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第一章

第六十二部分

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ゆめと緋景はゆり女神として神格化されるまでになった。それを面白くないと思う女子がひとり。
「ムムム。ゆめのヤツ、うりに何の断りもなく、自分を売りやがって。許せないのだ。」
ゆめは近寄る女子捌きで手一杯になり、楼里との時間と距離が遠退いた。今度は楼里が女子を食い始めた。
「ロリゆり、かわいい!」
楼里は、特定シュミの女子にウケて、かなりの人気を得た。ある程度人気が高まると、特定シュミではなかった女子たちも楼里をつまみ食い始めた。
「ほらほら見たか、ゆめ。うりはモテモテなのだ。うりを放置した罰なのだ。」
楼里が女子にからんでいる姿、実際は楼里が女子に弄ばれているのだが、ゆめはその様子をじっと見つめて、唇を噛んでいた。
「ゆめのヤツ、うりに嫉妬しているのだ、しめしめなのだ。」
楼里は喜んで、さらに女子を食っていった。しかし、ゆめは悔しげな素振りを見せるだけで、楼里へ近づくことはしなかった。
おいしいものでも毎日食べていると、必ず飽きてくる。ましてや、そんなに好きでもないものであれば尚更である。
「うりはいったい何をしてたのだ。うりが好きなのは誰なのだ?ゆめのことが好きなのか?いや、いったい誰が好きでこんなことをやってたんだっけ?思いだせないのだ~。」
楼里は混乱して、何か行動しようにも、手がつかない状態に陥ってしまった。
ゆめはそんな楼里の様子を見て、いつもとはまったく違い、頬の筋肉を固くしていた。
「あたしは洗脳されたフリをしたのよ。この気持ちは楼里にわかったかしら。いや伝わったかしら。」
ゆめは、敵である楼里を元に戻そうとした。結果はうまくいった。しかし心中は複雑だった。
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