上 下
40 / 40

エピローグ

しおりを挟む
参考:伊曽保物語『下第八 鳩と蟻との事』

伊曽保物語は欧米で広く親しまれている『イソップ物語』を翻訳した仮名草子よ。

訳者は不明で、日本では元禄2年にハビアン訳で天草のキリシタン学寮から出版された『天草本伊曽保物語』が有名ね。

でもこれは本書とは内容文章に差があると言われているわ。

ちなみに仮名草子ってのは仮名や仮名交じり文で書かれた、近世文学における物語・散文作品を総称したもののことよ。

『鳩と蟻との事』は河で溺れそうになった蟻を鳩がこっそり助けてあげたお話。

その後、逆に鳩が人間に捕らえられそうになったのを蟻がこっそり助けて恩返しするの。

お互いに助けられたことには気づいてないところが後腐れなくていい感じに仕上がっているわ。

やっぱり人からされて嬉しいと感じたことは相手が気づかなくても行動を持って返すべきね。

そしてその繰り返しでそれが広がっていけば優しい世界が作られていく気がするわ。

間違っても恩を仇で返すような間違った行いはしないように気をつけたいものね。

ねぇねぇ『鳩と蟻との事』を参考にした『匿名ごっこ』って話、どうだった?

今度会った時また新たな話を教えるから暇ができたら聞きにきてよね。

約束よ。 
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...