妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

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Chapter5(奸賊編)

Chapter5-②【太陽の逃亡者】前編

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活動場所を名古屋に変えた。
新天地では普通を装う。
それが保身になる事を覚えた。
だが我慢すればする程、欲求が高まる。
マスクを被り合って、貪りあいたい。
ゴムフェチはマイナーだ。
東京でも同類と知り合う事に難儀した。
この地方都市にその少数派はどれ位いるのだろうか?
その巡り合いは海で落としたコンタクトを探す様なものだ。
そんな悶々とした日々を送る中、覆面バーでヒカルと知り合う。
ヒカルは全てを受け入れてくれた。
どんなプレイにも欲情し、喘ぐヒカルにのめり込んだ。
突然、ヒカルの視線に変化が現れた。
東京へ戻ると言い出した時、チカラは反対しなかった。
安定し出した仕事を捨てても、ヒカルを失いたくなかったのだ。
東京に戻っても、怯える視線は変わらなかった。
『そんな目で俺を見るな!』
心の中の叫びはヒカルには届かない。
ヒカルの下を離れる事を決めるのに大した時間は必要なかった。
態と喧嘩を吹っ掛け、家を飛び出したのだ。
 
今、目の前に最高のパートナーがいる。
それはマイノリティにとって、至福の喜びだ。
『こいつの前なら何も隠す必要はない。
全てをさらけ出せる。』
チカラは熱り起つマラを必死に宥めた。
CAが新しいビールをテーブルに置く。
もう何杯飲んだか、分からなかった。
 
フロントでチェックインを済ませ、カードキーを受け取る。
エレベーターに乗り込み、やっと安堵出来た。
面倒な柵から解放された実感を得る。
ナツキは眠そうな顔で壁に凭れていた。
チカラは後数秒を待てない。
ナツキの股間を鷲掴みすると、唇を押し付ける。
肉厚な舌が侵入してきた。
それを唾液で満たされた口内に招き入れ、思うがままに絡める。
ここでは何一つ隠す必要はなく、本能の赴くままに快楽を貪れるのだ。
だが頭の片隅でタイマーが作動した。
68時間後にはここを旅立つ。
少しも無駄にしたくないと、切に思った。
 
部屋に入ると、入り口に宅配便の包みが置いてある。
機内で考えた今晩使う道具を取り出す。
明日のビーチはド変態の登場にざわつくだろう。
ナツキはベッドの上で豪快に鼾を掻いていた。
チカラは手を伸ばし、窮屈そうなジッパーを下げる。
解放された大胸筋が波打つ。
親指と人差し指で黒い球体状のサックを摘まむと、空気の抜けた球体はぺしゃんこに
凹んだ。
サックの先をナツキの右乳首に当てて、指を離す。
潰れた球体は少しずつ元の形に戻っていく。
チカラは小さく笑うと、同様に左乳首にもサックを押し当てた。
 
チカラは服を脱ぐと、シャワーを浴びる。
疲れていても、ゴーグルの装着は忘れない。
ゴーグル越しの景色が好きだった。
単色の映像はモノクロ映画を見ている様だ。
現実味を喪失させ、主人公になった気分にさせてくれた。
口を上に向け、水流を受け止める。
温かい湯が気張った身体を和らげる。
アナルから汚水を垂れ流す。
昨日の発展場から身体を洗ってない。
茶色い汚水が排水溝へ流れていく。
体内に残ったナツキの雄汁はもう必要ない。
この先、幾らでも新鮮な物を入手出来るからだ。
 
 
(つづく)
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