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Chapter9(手駒編)
Chapter9-①【新しい世界】後編
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「おい、俺だ。次のイベントは何時だ?」
「あっ、ナツキさん!名古屋からですか?」
ワタルの声が返ってきた。
「いや、東京だ。
こっちに転職したんだ。
で、何時なんだ?」
「レザーナイトが月末にあります。」
「月末か、間が空くな。
お前、バイトしねぇか?」
「バイトですか?
週に何日かならやれますが。」
「週末だけでいい。
時給弾むから、これから来い。
場所はメールする。」
ナツキは一方的に電話を切る。
先ずは人寄せバンダを手配した。
後はどうやって告知するかが問題だ。
蔓をたぐれば、芋は次々と出てくる。
蔓さえ見付けてしまえば。
「お前、デジカメ持ってるか?」
「ええ、去年買いました。
型は古いのですが。」
「構わん、家は近いか?
持ってきてくれ。」
「一時間あれば、戻ってこれます。」
「だったら途中でこれとこれを買ってきてくれ。」
走り書きした紙を渡す。
「それとここでは店長と呼べ。
お前が支配人だ。」
ナツキはニヤリと笑う。
ナツキはパソコンの前で格闘する。
簡単な操作は覚えたが、機種が違うと勝手が悪い。
『今、話題のラバーがここで買える!
全頭マスク、スーツなど何でも揃ってるぜ。
クラブやナイトでこれ着て、野郎どもを挑発だ!』
これだけのテキストを入力するだけで30分が経過していた。
『格安』を入れるべきか悩む。
文字にすると、チープ感が前面に出てしまう。
「後は中嶋に任せるか。」
伸びをすると、タバコに火を点ける。
頭脳労働の後の一服は格別に美味い。
ドアが開き、客が二人入ってきた。
ナツキは舌打ちする。
仕方なく、点けたばかりの煙草を揉み消す。
レジの打ち方は聞いていなかった。
男達はゆっくりと店内を歩き回る。
如何にも物色している感じだ。
一人は大柄なガチムチで、黒いタンクトップと尻のはみ出たラグパンを穿いている。
もう一人はかなり若い。
Tシャツにジーンズ姿だった。
『怪しい奴等だ。』
ナツキはレジの中から防犯カメラのモニターを眺めた。
ガチムチが下着コーナーで足を止めた。
左右を確認し、誰もいない事を確認している。
若い男は手前のビデオコーナーでDVDを手に取っていた。
『後ろにカメラがあるんだな。
ここで万引きするとは良い度胸だ。』
ナツキは一度消した煙草に火を点ける。
モニターに煙を吹き掛けると、ガチムチに注意を払う。
ガチムチが若い男を見る。
DVDを見ていた顔が頷くのが分かった。
ガチムチは徐にラグパンを脱ぐ。
むっちりした大殿筋に小さなTバックが食い込んでいる。
ビデオコーナーを映すモニターに視線を移す。
若い男がデジカメを向けていた。
『そういう事か。』
露出プレイに興じている二人を観察する。
人の良い中嶋しかいないこの店は格好の露出場所なのだろう。
見られている事に気付いていないガチムチは次第に大胆になっていく。
タンクトップを捲り上げ、己の乳首を捻ってみせた。
若い男が夢中でシャッターを押す。
ガチムチの空いた手がTバックの中へ滑り込んだ。
(つづく)
「あっ、ナツキさん!名古屋からですか?」
ワタルの声が返ってきた。
「いや、東京だ。
こっちに転職したんだ。
で、何時なんだ?」
「レザーナイトが月末にあります。」
「月末か、間が空くな。
お前、バイトしねぇか?」
「バイトですか?
週に何日かならやれますが。」
「週末だけでいい。
時給弾むから、これから来い。
場所はメールする。」
ナツキは一方的に電話を切る。
先ずは人寄せバンダを手配した。
後はどうやって告知するかが問題だ。
蔓をたぐれば、芋は次々と出てくる。
蔓さえ見付けてしまえば。
「お前、デジカメ持ってるか?」
「ええ、去年買いました。
型は古いのですが。」
「構わん、家は近いか?
持ってきてくれ。」
「一時間あれば、戻ってこれます。」
「だったら途中でこれとこれを買ってきてくれ。」
走り書きした紙を渡す。
「それとここでは店長と呼べ。
お前が支配人だ。」
ナツキはニヤリと笑う。
ナツキはパソコンの前で格闘する。
簡単な操作は覚えたが、機種が違うと勝手が悪い。
『今、話題のラバーがここで買える!
全頭マスク、スーツなど何でも揃ってるぜ。
クラブやナイトでこれ着て、野郎どもを挑発だ!』
これだけのテキストを入力するだけで30分が経過していた。
『格安』を入れるべきか悩む。
文字にすると、チープ感が前面に出てしまう。
「後は中嶋に任せるか。」
伸びをすると、タバコに火を点ける。
頭脳労働の後の一服は格別に美味い。
ドアが開き、客が二人入ってきた。
ナツキは舌打ちする。
仕方なく、点けたばかりの煙草を揉み消す。
レジの打ち方は聞いていなかった。
男達はゆっくりと店内を歩き回る。
如何にも物色している感じだ。
一人は大柄なガチムチで、黒いタンクトップと尻のはみ出たラグパンを穿いている。
もう一人はかなり若い。
Tシャツにジーンズ姿だった。
『怪しい奴等だ。』
ナツキはレジの中から防犯カメラのモニターを眺めた。
ガチムチが下着コーナーで足を止めた。
左右を確認し、誰もいない事を確認している。
若い男は手前のビデオコーナーでDVDを手に取っていた。
『後ろにカメラがあるんだな。
ここで万引きするとは良い度胸だ。』
ナツキは一度消した煙草に火を点ける。
モニターに煙を吹き掛けると、ガチムチに注意を払う。
ガチムチが若い男を見る。
DVDを見ていた顔が頷くのが分かった。
ガチムチは徐にラグパンを脱ぐ。
むっちりした大殿筋に小さなTバックが食い込んでいる。
ビデオコーナーを映すモニターに視線を移す。
若い男がデジカメを向けていた。
『そういう事か。』
露出プレイに興じている二人を観察する。
人の良い中嶋しかいないこの店は格好の露出場所なのだろう。
見られている事に気付いていないガチムチは次第に大胆になっていく。
タンクトップを捲り上げ、己の乳首を捻ってみせた。
若い男が夢中でシャッターを押す。
ガチムチの空いた手がTバックの中へ滑り込んだ。
(つづく)
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