61 / 85
第三章
第七部分
しおりを挟む
「将軍が暴れているぞ!」
通行人が大きな声を出した。辺りに人が集まって来る気配がした。
「えっ?上様がシビレを切らしてアバズレてる~?」
驚いたH前のアバズレ印象は、言い得て妙かもしれない。
御台もびっくりして、H前と一緒に外にダッシュ。
「ガ~ン、ホントに上様が騒動を起こしてるよ~。」
十二単女子が子供を捕まえて、首を絞めていた。
「ノラネコをイジメちゃダメにゃ!でも気持ちいいにゃ。動物をイジメてくれたおかげで、こうして白昼堂々と、子供に愛のムチを向けられるにゃ。至福にゃ。」
「「あれは、ネコ将軍!」」
御台とH前が同時に指差した。両者は本気で驚いている。
「やめろ!そんなの愛じゃない。子供を虐待するなんで、将軍の風上にも置けない行為だぞ!」
「どうしてこんなところにネコ将軍が来てるんだ?」という疑問を呈する前に、綱吉を非難し、子供を庇った御台。
「もう子供は離したにゃ。ツナはたまたまここを通りかかっただけにゃ。」
この隙を見て、H前は吉宗にメールを送り、吉宗はすぐさま、家に侵入して、御台妹の部屋に押し入った。妹は依然としてスヤスヤと眠っていた。
「なかなかいい寝顔ねえ。布切れ王子に似てて、ちょっと食べちゃいたいわ。じゅる。なんて、やってる場合じゃないわね。魔法、魔法っと。うっ。アタシ、魔法のかけ方なんて知らないわ。いったいどうしたらいいのかしら。」
慌てて、H前にメールで指導を仰ぐ吉宗。
『魔法の使い方とか、あたしが知るわけないよ~。早く魔法発動しないと~。』
「でもどうやって?こういう時は真の魔法使いなら、思うがままにやれば使えるものだにゃ。」
吉宗とH前のライン通信に、綱吉が唐突に絡んできた。
「どうしてネコ将軍が入ってくるのよ?」
『ツッコむヒマはないにゃ。』
「わかったわ。直感頼りだけど、これがしっくりくるわ。三ツ葉クローバー軍配、アタシに力を貸して!」
吉宗は髪留めの軍配型リボンを取り出して、御台妹の前で左右に振った。すると、小さな無数の三ツ葉クローバーが妹に降り注いで、布団の上から体全体を包み込み、サーッと消えた。
通行人が大きな声を出した。辺りに人が集まって来る気配がした。
「えっ?上様がシビレを切らしてアバズレてる~?」
驚いたH前のアバズレ印象は、言い得て妙かもしれない。
御台もびっくりして、H前と一緒に外にダッシュ。
「ガ~ン、ホントに上様が騒動を起こしてるよ~。」
十二単女子が子供を捕まえて、首を絞めていた。
「ノラネコをイジメちゃダメにゃ!でも気持ちいいにゃ。動物をイジメてくれたおかげで、こうして白昼堂々と、子供に愛のムチを向けられるにゃ。至福にゃ。」
「「あれは、ネコ将軍!」」
御台とH前が同時に指差した。両者は本気で驚いている。
「やめろ!そんなの愛じゃない。子供を虐待するなんで、将軍の風上にも置けない行為だぞ!」
「どうしてこんなところにネコ将軍が来てるんだ?」という疑問を呈する前に、綱吉を非難し、子供を庇った御台。
「もう子供は離したにゃ。ツナはたまたまここを通りかかっただけにゃ。」
この隙を見て、H前は吉宗にメールを送り、吉宗はすぐさま、家に侵入して、御台妹の部屋に押し入った。妹は依然としてスヤスヤと眠っていた。
「なかなかいい寝顔ねえ。布切れ王子に似てて、ちょっと食べちゃいたいわ。じゅる。なんて、やってる場合じゃないわね。魔法、魔法っと。うっ。アタシ、魔法のかけ方なんて知らないわ。いったいどうしたらいいのかしら。」
慌てて、H前にメールで指導を仰ぐ吉宗。
『魔法の使い方とか、あたしが知るわけないよ~。早く魔法発動しないと~。』
「でもどうやって?こういう時は真の魔法使いなら、思うがままにやれば使えるものだにゃ。」
吉宗とH前のライン通信に、綱吉が唐突に絡んできた。
「どうしてネコ将軍が入ってくるのよ?」
『ツッコむヒマはないにゃ。』
「わかったわ。直感頼りだけど、これがしっくりくるわ。三ツ葉クローバー軍配、アタシに力を貸して!」
吉宗は髪留めの軍配型リボンを取り出して、御台妹の前で左右に振った。すると、小さな無数の三ツ葉クローバーが妹に降り注いで、布団の上から体全体を包み込み、サーッと消えた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
人間だった竜人の番は、生まれ変わってエルフになったので、大好きなお父さんと暮らします
吉野屋
ファンタジー
竜人国の皇太子の番として預言者に予言され妃になるため城に入った人間のシロアナだが、皇太子は人間の番と言う事実が受け入れられず、超塩対応だった。シロアナはそれならば人間の国へ帰りたいと思っていたが、イラつく皇太子の不手際のせいであっさり死んでしまった(人は竜人に比べてとても脆い存在)。
魂に傷を負った娘は、エルフの娘に生まれ変わる。
次の身体の父親はエルフの最高位の大魔術師を退き、妻が命と引き換えに生んだ娘と森で暮らす事を選んだ男だった。
【完結したお話を現在改稿中です。改稿しだい順次お話しをUPして行きます】
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる