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「でも海に行くと言いながら手ぶらで。波の音でも聞いてリラックスするつもりなんでしょう。すごく疲れてそうでしたし」
「あの、ありがとうございました。それでその海はどうやって行けばいいですか?」
「どうやってって・・・駅がそこにあるでしょう?そこからあちら向きにまっすぐ行けばすぐ見えてきますよ」
「ありがとうございます。早速行ってみます」
挨拶もそこそこに、早歩きで海へ向かった。
向かいながらさっき聞いた単語が頭に蘇る。
海、頭を冷やす、手ぶら、疲れてそう
話を聞いているうち、次第に嫌な予感が胸をよぎっていた。
私と約束をしていながら手ぶらで海へ行くなんておかしい。
何か目的があって向かっているに違いない。
書き置きにはあなたの前から姿を消します、とあった。
もし私の考えていることが当たっているとしたら、とんでもないことだ。
海へ向かったのは何時なのだろう?
聞いておけば良かった。
ついさっきの話であればまだ十分間に合う。
でもそれが朝、もしくは昨日の話だったら・・・?
考えただけで背筋が凍る。
最悪の事態を回避するため、とにかく海へ急いだ。
隣人の言っていた通り、海へはすぐに着いた。
海の遠くの方で遊んでいる人の姿はちらほら見えるが、砂浜には誰もいない。
日射しがきついから、ここでジリジリ焼けるのを待つよりは海に入る方を選ぶだろう。
と言っても浅瀬で水遊びをする人の姿も見えない。
気温は高いが、水温はまだ低いのかもしれない。
「あの、ありがとうございました。それでその海はどうやって行けばいいですか?」
「どうやってって・・・駅がそこにあるでしょう?そこからあちら向きにまっすぐ行けばすぐ見えてきますよ」
「ありがとうございます。早速行ってみます」
挨拶もそこそこに、早歩きで海へ向かった。
向かいながらさっき聞いた単語が頭に蘇る。
海、頭を冷やす、手ぶら、疲れてそう
話を聞いているうち、次第に嫌な予感が胸をよぎっていた。
私と約束をしていながら手ぶらで海へ行くなんておかしい。
何か目的があって向かっているに違いない。
書き置きにはあなたの前から姿を消します、とあった。
もし私の考えていることが当たっているとしたら、とんでもないことだ。
海へ向かったのは何時なのだろう?
聞いておけば良かった。
ついさっきの話であればまだ十分間に合う。
でもそれが朝、もしくは昨日の話だったら・・・?
考えただけで背筋が凍る。
最悪の事態を回避するため、とにかく海へ急いだ。
隣人の言っていた通り、海へはすぐに着いた。
海の遠くの方で遊んでいる人の姿はちらほら見えるが、砂浜には誰もいない。
日射しがきついから、ここでジリジリ焼けるのを待つよりは海に入る方を選ぶだろう。
と言っても浅瀬で水遊びをする人の姿も見えない。
気温は高いが、水温はまだ低いのかもしれない。
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