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Chapter3(推し燃ゆ編)
Chapter3-⑦【ONE AND LAST】
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ヘッドギアをしたマッチョがベンチプレスをしている。
高重量のウェイトでバーがしなった。
ブリッジをし、白いラグパンを突き出す。
バーを上げる度に弓なりの股間も隆起した。
お世辞にもイケメンとはいえない。
ケツワレを穿いたトレーナーがサポートに入った。
軽々上げていたバーの勢いが失せる。
太い腕が震え出す。
結んだ口から低い声が漏れた。
マッチョは眉間に皺が寄せるが、腕は伸び切らない。
トレーナーの手がバーに掛かり、腰が下りる。
そのまま尻が顔を覆う。
尻で塞がれた呻き声は卑猥な音色に変わった。
『あの時と同じだ。』
ショーンとのトレーニングを思い出し、画面から視線を逸らす。
「顔真っ赤にしちゃって、やっぱウブだね。
アナルなんて舐めた事、ないでしょ?」
「顔が赤いのは酔いの所為だよ!
それよりいつ出てくるんだよ、発展場のマッチョは?
このモデルイケてないから、飛ばしていい?」
籠った声が欲望を掻き立てた。
「それがさ、出てこないんだ。
中身が入れ替わってたみたい。
探したんだけど、見付からなくて。」
「へっ、マジ?
このパッケージのみ…。」
落胆が声音に出てしまう。
「マジ。
ネット検索したけど、このレーベル潰れたみたいで購入不可。」
ソラが頭を掻く。
「入れ替わってるって事は家にある筈じゃん。
全部見たのか?」
ショーンのビデオなら何が何でも見たい。
「それは無理。
家にはコピー入れると、1000枚以上あるから。
一度失くしたら、二度と見れない。
お陰で何枚も同じのがあったりするんだ。
それに誰かに貸してるかもしれないし。」
「せんまい…。」
新たに購入出来ないとなると、諦めるしかなさそうだ。
「この人もイケない?
僕のお勧めで持ってきたんだけど。」
力なく顔を振る。
「誰か持ってないかな?」
「潰れたレーベルじゃ、可能性低いんじゃない。
でも、持ってるとしたら…。」
ソラは言い終わる前に、口に海老を放り込んだ。
「持ってるとしたら、誰?」
飲み込むのを待てず、答えを急かす。
「本人位じゃない。」
大笑いする顔をじっと見詰めた。
テーブルの上にパッケージが置いたままだ。
「その年でウブなんて言ってると、パテックに捨てられちゃうよ。
これ位は出来る様にならないと。
何なら有料で、レッスンしてあげようか?」
ソラはDVDを置き土産にして、帰っていった。
パッケージを裏返す。
画像が四分割されていた。
左上はのサスペンダータイプのタイツを穿いている。
ネット生地にモザイクが掛かっている事から、その透け具合が想像出来た。
その隣はレディースの競泳水着を着ている。
その股間を靴が踏み締めていた。
左下は表紙と同じノースリーブの全身タイツだ。
天井から吊るされたその腹に拳がめり込んでいた。
最後は横顔のアップだ。
黄金色の水が大きく開いた口に向いていた。
「えっ、これって?」
この間、大部屋で見たシーンと似ていた。
いや、そっくりだ。
あの日、覚えた違和感の本当の理由を知る。
『マニアックなフェチがぴったり合う方と知り合うは奇跡的』
ショーンの言葉を思い出す。
マニアックなフェチは筋金入りの様だ。
幼顔のショーンに微笑み掛ける。
自分の偏執的な性を見抜き、欲してくれた。
あの発言に裏がないを事を信じたい。
(完)
高重量のウェイトでバーがしなった。
ブリッジをし、白いラグパンを突き出す。
バーを上げる度に弓なりの股間も隆起した。
お世辞にもイケメンとはいえない。
ケツワレを穿いたトレーナーがサポートに入った。
軽々上げていたバーの勢いが失せる。
太い腕が震え出す。
結んだ口から低い声が漏れた。
マッチョは眉間に皺が寄せるが、腕は伸び切らない。
トレーナーの手がバーに掛かり、腰が下りる。
そのまま尻が顔を覆う。
尻で塞がれた呻き声は卑猥な音色に変わった。
『あの時と同じだ。』
ショーンとのトレーニングを思い出し、画面から視線を逸らす。
「顔真っ赤にしちゃって、やっぱウブだね。
アナルなんて舐めた事、ないでしょ?」
「顔が赤いのは酔いの所為だよ!
それよりいつ出てくるんだよ、発展場のマッチョは?
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探したんだけど、見付からなくて。」
「へっ、マジ?
このパッケージのみ…。」
落胆が声音に出てしまう。
「マジ。
ネット検索したけど、このレーベル潰れたみたいで購入不可。」
ソラが頭を掻く。
「入れ替わってるって事は家にある筈じゃん。
全部見たのか?」
ショーンのビデオなら何が何でも見たい。
「それは無理。
家にはコピー入れると、1000枚以上あるから。
一度失くしたら、二度と見れない。
お陰で何枚も同じのがあったりするんだ。
それに誰かに貸してるかもしれないし。」
「せんまい…。」
新たに購入出来ないとなると、諦めるしかなさそうだ。
「この人もイケない?
僕のお勧めで持ってきたんだけど。」
力なく顔を振る。
「誰か持ってないかな?」
「潰れたレーベルじゃ、可能性低いんじゃない。
でも、持ってるとしたら…。」
ソラは言い終わる前に、口に海老を放り込んだ。
「持ってるとしたら、誰?」
飲み込むのを待てず、答えを急かす。
「本人位じゃない。」
大笑いする顔をじっと見詰めた。
テーブルの上にパッケージが置いたままだ。
「その年でウブなんて言ってると、パテックに捨てられちゃうよ。
これ位は出来る様にならないと。
何なら有料で、レッスンしてあげようか?」
ソラはDVDを置き土産にして、帰っていった。
パッケージを裏返す。
画像が四分割されていた。
左上はのサスペンダータイプのタイツを穿いている。
ネット生地にモザイクが掛かっている事から、その透け具合が想像出来た。
その隣はレディースの競泳水着を着ている。
その股間を靴が踏み締めていた。
左下は表紙と同じノースリーブの全身タイツだ。
天井から吊るされたその腹に拳がめり込んでいた。
最後は横顔のアップだ。
黄金色の水が大きく開いた口に向いていた。
「えっ、これって?」
この間、大部屋で見たシーンと似ていた。
いや、そっくりだ。
あの日、覚えた違和感の本当の理由を知る。
『マニアックなフェチがぴったり合う方と知り合うは奇跡的』
ショーンの言葉を思い出す。
マニアックなフェチは筋金入りの様だ。
幼顔のショーンに微笑み掛ける。
自分の偏執的な性を見抜き、欲してくれた。
あの発言に裏がないを事を信じたい。
(完)
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