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第一章

第四十九部分

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『今後、生徒は、男女交際並びにカップルとなることを禁止するのだ。不純異性交遊などはもっての他なのだ。アナログ魔法使いからカップルができて、将来結婚となるのを防ぐためなのだ。これをアナログ魔法使い、撲滅運動と呼ぶのだ。本来は、一気呵成にアナログ魔法使いを抹殺してもいいのだが、激変緩和措置で、地球にやさしい校則なのだ。』
「以上なのだ。校則の文面にしては、口語体ではないか、というツッコミは受付しないのだ。」
そう言われると、誰もモノが言えなくなってしまった。
「これは学校側も了承しているのだ。もちろん学校とは、MFS高校であり、紫水晶学園にもはや自治は存在しないのだ。」
「なんて、ひどい話なの?」
ゆめが即座に反応した。つかさと緋景も同じような顔を見せている。
ゆめたちの感情を逆撫でするように、楼里は続けた。
「紫水晶学園(もはや仮)の校内分断実現のために、生徒会長になることを誓うのだ。ワハハハ~!」
生徒会室に、鳴志司が静かに入ってきた。すぐさま、緋景が百姓一揆でも起こさんばかりに、鳴志司に声を飛ばした。
「お兄様はご存じですの、こんなひどい校則のことを!」
鳴志司は視線を下げて、緋景から眼を逸らした。だが、視界の片隅に緋景の姿は映っていた。
「当然知ってるのだ。うりから事前にこまかくきちんと説明してあるからなのだ。」
楼里は鳴志司をこれみよがしにガン見した。
鳴志司は遠慮がちに小さく頷いた。
禁止カップルを校内同士に限定している。それは兄妹はよしとするという意味になる。だから鳴志司は校則追加を認めたのである。
「校則は今から適用されるのだ。」
幼女的甲高い声が校内放送で流された。
追加校則が発表されて、学校ではひと騒ぎになる。しかし、一見何の監視体制もない。
「なぁ~んだ。じゃあ、彼と引続き付き合っても問題ないじゃない。」
こう発言したモブカップルは、以後不登校になった。
アナログ魔法使いである女子生徒たちから、これはデジタル魔法で監視されている結果だという噂が広まっていた。
楼里は校内放送で明言した。
「アナログ魔法使いによる噂は真実なのだ。全校生徒に知らしめるには、理屈よりも実践を選択したのだ。」
「部外者による恐怖政治だ!」
一部の生徒たちは生徒会を、楼里を非難した。その生徒たちはことごとく不登校となり、誰も楼里を批判することはなくなった。
つかさと緋景は追加校則とは無関係に、疎遠になっていた。生徒会としてのただのメンバーになっていた。
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