妄想日記4<<New WORLD>>

YAMATO

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Chapter1(Lost In Paradise編)

Chapter1-⑤【HOTEL】

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「では頼んだぞ。
年が明けても連絡がなかったら、決行してくれ。」
三浦が封筒を差し出す。
「これは?」
仁藤はファインダーから視線を外す。
「約束の通帳と印鑑だ。」
カメラを置いた手に封筒を押し込まれた。
「先に貰っていいのか?
このままトンズラするかもしれんぞ。」
精気のない顔を覗き込む。
「ああ、構わん。
スグルは仲間、いや同士だ。
信頼している。
近くまで送ろう。」
アクセルを踏み込んだ車が一気に車線を変更する。
後ろのタクシーのクラクションがけたたましく鳴った。
 
高級ホテルのロビーは人で溢れていた。
不景気な中、金持ちはいるもんだと感心する。
馬鹿でかいクリスマスツリーが無意味に点灯していた。
「お前は節電しなくていいのか?」
厚化粧したツリーに語り掛ける。
回転ドアからホタルが入って来た。
左右をキョロキョロし、いかにも不審だ。
スタッフに捕まらなければいいがと苦笑する。
「待ち合わせはもっと地味な場所にしてくれよ。
こんなホテルは気後れするだけだ。」
仁藤の下に駆け寄って来たホタルが苦情を言う。
「どうせ上に行くんだ。
便がいいだろ。」
ホタルの目の前でルームキーを揺らした。
 
「スゲー眺めだぜ。」
ホタルは興奮を隠せない。
「下を歩く奴らが虫けらみたいだ。
なあ、見てみろよ…。」
振り向いたホタルがフリーズした。
「本当だな。
人間なんて、ちっぽけなもんだ。
これは今日来てくれた礼だ。」
背後に立ち、札を握らせる。
「それ、すっ、凄いな…。」
ホタルは吐息を吐くと、札をポケットに捩込んだ。
「ああ、淫乱な奴とやる為に用意した。」
顔だけ後ろに向けているホタルにキスをする。
舌を絡ませ、唾液を交わす。
うっとりしたホタルが掌でネット生地を愛おしむ。
 
仁藤が着ているのはDVDでケンゴが着ていたネット地のボディスーツだ。
タカユキを狂乱させたネット生地に魅せられた。
疎ましさを感じながらも、包み込む様な着心地を愉しむ。
タカユキと会った時に着てみようと思っていたが、着る機会を逸していた。
ホタルの恍惚振りを見て、思わぬ収穫だと悦に入る。
「ホタルにはもっと淫乱なウェアを用意してある。」
唇を離すと、唾液がアーチとなり、二人を繋いだ。
「その前に準備がある。
撮影したいんだ。
マスクを用意してあるから、構わんだろ?」
仁藤はベッドの回りに三脚をセットする。
タケルを監視している間、三浦から撮影時のアドバイスを聞いていた。
 
「カメラマンは用意した方がいい。
固定カメラではつまらない絵しか撮れません。
どうしてもカメラマンが無理な場合は、複数のカメラを用意しなさい。
被写体からの距離を変えて、それぞれセットするのです。」
三浦は講師の様に語り出した。
「次はカメラマンを連れて来ていいか?」
準備が終わった所で聞いてみる。
「別にいいぜ。
但し、コイツを弾んでくれよ。」
ホタルは札を押し込んだポケットを叩く。
『コイツは金で動く。
後々、役立ちそうだ。』
ホタルにマスクを被せながら満足げに笑った。
 
「これスゲーぜ。
ケツマンに食い込んでくるぞ!」
フックをアナルに差し込むと、ホタルが狂乱する。
以前、タカユキに着せたアナルフック付きのサスペンダーだ。
熱り起つペニスからその興奮振りが伺えた。
三台のカメラを録画モードにすると、ホタルをベッドに押し倒す。
先ずは至近距離に設置したカメラに向かって、ホタルのアナルを曝した。
太い鉄製のJ字フックの先端には球体が付いている。
それを出し入れし、アナルを解す。
「あー、たまらんぜ。」
低い喘ぎ声が室内に響く。
広背筋に力を入れ、後部のカメラを意識する。
いつもと違う刺激が仁藤を欲情させた。
三浦への憎悪が薄れている事に気付く。
時が経過した所為か、死にゆく者への哀れみか。
三浦が与えてくれた物は大きい。
新たな欲望を満たすツールは、これまでにない興奮を与えてくれた。
美しい筋肉を記録に残す。
自分が主人公のエロ動画を撮るなど、思いも寄らなかった。
 
 
(つづく)
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