50 / 73
第一章
第四十九部分
しおりを挟む
『今後、生徒は、男女交際並びにカップルとなることを禁止するのだ。不純異性交遊などはもっての他なのだ。アナログ魔法使いからカップルができて、将来結婚となるのを防ぐためなのだ。これをアナログ魔法使い、撲滅運動と呼ぶのだ。本来は、一気呵成にアナログ魔法使いを抹殺してもいいのだが、激変緩和措置で、地球にやさしい校則なのだ。』
「以上なのだ。校則の文面にしては、口語体ではないか、というツッコミは受付しないのだ。」
そう言われると、誰もモノが言えなくなってしまった。
「これは学校側も了承しているのだ。もちろん学校とは、MFS高校であり、紫水晶学園にもはや自治は存在しないのだ。」
「なんて、ひどい話なの?」
ゆめが即座に反応した。つかさと緋景も同じような顔を見せている。
ゆめたちの感情を逆撫でするように、楼里は続けた。
「紫水晶学園(もはや仮)の校内分断実現のために、生徒会長になることを誓うのだ。ワハハハ~!」
生徒会室に、鳴志司が静かに入ってきた。すぐさま、緋景が百姓一揆でも起こさんばかりに、鳴志司に声を飛ばした。
「お兄様はご存じですの、こんなひどい校則のことを!」
鳴志司は視線を下げて、緋景から眼を逸らした。だが、視界の片隅に緋景の姿は映っていた。
「当然知ってるのだ。うりから事前にこまかくきちんと説明してあるからなのだ。」
楼里は鳴志司をこれみよがしにガン見した。
鳴志司は遠慮がちに小さく頷いた。
禁止カップルを校内同士に限定している。それは兄妹はよしとするという意味になる。だから鳴志司は校則追加を認めたのである。
「校則は今から適用されるのだ。」
幼女的甲高い声が校内放送で流された。
追加校則が発表されて、学校ではひと騒ぎになる。しかし、一見何の監視体制もない。
「なぁ~んだ。じゃあ、彼と引続き付き合っても問題ないじゃない。」
こう発言したモブカップルは、以後不登校になった。
アナログ魔法使いである女子生徒たちから、これはデジタル魔法で監視されている結果だという噂が広まっていた。
楼里は校内放送で明言した。
「アナログ魔法使いによる噂は真実なのだ。全校生徒に知らしめるには、理屈よりも実践を選択したのだ。」
「部外者による恐怖政治だ!」
一部の生徒たちは生徒会を、楼里を非難した。その生徒たちはことごとく不登校となり、誰も楼里を批判することはなくなった。
つかさと緋景は追加校則とは無関係に、疎遠になっていた。生徒会としてのただのメンバーになっていた。
「以上なのだ。校則の文面にしては、口語体ではないか、というツッコミは受付しないのだ。」
そう言われると、誰もモノが言えなくなってしまった。
「これは学校側も了承しているのだ。もちろん学校とは、MFS高校であり、紫水晶学園にもはや自治は存在しないのだ。」
「なんて、ひどい話なの?」
ゆめが即座に反応した。つかさと緋景も同じような顔を見せている。
ゆめたちの感情を逆撫でするように、楼里は続けた。
「紫水晶学園(もはや仮)の校内分断実現のために、生徒会長になることを誓うのだ。ワハハハ~!」
生徒会室に、鳴志司が静かに入ってきた。すぐさま、緋景が百姓一揆でも起こさんばかりに、鳴志司に声を飛ばした。
「お兄様はご存じですの、こんなひどい校則のことを!」
鳴志司は視線を下げて、緋景から眼を逸らした。だが、視界の片隅に緋景の姿は映っていた。
「当然知ってるのだ。うりから事前にこまかくきちんと説明してあるからなのだ。」
楼里は鳴志司をこれみよがしにガン見した。
鳴志司は遠慮がちに小さく頷いた。
禁止カップルを校内同士に限定している。それは兄妹はよしとするという意味になる。だから鳴志司は校則追加を認めたのである。
「校則は今から適用されるのだ。」
幼女的甲高い声が校内放送で流された。
追加校則が発表されて、学校ではひと騒ぎになる。しかし、一見何の監視体制もない。
「なぁ~んだ。じゃあ、彼と引続き付き合っても問題ないじゃない。」
こう発言したモブカップルは、以後不登校になった。
アナログ魔法使いである女子生徒たちから、これはデジタル魔法で監視されている結果だという噂が広まっていた。
楼里は校内放送で明言した。
「アナログ魔法使いによる噂は真実なのだ。全校生徒に知らしめるには、理屈よりも実践を選択したのだ。」
「部外者による恐怖政治だ!」
一部の生徒たちは生徒会を、楼里を非難した。その生徒たちはことごとく不登校となり、誰も楼里を批判することはなくなった。
つかさと緋景は追加校則とは無関係に、疎遠になっていた。生徒会としてのただのメンバーになっていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
47歳のおじさんが異世界に召喚されたら不動明王に化身して感謝力で無双しまくっちゃう件!
のんたろう
ファンタジー
異世界マーラに召喚された凝流(しこる)は、
ハサンと名を変えて異世界で
聖騎士として生きることを決める。
ここでの世界では
感謝の力が有効と知る。
魔王スマターを倒せ!
不動明王へと化身せよ!
聖騎士ハサン伝説の伝承!
略称は「しなおじ」!
年内書籍化予定!
異世界転移したら、死んだはずの妹が敵国の将軍に転生していた件
有沢天水
ファンタジー
立花烈はある日、不思議な鏡と出会う。鏡の中には死んだはずの妹によく似た少女が写っていた。烈が鏡に手を触れると、閃光に包まれ、気を失ってしまう。烈が目を覚ますと、そこは自分の知らない世界であった。困惑する烈が辺りを散策すると、多数の屈強な男に囲まれる一人の少女と出会う。烈は助けようとするが、その少女は瞬く間に屈強な男たちを倒してしまった。唖然とする烈に少女はにやっと笑う。彼の目に真っ赤に燃える赤髪と、金色に光る瞳を灼き付けて。王国の存亡を左右する少年と少女の物語はここから始まった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる