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第一章

第三十七部分

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「たぶん、魚のエイをプールに放して、一緒に生徒を泳がせて、拷問するという課題なんだろう。」
「さすが、成績ツートップですね。でも生徒を拷問するなんて、学校ができると思いますか。学校による生徒のイジメとして、警察に通報されてしまいます。寒いプールに行くこともありません。テスト会場はこの教室ですから。」
「「ホッ。」」
ふたりは担任の言葉を聞いて内心、安堵した。この学校は何をやってくるかわからないと、疑心暗鬼になっていたからである。
「どっこいしょっと。」
担任は白い箱をふたつ、教壇に置いた。上部には片手が入る大きさの丸が書かれているが、中身が見えないように、円錐形に切り目が入っている。
「さあ、テストは簡単です。この切り目に手を入れて、嬰児がホンモノかどうかを確認するだけです。」
「嬰児!?それって、まさかとは思うけど、に、に、ニンジン」
「そうそう、ビタミンAが豊富な野菜です、なんかじゃありません。人間の嬰児です。触り方を間違えると、死にます。とてもデリケートです。でも嬰児だけではつまらないと思いませんか。そこで、もう少しテストらしくハードルを上げました。」
「箱はふたつあります。ひとつには嬰児が入っています。もうひとつには、嬰児よりも前段階のものが用意されています。」
「それって、ワタクシは知識としてしか知りませんが、まさか、生ぬるい水にまみれているという標本が生物実験室に置いてあるに柔らかい、おひたしのこと!?」
「そうです。専門用語では胎児と表現します。ホンモノかどうかの真の意味とはコレのこと。つまり嬰児か胎児を触って確認するテストです。最終戦には持ってこいの課題だと担任は思料します。」
「学校がそんなことやっていいんですの?」
「問題ありません。生物の実験として、文部科学者が認めています。テストを受けたくなければリタイア可能です。」
ひとりだったら受けないテスト。しかしライバルがそばにいる。群集心理とは異なるが、獣よりも弱い人間は孤独を回避しようとする本能がある。ボッチを選択する者も当然いるが、それは少数派。だからこそ、人類は発展してきたのである。
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