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143 ほしいんだもん:R
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今。紫道が固まってる理由は何だろう?
一緒に帰ってくれる?って聞いたら、即イエスだったじゃん。
やっと解放されて。やっと会えて。やっと素に戻れて。やっと2人きりになれる……のに。
うちに泊まってくれる?って聞いたら、フリーズ。
何で?
迷ってるの?
イエスじゃないの?
ノーもあるの?
今夜、寮で何かあるとか?
即決出来ないってことは、ほかに何か大事な用があるから?
それとも。
ノーって言いづらくて?
家までは送るけど、すぐ帰る気でいた?
ほんとは……怒ってるから?
僕と一緒にいたくない?
2人きりになりたいのは、僕だけ?
ソレってちょっと……わりと、サミシイかも。
内緒で勝手に清崇と組んで。4人の男とセックスして。バレて。自業自得ってやつなのはわかってるし。
自分の恋人がほかの男にやられてるの見ちゃって気分悪いのも、わかってるんだけど。
ほしいんだもん。紫道が。すごく!
まぁ、今は。
まだ少し身体がガタついてるし。時間経ってからじゃないと、バキバキに勃起するのキビシイし。紫道が僕とやるの、イヤかもしれないし。
ほとぼりが冷めてからのがベストかもしれないけど。
ごめん無理。
待てないの。
どうにか、その気にさせて……抱きたいの。攻めたいの。紫道を。紫道じゃなきゃダメ。この欲、収まらない……。
「お前、今日は……ツラいだろ?」
心配そうに眉を寄せて尋ねる紫道に。
「大丈夫だよ」
作りじゃない笑顔を見せるも。
「俺がいないほうがゆっくり休める。話は明日でいい。今日は、しっかり休め」
紫道の答えはノーの方向に……は、させない。
「きみといるほうが落ち着くの」
うちに泊まるかどうか悩むのは、僕を気遣ってるから……って、都合よく解釈して。
「今夜は……ひとりで眠りたくない」
心配してくれる気持ちにつけこんで。
「玲史……」
「お願い」
うちに来させちゃえば、引き留める方法はあるけど。今、この欲を満たす未来を確保しなきゃ……心が休まらない感じ?
「わかった」
眉間にシワを刻んだまま、紫道がオッケーし。
僕の後方に視線を向け。
「家に、食い物あるか?」
尋ねる。
「え? うん」
「なら、まっすぐ帰ろう。乗るぞ」
え?
あ。タクシーか。
「うん!」
少しでも早く。2人きりになれるとこへ。
今日の前半は散々だったけど。後半がよければ、いい1日になる。
これから盛り返して、ハッピーデイにしなきゃね。
スマホを耳に誰かと電話してる坂口と、何やら話し込んでる幸汰と清崇とたまきに別れを告げ。
はやる気持ちを抑え、タクシーに乗り込んだ。
「まずは、腹に何か入れなけりゃな」
うちに着いて。リビングに向かう途中で、紫道が口を開き。
「昼メシ……食ってないんだろ?」
そんなヒマなかったのを知ってるからか、聞きにくそうに聞く。
けど。
「うん」
答えにくいとかないし。バスルームで、持ってたペットボトルの水は飲んだし。一食くらい抜いてもどうってことないし。
「朝はちゃんと食ったのか?」
「うん。栄養バー」
「……腹、減ってるだろ? キツそうだぞ」
違うの。疲れてるんじゃなくて。身体がしんどいんじゃなくて。
「指示してくれりゃ、俺が用意する。お前は座ってろ」
「大丈夫。先にこっち」
きみを補充したいの。
「食べる前に……」
ソファーに連れてこうと腕を引っ張るも、紫道はキッチンの前で足を止めて動かない。
「ダメだ」
僕のしたいことを察したんだとしても。
「何で?」
久しぶりに会ったわけじゃない。何日ぶりとかじゃなく、昨日会ってセックスもして。たった1日ぶりだけどさ。
キスくらい、いいじゃん?
その気にさせるのに。
その気になったら、がんばるのに。
あー……だけど。
強引に進めるには、体力的に今は負けそうだし。拒否られても仕方ないコトしたし。今日は、出来るだけ……紫道の意見を優先するつもり……。
あ。
腹が鳴った。紫道の。
「悪い。俺も食ってなくて……」
すごく申し訳なさげで困った顔の紫道に。
「何か食べよう」
ここは譲るしかない、か。
「先にね」
募る欲を我慢して。まずは空腹を満たすことにした。
レンジで温めるだけの料理を冷凍庫から出し。自分が用意すると言い張る紫道にあとはまかせ、ソファーに腰を落ち着けて待つ間。906号室で落としたスマホの電源を入れてみると。
今までで最多の受信通知。
紫道からの不在通知がたくさん……ごめんね。通話に出なくて。心配かけちゃって。で、結局バレちゃって。その気持ちは、このあと……イヤってほど返してあげるから。今頃、清崇も幸汰に返してるはず。
そして。
沢渡から。午前のと、2時37分? 1時間ちょっと前だから、紫道たちがホテルの部屋に来た頃?
午前のは、神野のメアドと。僕のメッセに、わかりましたって返信。
午後のは……長っ……。
『ごめんなさい』
『昨日』
『八代先輩にあなたの連絡先と偽って川北さんの連絡先を教えました』
『ごめんなさい』
『今日』
『川北さんがあなたを探すのに協力しました』
『ごめんなさい』
『今無事に会えてますか』
『大丈夫だと信じてます』
『俺はあなたの味方です』
コレ……。
ザッパでも、紫道に聞いたほうがいいかなぁ。
食べたあと。心置きなくやるために。
確認しておきたいこともあるし、ね。
一緒に帰ってくれる?って聞いたら、即イエスだったじゃん。
やっと解放されて。やっと会えて。やっと素に戻れて。やっと2人きりになれる……のに。
うちに泊まってくれる?って聞いたら、フリーズ。
何で?
迷ってるの?
イエスじゃないの?
ノーもあるの?
今夜、寮で何かあるとか?
即決出来ないってことは、ほかに何か大事な用があるから?
それとも。
ノーって言いづらくて?
家までは送るけど、すぐ帰る気でいた?
ほんとは……怒ってるから?
僕と一緒にいたくない?
2人きりになりたいのは、僕だけ?
ソレってちょっと……わりと、サミシイかも。
内緒で勝手に清崇と組んで。4人の男とセックスして。バレて。自業自得ってやつなのはわかってるし。
自分の恋人がほかの男にやられてるの見ちゃって気分悪いのも、わかってるんだけど。
ほしいんだもん。紫道が。すごく!
まぁ、今は。
まだ少し身体がガタついてるし。時間経ってからじゃないと、バキバキに勃起するのキビシイし。紫道が僕とやるの、イヤかもしれないし。
ほとぼりが冷めてからのがベストかもしれないけど。
ごめん無理。
待てないの。
どうにか、その気にさせて……抱きたいの。攻めたいの。紫道を。紫道じゃなきゃダメ。この欲、収まらない……。
「お前、今日は……ツラいだろ?」
心配そうに眉を寄せて尋ねる紫道に。
「大丈夫だよ」
作りじゃない笑顔を見せるも。
「俺がいないほうがゆっくり休める。話は明日でいい。今日は、しっかり休め」
紫道の答えはノーの方向に……は、させない。
「きみといるほうが落ち着くの」
うちに泊まるかどうか悩むのは、僕を気遣ってるから……って、都合よく解釈して。
「今夜は……ひとりで眠りたくない」
心配してくれる気持ちにつけこんで。
「玲史……」
「お願い」
うちに来させちゃえば、引き留める方法はあるけど。今、この欲を満たす未来を確保しなきゃ……心が休まらない感じ?
「わかった」
眉間にシワを刻んだまま、紫道がオッケーし。
僕の後方に視線を向け。
「家に、食い物あるか?」
尋ねる。
「え? うん」
「なら、まっすぐ帰ろう。乗るぞ」
え?
あ。タクシーか。
「うん!」
少しでも早く。2人きりになれるとこへ。
今日の前半は散々だったけど。後半がよければ、いい1日になる。
これから盛り返して、ハッピーデイにしなきゃね。
スマホを耳に誰かと電話してる坂口と、何やら話し込んでる幸汰と清崇とたまきに別れを告げ。
はやる気持ちを抑え、タクシーに乗り込んだ。
「まずは、腹に何か入れなけりゃな」
うちに着いて。リビングに向かう途中で、紫道が口を開き。
「昼メシ……食ってないんだろ?」
そんなヒマなかったのを知ってるからか、聞きにくそうに聞く。
けど。
「うん」
答えにくいとかないし。バスルームで、持ってたペットボトルの水は飲んだし。一食くらい抜いてもどうってことないし。
「朝はちゃんと食ったのか?」
「うん。栄養バー」
「……腹、減ってるだろ? キツそうだぞ」
違うの。疲れてるんじゃなくて。身体がしんどいんじゃなくて。
「指示してくれりゃ、俺が用意する。お前は座ってろ」
「大丈夫。先にこっち」
きみを補充したいの。
「食べる前に……」
ソファーに連れてこうと腕を引っ張るも、紫道はキッチンの前で足を止めて動かない。
「ダメだ」
僕のしたいことを察したんだとしても。
「何で?」
久しぶりに会ったわけじゃない。何日ぶりとかじゃなく、昨日会ってセックスもして。たった1日ぶりだけどさ。
キスくらい、いいじゃん?
その気にさせるのに。
その気になったら、がんばるのに。
あー……だけど。
強引に進めるには、体力的に今は負けそうだし。拒否られても仕方ないコトしたし。今日は、出来るだけ……紫道の意見を優先するつもり……。
あ。
腹が鳴った。紫道の。
「悪い。俺も食ってなくて……」
すごく申し訳なさげで困った顔の紫道に。
「何か食べよう」
ここは譲るしかない、か。
「先にね」
募る欲を我慢して。まずは空腹を満たすことにした。
レンジで温めるだけの料理を冷凍庫から出し。自分が用意すると言い張る紫道にあとはまかせ、ソファーに腰を落ち着けて待つ間。906号室で落としたスマホの電源を入れてみると。
今までで最多の受信通知。
紫道からの不在通知がたくさん……ごめんね。通話に出なくて。心配かけちゃって。で、結局バレちゃって。その気持ちは、このあと……イヤってほど返してあげるから。今頃、清崇も幸汰に返してるはず。
そして。
沢渡から。午前のと、2時37分? 1時間ちょっと前だから、紫道たちがホテルの部屋に来た頃?
午前のは、神野のメアドと。僕のメッセに、わかりましたって返信。
午後のは……長っ……。
『ごめんなさい』
『昨日』
『八代先輩にあなたの連絡先と偽って川北さんの連絡先を教えました』
『ごめんなさい』
『今日』
『川北さんがあなたを探すのに協力しました』
『ごめんなさい』
『今無事に会えてますか』
『大丈夫だと信じてます』
『俺はあなたの味方です』
コレ……。
ザッパでも、紫道に聞いたほうがいいかなぁ。
食べたあと。心置きなくやるために。
確認しておきたいこともあるし、ね。
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