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第3話
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「最後って?」
僕は再び聞き直した。
すると女性は、一呼吸してから話し始めた。
「私、仕事を辞めて外国へ行く事にしました」
「え?」
「突然の辞意表明だったので、会社側はなかなか承諾してくれませんでしたが、今日やっと」
「外国へ…って、もしかして彼を追いかけて、ですか?」
「簡単に言えば、そういう事です」
僕は驚いて、一瞬言葉を失った。
いつの間にそんな事になっていたのだろうか。
「…何でまた突然」
「実はこの前彼と会った時、どうしてチャンスだったのに想いを伝えなかったのか、とあなたに問われた後、ずっと考えていました。本当に何で伝えなかったのか、って」
「それは、彼が外国へ行くってわかっていたからでしょ?」
「そうですけど、でも想いを伝えるだけなら彼がどこに行こうと関係ありません」
「私は卒業した後、彼と会いたくて毎年ハンカチを持っていました。会えば想いを告白するつもりでしたから」
「なのに、いざ彼を目の前にすると、一歩前に進む事ができませんでした。高校の頃のまま」
「………」
「でもあなたのおかげで、今なら一歩踏み出せるような気がするんです」
「え?どうしてですか?僕は何も…」
「あなたに対して起こした行動一つで、こんなに未来が変わったんです。行動を起こす事が、未来を変えるという事に気づいたんです」
「今度は自分が自分の為に行動して、未来を変えたいんです。それで外国行きを決めました」
「そ、そうだったんですか」
それにしても急な話だ。
いや、急と言うわけではないか。
女性と会ってから今日まで日があった。
女性はずっと一人で、その事を考えていたのだろうから。
僕は再び聞き直した。
すると女性は、一呼吸してから話し始めた。
「私、仕事を辞めて外国へ行く事にしました」
「え?」
「突然の辞意表明だったので、会社側はなかなか承諾してくれませんでしたが、今日やっと」
「外国へ…って、もしかして彼を追いかけて、ですか?」
「簡単に言えば、そういう事です」
僕は驚いて、一瞬言葉を失った。
いつの間にそんな事になっていたのだろうか。
「…何でまた突然」
「実はこの前彼と会った時、どうしてチャンスだったのに想いを伝えなかったのか、とあなたに問われた後、ずっと考えていました。本当に何で伝えなかったのか、って」
「それは、彼が外国へ行くってわかっていたからでしょ?」
「そうですけど、でも想いを伝えるだけなら彼がどこに行こうと関係ありません」
「私は卒業した後、彼と会いたくて毎年ハンカチを持っていました。会えば想いを告白するつもりでしたから」
「なのに、いざ彼を目の前にすると、一歩前に進む事ができませんでした。高校の頃のまま」
「………」
「でもあなたのおかげで、今なら一歩踏み出せるような気がするんです」
「え?どうしてですか?僕は何も…」
「あなたに対して起こした行動一つで、こんなに未来が変わったんです。行動を起こす事が、未来を変えるという事に気づいたんです」
「今度は自分が自分の為に行動して、未来を変えたいんです。それで外国行きを決めました」
「そ、そうだったんですか」
それにしても急な話だ。
いや、急と言うわけではないか。
女性と会ってから今日まで日があった。
女性はずっと一人で、その事を考えていたのだろうから。
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