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第二章

第二十四部分

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会長はいつの間にか、白く薄い絹のような生地のゆったりした羽衣を身に纏っていた。背中には純白の羽根が生え、頭からは輪が浮かんでいる。ネコさんパンツが透けて見えている。
「いやん。」
慌てて、パンツのところを覆い隠したトリス会長。
「大天使、復活じゃ!ちょっと恥ずかしいけど。」
ひとりで騒いでいる合体会長を尻目に、すでに他の5人は揃っていた。
「やりましたわ!元に戻りましたわ!」
「からだがある!現状復帰できることがこんなに幸せだとは。わたし、太陽に熱射されて重度熱中症で死んでもいい。悪魔合体よりマシ。」
悪魔合体の方がいいに決まっている。死ぬワケでもない。しかし、湖線、光葉は手放しで、合体解除を喜んでいた。
「パンツが甦ったじゃん!」
「パンツ、下半身復帰、祝いめでた!」
こちらのふたりは、制服のスカートを翻してパンツ回帰にはしゃいでいる。

一方、トリス会長と鰯司が真面目な顔つきで、会談中である。
「トリス会長、お姿が真っ白で、まるでホワイト天使みたいですよ。」
取りあえず鰯司がツッコミした。
「妾はただのトリス会長ではない。妾は悪魔女王でもない。天使じゃ。
まさか、うそじゃん。天使なんて人間が悪魔を憎んで空想してる、極楽みたいなものじゃん。
そうではない。妾は魔界に戻って、鰯司の刺激を受けて思い出したんじゃ。妾は本来天使じゃった。それが数億年前の悪魔との戦いで封印されたのじゃ。その封印のされ方こそ、悪魔女王としてじゃった。悪魔側は、妾との休戦の条件として、妾から天使としての記憶を消し去る代わりに、悪魔女王に据えて、魔界を統治させたのじゃ。妾の天使部分は心の奥底に眠らされた。それを呼び覚ますことができるのは、光と直線を持った妖精だけじゃ。」
「まさか、その妖精が僕だと?」
「そうじゃ。そちは天使復活のカギである妖精じゃ。本来の姿を妾に見せてみよ。」
「うわあ。僕がどうして、こんな恥辱的なコスプレをしないといけないんだ!」
鰯司はトリス会長と同じような羽衣と羽根を着けているが、下半身から白鳥の首が長々と反り返っている。
「いいぞ、いいぞ。妾はパンツ透けが恥ずかしいが、そちは白鳥の首に心を削られるであろう。それがシンクロした時、新たな世界が訪れるのじゃ。これぞ、天使合体!」
『ピカピカピカピカッ!』
これまで見たことのないような光沢の嵐で、生徒会全員が視界を失った。
トリス会長は合体して、気が大きくなったのか、ふんぞり返っている。
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