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Chapter5(奸賊編)
Chapter5-⑩【ダイアモンドダストが消えぬまに】前編
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車は沖縄自動車道を北上する。
ワイパーが忙しなく動く。
晴天だった那覇を出発したが、北へ向かうにつれ雲が厚くなった。
伊芸を通過する頃には土砂降りとなり、気持ちは萎える一方だ。
「やっぱ、新原に行けば良かったかな…。」
視界が悪く、左車線をちんたら走る。
お気に入りのボディスーツを着てきたが、マラにも覇気はない。
サービスエリアでの露出は諦めるしかなさそうだ。
雨脚が弱まり、少し余裕が出来た。
寝ているナツキの鼻を摘まむ。
見る見る顔が真っ赤に染まっていく。
指を離すと、大きく息を吸い込む。
そして一気に吐き出した。
不思議と雨は完全に止んだ。
前方は厚い雲に覆われているが、隙間から一条の光明が射し込んだ。
照らす方向は目的地と一致する。
ラジオに耳を傾けるが、助手席の鼾で聞き取れない。
音量を上げると、鼾も負けじと大きくなる。
鼾に合わせた様に、差し込む筋が増えていく。
天気予報は必要なさそうだ。
「こいつ、持ってるな。」
上半身裸の胸でニップルサックが揺れていた。
宜野座ICの標識を確認し、ウインカーを出す。
以前、ヒカルとシュノーケルをした海は直ぐそこだ。
昂る気持ちがアクセルを踏み込ませた。
ホテルの宿泊客専用のビーチベッドが並ぶ。
チカラはその一番端に荷物を置く。
「おい、泊まってないのに平気か?
何かあっても、びた一文払わねぇぞ。」
ナツキはそう言いながらも、既にTバック姿になっていた。
「大丈夫。
このホテルに知り合いがいて、さっき連絡しておいたから。」
チカラもパーカーを脱ぎ捨て、地肌に風を感じる。
梅雨時のプライベートビーチは閑散としてた。
ホテル前に家族連れがいる位で、隅を陣取る者はいない。
「お前、知り合いが多いな。」
「イントラやってれば、嫌でも増えるさ。
代行頼んだり、頼まれたり。
持ちつ持たれつだ。
まあ、面倒な奴も含めてだけどな。
ほらっ、オイル塗ってやるよ。」
チカラは両手でオイルを伸ばす。
肥大した乳首が魅惑的だ。
丹念に乳首の周りを揉み解す。
ナツキの股間が瞬く間に立体的になる。
「おいっ、一発やらせろ。」
「無茶言うな。
ここでは無理だ。」
チカラは笑うが、その思いは同じだった。
前方からライフジャケットを着た男が歩いてくる。
直ぐにそれがミナトだと分かった。
ライフジャケットには不似合いの白いビキニに顔を綻ばせる。
「公共の場なんだから、少しは控えてくれよ。」
真っ黒に焼けたミナトが白い歯を見せた。
「お前こそ、仕事場でそのビキニは小さ過ぎるんじゃねぇか。」
チカラが手を上げると、ミナトがタッチする。
一年振りの再会だ。
「シュノーケルのツアーから戻ってきたばかりだ。
次のツアーまで、少し時間があるんだ。
新しい彼氏か?」
ミナトが顔を寄せて聞く。
「いや、同士だ。
俺達と同じさ。」
「とすると、変わり者か?
まあ、格好見れば分かるがな。」
尻を剥き出しにして寝ているナツキを見て笑う。
「ヒカルとは会ってないのか?」
ミナトが真顔になる。
「たまにジムで会うけど、それだけさ。」
「そうか…。」
二人の間に気まずい沈黙が流れた。
(つづく)
ワイパーが忙しなく動く。
晴天だった那覇を出発したが、北へ向かうにつれ雲が厚くなった。
伊芸を通過する頃には土砂降りとなり、気持ちは萎える一方だ。
「やっぱ、新原に行けば良かったかな…。」
視界が悪く、左車線をちんたら走る。
お気に入りのボディスーツを着てきたが、マラにも覇気はない。
サービスエリアでの露出は諦めるしかなさそうだ。
雨脚が弱まり、少し余裕が出来た。
寝ているナツキの鼻を摘まむ。
見る見る顔が真っ赤に染まっていく。
指を離すと、大きく息を吸い込む。
そして一気に吐き出した。
不思議と雨は完全に止んだ。
前方は厚い雲に覆われているが、隙間から一条の光明が射し込んだ。
照らす方向は目的地と一致する。
ラジオに耳を傾けるが、助手席の鼾で聞き取れない。
音量を上げると、鼾も負けじと大きくなる。
鼾に合わせた様に、差し込む筋が増えていく。
天気予報は必要なさそうだ。
「こいつ、持ってるな。」
上半身裸の胸でニップルサックが揺れていた。
宜野座ICの標識を確認し、ウインカーを出す。
以前、ヒカルとシュノーケルをした海は直ぐそこだ。
昂る気持ちがアクセルを踏み込ませた。
ホテルの宿泊客専用のビーチベッドが並ぶ。
チカラはその一番端に荷物を置く。
「おい、泊まってないのに平気か?
何かあっても、びた一文払わねぇぞ。」
ナツキはそう言いながらも、既にTバック姿になっていた。
「大丈夫。
このホテルに知り合いがいて、さっき連絡しておいたから。」
チカラもパーカーを脱ぎ捨て、地肌に風を感じる。
梅雨時のプライベートビーチは閑散としてた。
ホテル前に家族連れがいる位で、隅を陣取る者はいない。
「お前、知り合いが多いな。」
「イントラやってれば、嫌でも増えるさ。
代行頼んだり、頼まれたり。
持ちつ持たれつだ。
まあ、面倒な奴も含めてだけどな。
ほらっ、オイル塗ってやるよ。」
チカラは両手でオイルを伸ばす。
肥大した乳首が魅惑的だ。
丹念に乳首の周りを揉み解す。
ナツキの股間が瞬く間に立体的になる。
「おいっ、一発やらせろ。」
「無茶言うな。
ここでは無理だ。」
チカラは笑うが、その思いは同じだった。
前方からライフジャケットを着た男が歩いてくる。
直ぐにそれがミナトだと分かった。
ライフジャケットには不似合いの白いビキニに顔を綻ばせる。
「公共の場なんだから、少しは控えてくれよ。」
真っ黒に焼けたミナトが白い歯を見せた。
「お前こそ、仕事場でそのビキニは小さ過ぎるんじゃねぇか。」
チカラが手を上げると、ミナトがタッチする。
一年振りの再会だ。
「シュノーケルのツアーから戻ってきたばかりだ。
次のツアーまで、少し時間があるんだ。
新しい彼氏か?」
ミナトが顔を寄せて聞く。
「いや、同士だ。
俺達と同じさ。」
「とすると、変わり者か?
まあ、格好見れば分かるがな。」
尻を剥き出しにして寝ているナツキを見て笑う。
「ヒカルとは会ってないのか?」
ミナトが真顔になる。
「たまにジムで会うけど、それだけさ。」
「そうか…。」
二人の間に気まずい沈黙が流れた。
(つづく)
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