不幸を嘆く牢獄の盲目魔法少女に願いを

第三章

第四部分

ウィンピアの方は人間が来ただけでも警戒し、しかも変な感じにビビっていた。
（やった作戦成功！）と喜ぶ美保詩。しかし、美保詩はすぐに眉間に力を込めた。
（喜んでる場合じゃないよ。次に魔法少女は誰なのかと見定めないとね。）
美保詩は康人のこと以外については、慎重派であった。
一方、エリザベスは美保詩に興味を示さず、メラニアは、牢屋人材有効活用の目線で美保詩のからだの線をなめるように見ていた。
「ゾゾっ！この野獣のような目線は何？きっと、これが魔法少女の強烈なオーラなんだ！魔法少女って、ガチユリなのかな？コワイよ～！」
美保詩は慎重派ながらも、康人への気持ちに象徴されるように、思い込みの激しさは残念な天下一品である。
美保詩は部屋の中に入った。
「ここがほしのポジションなんだね。こちらこそ、ヨロシクお願いします！」
 美保詩は、まだ残されていた雛壇の重ね座布団にちょこんと座った。
「なんなんだべ、この無礼者は！メラニア、サバキをくだすべ。」
メラニアは軽く頷くと、美保詩の前に立った。
現在の人員配置図。
ウィンピアは隅っこでブルブル。やはり魔法少女服を身に付けているのであるが、美保詩の魔法少女探索ソナーには無反応であった。
ケバ金満のエリザベスは、はしたなくもマタを開いて、真ん中のソファーにどっかと腰を据えている。
メラニアは、美保詩の手をしっかりと握った。
(魔法少女がほしの手を取ったよ。魔法少女はやっぱりガチユリだったよ！)
美保詩はビビったが、魔法少女にお願いをするには、ある程度はガマンしないと仕方ないと、諦めた。
（メラニアさんに、魔法少女なのか、ちゃんと聞きたいけど、そんなことをすると、気分を害して、願いを聞いてくれないかもしれないよね。）
推定魔法少女メラニアを前にして、美保詩は慎重になっていた。