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第二章

第三十八部分

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「医療器具で遊ぶんじゃないよ~。おもちゃじゃないんだよ~。」
「でもオトナが使うオモチャですわよ。」
「紛らわしい言い方をするんじゃないよッ。このこの!」
かつえは、自分の聴診器で、日吉の頭を殴っている。ベルはかなり固く、日吉は額から流血している。
「どうしてウチを殴るんや。やるなら、危蝶やろ!」
「羽柴さんのアタマの方がなぐりやすいからだよ。それに月見団子みたいにキレイじゃないだろ、もっと羽柴さんのは汚れてるはずだよ。」
「ウチは誰にもハズカシメを受けたことないわ!でもその攻撃は大したことないで。」
日吉は強がりの視線をかつえに剥き出した。
「それは好都合。こんなんじゃ、気がすまないよ。こうしてくれる!」
かつえは聴診器のチューブを強引に引き伸ばして、ロープのように、ぎゅんぎゅん振り回した。大量のたい焼きは、脆くも窓から飛ばされてしまった。
「これでええんや。光秀奈も参戦可能になったで。ウチを助けてくれや!」
「日吉、わざと攻撃を受けたんだ。ならばあたしも期待に応えるよ、友達だからねっ!」
「ワタクシが用意したたい焼きが台無しですわ。もう許しませんことよ!」
「たい焼きなんて、こんなところに持ってこないでよ!」
四人が文字通り、組みつほぐれつの大バトルになってしまった。
「この大老クソババア!」「ギャグ滑り台、ジェットコースター!」「アルティメット存在感ゼロ戦撃墜王!」「蛾蛾蛾ウンコ!」 
言葉の意味を理解し難い罵声も、飛び交っていた。
「喝!!」
「「「「ハッ!」」」」
信永が珍しく大きな気合いで、入室すると、四人は瞬時に会議用テーブルに着いた。
喧騒の暴風雨が吹き荒れていた生徒会室には、一気に静寂が訪れた。
「ちょっと着替えて参りますわ。」
危蝶は信永に深々と礼をして、一旦生徒会室を後にした。危蝶の厳かさに、回りも修行僧のように沈黙した。

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