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第一章
第五十一部分
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『アナログ魔法使いを完全に排除するために、生徒会長選挙を公明正大に実施するのだ。』
もはやBGMと化している楼里の校内放送への反応は冷ややかであった。
「選挙?多少は美南楼里の分断による支援者がいるものの、大勢には影響ないという見方が普通じゃないの。」
選挙は生徒の投票者数で決まるのだから当然である。
アナログ魔法派は、現会長の鳴志司を候補者とし、ゆめと緋景も鳴志司を応援した。
楼里を応援団は勝ぢ組だけ。選挙対策本部は楼里が占拠している放送部だつたが、敗色濃厚な空気で充満していた。その濁った空気を吸い込んだ楼里は非常に不機嫌だった。
一部の反対派がSNSで、事前の選挙予想を流した。情勢は、鳴志司派が圧倒的に有利、有効投票数の9割を占めるというものだった。
これは、さらに投票行動の流れを引き寄せることを狙った。念には念を入れたものである。
「この選挙はおかしいのだ。高校の生徒会長選挙に、郵便投票があるなんて、信じられないのだ。そんなのは、不正の温床に決まっているのだ。」
楼里は選挙管理委員会に選挙のやり方にクレームをつけたが、不登校や病気の生徒がいる以上、郵便投票は認めないわけにはいかないと、却下された。
楼里の機嫌は大雨のままで、投票当日を迎えた。
選挙管理委員会は校庭に出て、外から巨大スピーカーを使って、校内放送を始めた。
『せ、選挙結果を発表します。候補者はふたりでした。まずは次点の発表です。滝登鳴志司さんでした。選挙結果は以上です。トホホのホ。』
紫水晶学園全体が一斉にフリーズした。
大沈黙は3分間継続した。
「えええっ~!?」「嘘だ!」「何かの間違いだ!」「超絶不正があったんだ!」
ブーイングハリケーンが吹き荒れて、学校の壁にヒビが入った。
「今度はあちらから不正があると訴えるとは、歴史は繰り返すなのだ。」
廊下の陰に隠れている楼里は鼻を膨らませながら、述懐するように呟いた。
意味はわかるが、楼里政権樹立反対派からの不正主張は初めてであるから、言葉の使い方としては正しくない。
連邦裁判所ならぬ選挙管理委員会は、不正の事実は発見できなかったとして、反対派の提訴をあっさりと却下した。
もはやBGMと化している楼里の校内放送への反応は冷ややかであった。
「選挙?多少は美南楼里の分断による支援者がいるものの、大勢には影響ないという見方が普通じゃないの。」
選挙は生徒の投票者数で決まるのだから当然である。
アナログ魔法派は、現会長の鳴志司を候補者とし、ゆめと緋景も鳴志司を応援した。
楼里を応援団は勝ぢ組だけ。選挙対策本部は楼里が占拠している放送部だつたが、敗色濃厚な空気で充満していた。その濁った空気を吸い込んだ楼里は非常に不機嫌だった。
一部の反対派がSNSで、事前の選挙予想を流した。情勢は、鳴志司派が圧倒的に有利、有効投票数の9割を占めるというものだった。
これは、さらに投票行動の流れを引き寄せることを狙った。念には念を入れたものである。
「この選挙はおかしいのだ。高校の生徒会長選挙に、郵便投票があるなんて、信じられないのだ。そんなのは、不正の温床に決まっているのだ。」
楼里は選挙管理委員会に選挙のやり方にクレームをつけたが、不登校や病気の生徒がいる以上、郵便投票は認めないわけにはいかないと、却下された。
楼里の機嫌は大雨のままで、投票当日を迎えた。
選挙管理委員会は校庭に出て、外から巨大スピーカーを使って、校内放送を始めた。
『せ、選挙結果を発表します。候補者はふたりでした。まずは次点の発表です。滝登鳴志司さんでした。選挙結果は以上です。トホホのホ。』
紫水晶学園全体が一斉にフリーズした。
大沈黙は3分間継続した。
「えええっ~!?」「嘘だ!」「何かの間違いだ!」「超絶不正があったんだ!」
ブーイングハリケーンが吹き荒れて、学校の壁にヒビが入った。
「今度はあちらから不正があると訴えるとは、歴史は繰り返すなのだ。」
廊下の陰に隠れている楼里は鼻を膨らませながら、述懐するように呟いた。
意味はわかるが、楼里政権樹立反対派からの不正主張は初めてであるから、言葉の使い方としては正しくない。
連邦裁判所ならぬ選挙管理委員会は、不正の事実は発見できなかったとして、反対派の提訴をあっさりと却下した。
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