19 / 40
18
しおりを挟む
うみちゃんは靴箱にいたけど帰る素振りはなくて、でも誰かを待っているか尋ねても曖昧な返事だった。
それからキーホルダーのことを尋ねられたんだ。
‘見つかって良かったね’と言っていた。
僕が無くしていたことを知っているみたいに。
「もしかしたら」
うみちゃんなのかもしれない。
と言うより今日1日で判断するなら、うみちゃんしかいない。
「うみちゃんかも」
言葉にすると、それが本当のような気がしてきた。
「うみちゃんって書道教室が一緒だったうみちゃん?」
「うん」
姉ちゃんもうみちゃんのことは知っている。
書道教室に通っていた頃、雨が降ったら姉ちゃんが車で送迎してくれていた。
近所だからうみちゃんも一緒に乗って帰ったことがある。
姉ちゃんの運転は荒いから、申し訳ない気がしたけど。
「僕、学校でキーホルダーを無くしたことを誰にも言ってなかったんだけど、帰り際うみちゃんにそれ見つかって良かったねって言われたんだ」
僕は帰り際のやり取りを姉ちゃんに説明した。
説明していく上で、やっぱり拾ってくれた人はうみちゃんだという思いが強くなっていった。
「それ、きっとうみちゃんが拾い主よ」
「姉ちゃんもそう思う?」
「他に登場人物がいないからってのもあるけど、うみちゃんの言動は疑わしいわ」
「うみちゃんだったら直接僕に渡してくれそうなのに」
「うみちゃんはこうたがわざとキーホルダーを捨てたかもって思ったんでしょ?ありがた迷惑なことをしちゃったかもって思ってるよ」
「僕迷惑だなんて言ってないよ。でも親切な人が拾ってくれたって言っても、それが自分だって言ってくれなかった。姉ちゃんはうみちゃんで合ってると思う?」
「私はうみちゃんだと思うけど」
「うみちゃんにお礼を言って違うって言われたら嫌だし、でも拾ってくれたお礼は言いたいし、うーんどうしよう」
うみちゃんが拾ったのは自分だって言ってくれたらいいのに。
隠す理由って何だろう?
それほど知られたくないってことなのかな?
それからキーホルダーのことを尋ねられたんだ。
‘見つかって良かったね’と言っていた。
僕が無くしていたことを知っているみたいに。
「もしかしたら」
うみちゃんなのかもしれない。
と言うより今日1日で判断するなら、うみちゃんしかいない。
「うみちゃんかも」
言葉にすると、それが本当のような気がしてきた。
「うみちゃんって書道教室が一緒だったうみちゃん?」
「うん」
姉ちゃんもうみちゃんのことは知っている。
書道教室に通っていた頃、雨が降ったら姉ちゃんが車で送迎してくれていた。
近所だからうみちゃんも一緒に乗って帰ったことがある。
姉ちゃんの運転は荒いから、申し訳ない気がしたけど。
「僕、学校でキーホルダーを無くしたことを誰にも言ってなかったんだけど、帰り際うみちゃんにそれ見つかって良かったねって言われたんだ」
僕は帰り際のやり取りを姉ちゃんに説明した。
説明していく上で、やっぱり拾ってくれた人はうみちゃんだという思いが強くなっていった。
「それ、きっとうみちゃんが拾い主よ」
「姉ちゃんもそう思う?」
「他に登場人物がいないからってのもあるけど、うみちゃんの言動は疑わしいわ」
「うみちゃんだったら直接僕に渡してくれそうなのに」
「うみちゃんはこうたがわざとキーホルダーを捨てたかもって思ったんでしょ?ありがた迷惑なことをしちゃったかもって思ってるよ」
「僕迷惑だなんて言ってないよ。でも親切な人が拾ってくれたって言っても、それが自分だって言ってくれなかった。姉ちゃんはうみちゃんで合ってると思う?」
「私はうみちゃんだと思うけど」
「うみちゃんにお礼を言って違うって言われたら嫌だし、でも拾ってくれたお礼は言いたいし、うーんどうしよう」
うみちゃんが拾ったのは自分だって言ってくれたらいいのに。
隠す理由って何だろう?
それほど知られたくないってことなのかな?
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる