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依頼

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 俺達は、依頼の鬼ウサギを手にいれる為に教わった草原まできた。
 「鬼ウサギって物騒な名前だな。」
 〈角があるウサギですよ、雑食ですね、肉は食べると美味しいと思います。〉
 「なら、依頼の一匹を手にいれたらもう一~二匹調理してもらうか。」
 〈はい。向こうに、何かいるみたいですね?こちらが風下ですから見つかりにくいと思います。では、僭越ながら風魔法で、動けなくさせていただきますから、槍でお衝き下さい。〉
 〈“ウィンド”どうぞ〉
 〈ウィンドが、風魔法の唱え方か?〉
 〈はい、多分龍牙様ならMPを使えばすぐ使えるようになると思います。〉
 〈MPを沢山使い、風のことを考えながら例えばあの木に当てると思いながら、“ウィンド”と言って下さい。もちろん殺したあとですよ。〉

 ウサギの大きさに少し驚きながら、槍で殺した。
 〈これは、やらなければならないことです。〉と、俺の右肩の上を定位置にしながら。念話で俺に言ってきた。
 
 〈もちろん、わかっている。〉
 〈“ウィンド!!”もう二匹いますので、足止めさせていただきます。〉
 見ると、少し遠くに鬼ウサギが、倒れているのをみた。

 〈二匹同時にか!!〉
 〈はい、これも執事の技能の一つですから。〉
 〈この世界の執事とは凄いんだな。〉
と言いながら、走って行き二匹に止めをさした。
 「お、何か変わった感じがする。」
 〈おめでとうございます、レベルアップされましたね。ウサギなどの気配は、周りに有りませんので、まずは毛皮と肉に分けましょうか。〉
 〈一応、やったことは有るから、違ったら言って欲しい。〉
と言って俺はナイフで、解体を始めた。
ウサギはまだ人肌で、血を出していたが、久し振りの感触に元の世界を懐かしく思った。
野生の鹿や、ウサギが食べてみたく、学校の旅行でオプションを付けて良かっと思いながら、内蔵を腹から出した。
 「心臓は、分けて食べよう。塩はないが後から焼いてくれないか」と、あの国からいただいてたフライパンやボールをマジックボックスから出して、ボールの中にいれた。
 〈その内臓いらないなら、そのままいただいてヨロシイですか?〉
 「もっと旨いものを作ってあげたいが仕方ない。」
内臓を嬉しそうに食べているのを見ていると。
 〈あと、脳を龍牙様は、食べれますか?〉
 「もちろん、調理をしたら食べれるが。どうしてだ?」
 〈脳に、スキルが残ると言われています。良ければ食べられた方が良いかと、思われます。そのウサギを鑑定していただけますか?〉

 “鑑定”
[【ハイノーマル】 鬼ウサギの脳ミソ(風魔法レベル0を覚える事が出来る 珍味)]
 「本当に、覚えれるぞ。」
 
 〈中にはそういう個体がいると言うことです。モンスターを食べてスキルを手にいれる事も、魔法を練習してスキルを手にいれる事も有ります。〉

 あの大袈裟な調理台を出すのも、自然の前では何か嫌なので、石を集め木を集め簡単なコンロを作って調理した。
 心臓の味は、元の世界での味より深かく。旨すぎてバディと二人で分けてすぐ食べてしまった。
食べたらまたレベルアップした感じがしてびっくりしてしまった。
 〈我々スライムのように相手の力を手に入れられたんですね。〉
 「凄い物だな。」と、言って脳ミソを焼いてみた。

 〈火を入れた調理は旨いですね。脳は、龍牙様が食べて下さいね。〉
 「これも分けようと思ったのだが?」
 〈では、こちらのスキルを手にいれれる脳ミソは、龍牙様、私には違うのを焼いていただけますか?〉
俺は久し振りの調理によろこびながら、食べてみた。
 〈ネットリとして、河豚の白子や、鱈の白子のような感じがするが、それ以上に旨いな。〉
 〈はい良き主人。いえ、龍牙様にお会いできて幸せです。〉

 「解体は、どこまですれば良いんだ?肉の部位まで分ければ良いか?」

 〈いえ、ここまで出来るとは思っていませんでした、血と内臓を抜いて肉の質を悪くしない程度、そして首から下の皮を剥いで皮を分ける位までです。〉
 
 「なら、二匹分は依頼の為と言う事にして。後の一匹は、宿に持っていこうか。」
二匹分は袋に入れてアイテムバックにしまい、一匹分は、アイテムボックスに入れることにした。
 〈はい、あとは薬草の採集ですね。〉
 「これも簡単そうだな。これをキレイにしてもらえないか?」とフライパンとボールを出して言うと。
 〈では、私がこびりついたものを食べたあとに、ウォーターで洗ってもヨロシイですか?〉
 「もちろん大丈夫。」
お、ボールが出てきただけでいれる前よりキレイになっている。フライパンもだ。
 “ウォーター”
そのあとに水洗いでバッチリキレイになっている。
 「ありがとうな。」
 〈では、食事も終わりましたし、魔法をまず使ってみましょうか?〉
 「頼む。教えて欲しい。」
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