All is well that ends well!!

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私は嬉しくなってその人物に駆け寄り、自分が思っている人物と間違いないことを確認して体当たりしました。

するとその人物は私の期待通りの反応をしてよろめき、私に怒ってきました。

しかしそれは本気の怒りではなく、
`何だよ、このやろう´
という笑いの怒りでした。

私の体当たりにもゲンコツの1発だけで許してくれるこの人物の名はイシイ。

お隣、1年E組1番のイシイ、健康的な男です。

中学が一緒で、その頃から体当たりする仲だったので、クラスが異なる今も時々体当たりしてはゲンコツを返してくれます。

私はこれをイシイとの友情表現だと確信していました。

イシイとは帰り道が一緒なので、体当たりとゲンコツのやり合い後、自然と肩を並べて歩き出しました。

イシイと一緒にいると、話のネタが尽きません。

中学の頃からそうでした。

イシイは男なのでもちろん男の友達が多いですが、女の私とも普通に喋るので感心します。

異性と話をすると、時々話のネタがなくなって困りそうなものなのに、イシイにはそれがありません。

もしかしたら、私を異性と思っていないのかもしれません。

私もあまりイシイを異性と思っていないので、お互い様です。

そんなイシイが異性を強調させるようなバレンタインデーネタを持ち出してきました。

男のイシイは貰う側を強調しています。

しかし今日は1つも貰えなかったと嘆いていました。
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