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Chapter2(復讐編)
Chapter2-①【ギブス】後編
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「おらっ、終わりだ。
しっかり背筋を伸ばせ。」
スパンキングが繰り返された。
「うっす!」
ナツキは気合いを込め、返事をする。
同時に疑問が浮かぶ。
「なぜ尻を叩くんすか?」
「痛くないのか?
マゾは痛みを快楽へ変換する。
これは褒美だ。」
神志那は口元を歪めると、振り下ろす手を止めた。
「全く。」
快楽の欠片もなく、この動作に意味が見出せない。
「全くか…。
だったらパドルで、もてなしてやる。
態々名古屋まで来たんだからな。」
引き寄せたバッグから羽子板に似た物を取り出した。
革製の広い面は鋲で覆われている。
「それは…。」
質問をする前に鋲が襲ってきた。
「うっ!」
猛烈な痛みに声が漏れる。
ヒットする度に股間が熱くなっていく。
『これが変換か。』
背が垂直になり、股間を通る縄が締め上げてきた。
それに伴いディルドが更なる深みへ入ってくる。
「どうだ、気分は?
この間とは比べ物にならんだろ。
本来なら両腕も縛って、海老反りにして足と固定するんだ。
だが腹が減ったし、名古屋名物モーニングを食いに行くか。」
神志那はそう言うと、機嫌良くコートを投げた。
「お前、靭帯を切った奴に復讐したいんだろ。
だったら手伝ってやろうか?」
車内で、前方を見たまま神志那が聞いてきた。
「あっ、はいっ…。」
唐突な質問に曖昧に答える。
「コーチに宮脇がいただろ。
あいつもたまに縛られに来るんだ。」
驚いたナツキは神志那の顔をまじまじと見る。
宮脇はコーチの中でも、一番印象が薄い。
他のコーチと違いスパルタな練習より、メンタル面を重視した。
試合で緊張しないナツキはあまり宮脇の世話になっていない。
「あの宮脇さんが…。」
ナツキは絶句する。
「今、柔道部が名古屋に遠征に来てると連絡があった。
帰る前に縛って欲しいとな。」
神志那が初めてナツキを見た。
鋭い眼光が内面まで見透かしている様だ。
「奴に頼めば、そいつを誘き出す事なんか簡単だ。
おらっ、着いたぞ。」
車は急ハンドルを切り、パーキングに入った。
「よっ、Gさん、おはよう。
連れは新顔だな。
また社内研修か?」
店に入ると、エプロンをした店員が声を掛けてきた。
真冬にも拘わらず、マッチョな店員はピチピチのシャツを着ている。
「こいつは社員じゃねぇんだ。
大学の後輩だ。
いつもの頼む。」
神志那はレジの脇をすり抜け、一つだけ隔離されたテーブル席に座り込んだ。
「おらっ、暑いだろ。
コート脱げ。」
神志那の言葉にナツキは戸惑う。
コートの下は何も着ていない。
縄と貞操具とハリガタだけの裸体だ。
全裸の方が余程気が楽だった。
店員に目線を向けると、カウンターの中で調理をしている。
尻の痛みで、腰を浮かす。
動揺を覚られぬ様、コートを脱ぐと煙草に火を点ける。
これ位で狼狽えるちっぽけな男に思われたくない。
だが咥えた煙草の先が揺れている事に、ナツキは気付かなかった。
紫の煙がゆらゆらと揺れる。
(つづく)
しっかり背筋を伸ばせ。」
スパンキングが繰り返された。
「うっす!」
ナツキは気合いを込め、返事をする。
同時に疑問が浮かぶ。
「なぜ尻を叩くんすか?」
「痛くないのか?
マゾは痛みを快楽へ変換する。
これは褒美だ。」
神志那は口元を歪めると、振り下ろす手を止めた。
「全く。」
快楽の欠片もなく、この動作に意味が見出せない。
「全くか…。
だったらパドルで、もてなしてやる。
態々名古屋まで来たんだからな。」
引き寄せたバッグから羽子板に似た物を取り出した。
革製の広い面は鋲で覆われている。
「それは…。」
質問をする前に鋲が襲ってきた。
「うっ!」
猛烈な痛みに声が漏れる。
ヒットする度に股間が熱くなっていく。
『これが変換か。』
背が垂直になり、股間を通る縄が締め上げてきた。
それに伴いディルドが更なる深みへ入ってくる。
「どうだ、気分は?
この間とは比べ物にならんだろ。
本来なら両腕も縛って、海老反りにして足と固定するんだ。
だが腹が減ったし、名古屋名物モーニングを食いに行くか。」
神志那はそう言うと、機嫌良くコートを投げた。
「お前、靭帯を切った奴に復讐したいんだろ。
だったら手伝ってやろうか?」
車内で、前方を見たまま神志那が聞いてきた。
「あっ、はいっ…。」
唐突な質問に曖昧に答える。
「コーチに宮脇がいただろ。
あいつもたまに縛られに来るんだ。」
驚いたナツキは神志那の顔をまじまじと見る。
宮脇はコーチの中でも、一番印象が薄い。
他のコーチと違いスパルタな練習より、メンタル面を重視した。
試合で緊張しないナツキはあまり宮脇の世話になっていない。
「あの宮脇さんが…。」
ナツキは絶句する。
「今、柔道部が名古屋に遠征に来てると連絡があった。
帰る前に縛って欲しいとな。」
神志那が初めてナツキを見た。
鋭い眼光が内面まで見透かしている様だ。
「奴に頼めば、そいつを誘き出す事なんか簡単だ。
おらっ、着いたぞ。」
車は急ハンドルを切り、パーキングに入った。
「よっ、Gさん、おはよう。
連れは新顔だな。
また社内研修か?」
店に入ると、エプロンをした店員が声を掛けてきた。
真冬にも拘わらず、マッチョな店員はピチピチのシャツを着ている。
「こいつは社員じゃねぇんだ。
大学の後輩だ。
いつもの頼む。」
神志那はレジの脇をすり抜け、一つだけ隔離されたテーブル席に座り込んだ。
「おらっ、暑いだろ。
コート脱げ。」
神志那の言葉にナツキは戸惑う。
コートの下は何も着ていない。
縄と貞操具とハリガタだけの裸体だ。
全裸の方が余程気が楽だった。
店員に目線を向けると、カウンターの中で調理をしている。
尻の痛みで、腰を浮かす。
動揺を覚られぬ様、コートを脱ぐと煙草に火を点ける。
これ位で狼狽えるちっぽけな男に思われたくない。
だが咥えた煙草の先が揺れている事に、ナツキは気付かなかった。
紫の煙がゆらゆらと揺れる。
(つづく)
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