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第二章

第十一部分

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次の日、日吉はビタミン不足なのか、朝からひどく不機嫌だった。
「どうしたの、何か悪いものでも誰かに食べさせた?」
「食べた方がおかしくなるやろが!もうええわ。何でもないんやから。」
日吉は意外にも、光秀奈が元気に帰ってきたことにイラついていたのである。麻酔を使ったが副作用もないように見えることが、苛立ちに拍車をかけていた。
しかし、それ以上に日吉を苛つかせていたことが他にあった。
「じゃあ、あたし、生徒会に行ってくるね。」
「どうしてウチは生徒会におらへんのや。芸人の風上にも置けない光秀奈でさえ、毎日生徒会の敷居を跨いで、股にかけて、マタニティーになってるいうのに。」
断じて、光秀奈はマタニティーになるような行為をしてはいない、念のため。

その頃、生徒会では、信子会長がメンバーを前にして大きな声を出していた。
偶然、光秀奈のスカートがめくれて、信永の視界に入ったからである。
信永はオカマモード状態では、まともな生徒会長言動はできていなかった。
「アタシたち、生徒会の人気を集めなければならないわよん。生徒にいろいろ指示することは可能だけど、生徒と気持ちをひとつにして走ることこそ、学校を繁栄させる道ですよん。」
冒頭から男子声をムリに低くしたオカマモード。
「キモい!やめて~!」
「仕方ないねえ。信子様に変えたばかりだけど、気持ち悪いのは、おねいさんも同じだからね。」
かつえが胸のサクランボほくろを見せると信永が復活した。オカマモードになった原因ほくろとは別のほくろが見えると、元に戻るらしい。
「人気を集めるためには、新たな役員を募集する必要がある。しかし生徒会入会には理事の推薦が必要、すなわち金持ちしかなれない。」 
「えっ?すると、あたしはどうして生徒会に入れたの?」
「それはおねいさんが回答するよ。織田石油グループ連結企業にゆかりのある者は大丈夫なのさ。入学だけでなく、生徒会への入会も優遇されてるんだよ。」
「そうなんだ。良かった、・・・のかな?」
「人気を集めるには、エンタメ関係者がいるといいんだがな。」
『チラッ。』
信永はなぜか光秀奈に視線を向けた。ノーマルモードの信永なのだが、微妙にオカマ的な視線であり、少々色っぽい。
それを見たかつえはわずかにムッとして、首を高くした。
「じゃあ、生徒会エンタメ役員を募集するよ、ポンポン。」
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