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第二章

第七部分

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「でもトリス会長はちっちゃいから、そのちょうちんブルマ、似合ってますよ。」
「ちっちゃいだと!バカにするな!」
トリス会長は頬を紅潮させている。
「貴様、妾のどこが小さいと認識しておる。」
鰯司はトリス会長を見下ろした。視線は全身に浴びせられたが、見られた方の意識は、どうしても自分の気にしている部分に集結してしまう。
「鰯司。妾の身長が低いというだけでなく、胸までちっちゃいと、愚弄したな。もうぜったいに許さんぞ!」
「いや、身長は平均には届かないかなと思いましたけど、胸までは。」
「そんなのが言い訳になるか。さあ、早く目的の地下に行ってお仕置きじゃ!」
トリス会長は鰯司の手を引っ張って、ずんずんと小柄ながら大股で進んでいく。
「結局、行き先は同じなのではないですか?」
「それはその通りじゃ。」
「何なの、このムダ会話!でもちっちゃい子には、ちょうちんブルマって似合ってかわいいと思うんだけど。」
『ピクッ。』
トリス会長の耳が反応して、歩ゆみがピタッと止まった。
(か、かわいいだと?)という言葉を吐き出しそうになったが、トリス会長は飲み込んで、再び動き出した。
妾の本当の気持ちはわかるまい。妾はちょうちんブルマの醜いフォルムが嫌なだけではない。ちょうちんブルマでは、いざという時に、男子が幻滅し、まともな恋愛ができないと考えているからなんじゃ。ちょうちんブルマとパンツを比べて男子はどちらを見て性的欲求を満足させるか、見ると一目瞭然じゃ。光線とは恋愛に当てる光とまっすぐな気持ちのこと。魔界にはそれが著しく欠けておる。だから、みんな魔界の外に出たがる。妾や副会長たちだけじゃないんじゃ。
トリス会長はネガティブな気分になると、いつもこの思考をリフレインして、さらに深みにハマるのであった。
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