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 あの触手がここまで強いとは、カタリンの戦闘能力を、甘く見ていたようだ。


 バラバラになった、かつてアビーの身体だったモノが地面に降り注ぐ。政信の足元に転がったアビーの首と視線を合わせながら、政信は冷静な判断を頭の片隅でしていた。


 同時に、視界が深紅に染まる程度には、怒りで頭を沸騰させてもいた。


「お前、自分が何をしたのかわかってるか!」


「もちろんッスヨ。恋人である僕を差し置いてアニキにまとわりつく害虫を、懲らしめてやったンスヨ」


「なにが恋人だ。仲間を、しかも猫耳にモフモフを殺すような奴は、恋人でも舎弟でも何でもない。お前とは今日限りだ」


「アニキ……ボクは殺してないッスヨ。こらしめただけッス」


 カタリンに続いて、足元からアビーの声がした。


「ていうか、あーしアンデットの中でも高位だから、もう死んでるし死ねないし」


「おいおいおい、無敵かよ」


 ジグソーパズルをぶちまけたかのようにされたアビーの身体は、既に胸から上がつながっていた。


「基本的にはね~。でも心臓と脳を同時にぶっ壊されてから焼かれると、流石のあーしたちも復活にかなり時間かかっちゃうのよ。服も破れて、よりセクシーになっちゃうし」


「あうん、そう。スマン誤解だった。お前とはこれまでだっていうの、ナシな。ナシ」


「おっけーッス。それはいいっすけど、次はアニキの番ッスヨネ」


 カタリンの目と触手が、赤く光った。


 本能的に理解する。攻撃色だ。


 政信が身構えると同時に、触手が高速で迫ってきた。


考える間もなく、後ろ回り受け身で回避する。触手が空を切る際に出す危険な音を聞き、政信の額を冷汗が伝った。
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