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プロローグ

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「カメサマ、カメサマ。あたし、赤空ゆめの願いを聞いてください。」
 これは『神様への願い』とはビミョーに異なる中学三年生のお祈りである。
「イケメンなカメ星人王子とデートしたいんです。あたしには今、付き合ってる男子がいますけど、理想と全然違うんです。恋は魔法ではどうしようもないんです。禁断の方法があるというウワサは聞いたことがあるけど、あたしには到底使えません。ですから、どうか、あたしの切なる願いを叶えてください!・・・。」

「赤空さん、赤空さん!今は授業中ですよ。また変な妄想に耽っていたのですか?」
「はっ。まだ学校だった。ごめんなさい~!」
 立ち上がった赤空ゆめは、顔を真っ赤にして、しなびた朝顔の花のように。古い椅子に座った。
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