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第一章

第五十一部分

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「肉体でハンディを負っていることは考慮しないといけない。だから、査定はイーブンとするじゃん。」
「だったら、始めからゲームの意味がありませんわ!」
「だからこそ、鰯司のハートブレークがポイントになるってわけだしぃ。」
「それなら仕方ありませんわね。ではそちらの査定はどうなるんですの?」
そこには、明日萌がしゃしゃり出てきた。
「最終結果、鰯司、死んだ、だから、ドロー。みんなの協力、スゴかった。以上。」
「「「なんじゃそりゃ!」」」
こうして第2ゲームは、無事ではないが、終了した。無論鰯司の心臓は仮死状態からほどなく現世に復帰した。

「体育大会の定番と言えば、パン食い競争じゃね?ということで、ラストゲームは、パン食い競争をやっちゃうよぉ。パチパチ。」
ひとりでテンションを上げる紅麗。場所は100メートルトラックである。
「ここに鰯司を3人用意した。」
「何気に異常なことを言ってるよ!」
光葉が順番の決められた役割分担のようにツッコミした。
『ギギギ』という音を立てながら、鉄棒が明日萌によって引っ張られてきた。からだの割にパワフルである。
「本当に鰯司さんが吊られてますわ、それも3体、色違いで!」
鰯司はパン食い競争のパンそのままに、透明な袋に入れられた状態で、吊られている。体操服姿の鰯司は、顔や手足など、露出している部分が赤、青、黄色の原色であり、不気味にさえ見える。
『キラキラ、キラキラ。』
まっすぐに吊られて、パンの袋が反射してから美しく輝いている。本来なら湖線と光葉は近寄れないシチュであるが、吊られているのが、鰯司であり、競争するのに、まったく問題ない状態である。
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