出さないでイカせるって、握って物理的に……強引にか……!?



 何言って……あ!
 そういえば……。



『出すもんなくなってか、根元しめとけば出せねぇよ』



 かいがそう言ってたけど……でも、それは……。

 もっとあとで、セックスに十分慣れてからでいい。
 ていうより……。



 俺の意思、先に聞けよ……!



「嫌だ、放せ……まだそれは、いい。無理……」

「中で、出さねぇでイカせたい」

 そう望む涼弥の瞳が、欲で熱い。

「それがナカイキ、なんだろ?」

「そう、だっけ……か? 空イキ……ドライでイクってはいう、けど……う、あッ……」

「なら、それ、ドライで……イカせたい」

 涼弥が片手で俺の腰を掴んだ。もう片方の手は、俺のペニスの根元をホールド。

「待て……嫌だ。何で、そんなことしたいん、だよ」

「すげーいいらしい。お前をよくしたい、だけだ……ダメか?」

 その瞳、ズルいだろ。
 お願いだからって、すがるふうな感じで。
 やってることは強引なくせに。ほんと……。



 おねだりスキル、めちゃ高いじゃんよ……!



 ここはキッパリ、ノーって言おう。

 挿れてイクの、まだ慣れてないし。
 出したいまま出せないでイクの、つらそうだし。
 だから、また今度にして……って。

 幸い。
 やっていいかどうか、涼弥はちゃんと聞いてくれるからな。
 俺が、情に負けて流されなきゃいいだけ……。



「十分……気持ちいい、からさ。それは、またこん……あッ、ん……ふ、ひッ……!」

 ガツンと、ペニスが奥に捩じ込まれた。

「ッつ! あッまって、りょう、やっ……んッ……くるし……」

「ごめん、あとで怒ってもいい……やらせてくれ」

「う……あ……くッあ……や……ああッ!」

 奥から前立腺を削るように入り口へ。
 そこから、再び。しこりを押し潰しながら、奥を突くペニス。
 乱暴な快感と圧迫感に襲われ、視界が滲む。

 たった数往復で、息も絶え絶え……。

「ッい、あッ、やッ……はっ……はぁっ……ふ……あ……」

 腰の動きをスローにした涼弥を睨みつける。

「はな、せ……はぁ、んっ……あッ……」

「その瞳、ゾクゾクする」

 あ、れ……?
 なんか、カミアワナイ……。

「悪かった。ゆっくり……な」

「涼弥、そうじゃな……あ……んッ……は、あ……」

 言葉通り。
 涼弥の腰の振りが、速度を落とした。
 ついでに、俺のペニスを握ってた手も放した。

 ズ、ズズ……クチュ、ズズ……ズン……。

「ふ……あ、あッ……ん……」

  強くない刺激が、もどかしいリズムで与えられる……のは……。

「ん……涼弥……これ、つらい……あ……」

「ゆっくり……、やってるだろ……?」

「や……もっと……」

「もっと、どうしてほしい?」

 尋ねる瞳が、とろけそうだ。

 わざと……か。

「ん、もっと……はやく……強く、して……」

 それでも。
 ほしい言葉を口にする俺。

「いいのか?」

「早く……涼弥……」



 素直だね。
 だってさ……もう、イキたくてどうしようもない……!



「ふ、あッあッ……ん、いいッ……」

「くッ……たまんねぇッ……!」

 さっきのまったりピストンが嘘みたいに、涼弥が俺のアナルの奥にペニスを打ちつける。
 掴まれた腰を前後に揺すられ、快楽の波がザクザク来る。

「ッあ、ん、んッ! くるッあ……はッもうッ……」

 腰の中心に集結した快感が爆ぜる前に。

「うくッ!? あ……ひ……やッ……」

 涼弥の手に、ペニスの根元をしめられた。

「あ、や……はぁッはッ……」

「いいぞ。イケ……」

「ひあ、やあッ……ん、あ……ッく」

 さらに激しく。
 今度は前立腺を狙って、涼弥が亀頭でゴツゴツと突く。

「や、むりッ、りょうや、くッあ、はな、せッ……ああッ!」

 イキそうになってたペニスを握られ、出ようとしてた精液が根元で渦巻いてるみたいだ。
 そこに、どんどん増えてく快感に……腿が、腰が震える。

「はッ、や、だッ……イキたいっもうッ……イクッ、イカせて……ッ」

「イッていい……イッてくれ」


 そんなこと、言われて、も……無理、つらい……嫌だ……放せ……イキたい……。



 両手で、俺のペニスを握る涼弥の腕を掴んだ。
 渾身の……少なくとも今の俺の精一杯の力で、引き離そうとするも……ビクともしない。

「りょう、やッ、ひ、ああッ……!」

 グチュグチュグチュ……ローションが音を立てる。
 スピードアップした涼弥の突きは、豆粒くらい小さなしこった箇所を的確に攻め立てる。



 おかしくなる……! イキたい……!



「あ、もッくる、なんか、くるッ!」

 なんで!? イケそ……けど、へん……!

「んッあ、あッなんか、おかしッ、あッ、やッ……りょうや、たすけ……」

「くッ……將悟そうご、イケ……」

「やッこわ、いッ! たすけてッ、りょうやあッ……! はッあッ……んん……」

 熱い舌が口に入ってきた。

「ふ……はッ……ん……んッ……」

 俺の舌をやわく舐めて、じゅうと吸う……宥めるような涼弥のキスに、安心するも。
 しめられたペニスの根元でぐるぐるする快感は、大きくなるばかり。

「大丈夫だ。イケるぞ……俺がいる」

 ムリヤリな理屈も、俺には十分……。
 涼弥の顔もゆとりない……我慢も限界近いっぽい……。

「んッ、イキたい……やってッあッ、ひッ……!」

 涼弥の腕を掴んでた手を上に伸ばし、背中に回す。
 小刻みにしこりをカリで擦られ、行き場のない快感がペニスの根元を圧迫する。

「あッそこ、いッ……くる、もうッイキそッ……やッ」

 イキたいのにイケない……!

「りょ、やッはな、せッ……! やッああッ、イキたッ……ん、あ……ッ!」

「放さねぇっ……」

「あッ……おねが、い……むりッあッ、イ、カせて、えッん、くッあ……」

「イカせてやる、イケ、將悟ッ……」

 奥のすぼまりに、ペニスがズクズクと捩じ込まれる。

「イッ、ア、ア……くはッ、ア……ッ」

 快楽がキャパを超えて……。



 中に出る……どっか壊れる……!



「ンッアッイクッ、やッアアッ……アアアッ……ッ……!!!」



 気持ち……よ過ぎて、痛い……アタマ、白い……バカんなる……!



「ッ……はぁッ、んッ……はッあ……はぁッ……」

 身体、ガクガクする……中、ビクビク……イッてる、まだ……。

「イケたな……えらいぞ」

 ガキか俺……がんばった子ども、褒めてる、みたいだろソレ……。

「俺もすぐイク……」

 涼弥が腰を動かすと、すぐさまビリビリと快感が奔った。すでにマックスレベルの。

「ん、アッアアッ! また、くるッりょう、やっくるッ……やッアッイク……ッ!」

 止まらない痙攣が、さらに重なり。
 涼弥にしがみついたまま、のけぞった。
 
「つッ、イク……くッ……ッ……あ……ッ!」

 中で……奥で涼弥がイッた刺激さえ、耐えられない快感になり。

「うあ……やッも、むりッりょ、やッ出した、いッイクッ出るッア……」

 ガッチガチのペニスの締めつけが消え。
 夢中で、涼弥の股間にアナルを押しつけるように腰を下からぶつける。

「ア、アアッ……ッ……ンッくッ……ア……ッッッ!!!」

 ビチャビシャと。張り詰めたペニスから、一気に精液が飛び出した。


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