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第一章

第三十三部分

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教室で担任は、強い語気と眼力で生徒たちに、話しかけた。
「今から特殊科目テストを行います。捲土重来チャンス、勇気のある生徒は参加自由。うまくできればテストの点を加算します。参加希望者は、今日の放課後までに、担任まで申し出ください。」
 すぐさま、生徒の一人が質問した。
「加算するということは、マイナスはないんですか?」
「その通りです。すでに返却されたテストの点数が削られることは、ありません。」
「スゴいわ!じゃあ参加してみる。」
担任の言い方にビミョーなニュアンスを感じとった者が多く、手を上げるのを控えた生徒がマジョリティであった。
「あたし、やってみようかな。」「損しないし。」「タダより高いものはないって言うけど。」「点数が減らないことはハッキリしてる。」「何かあったとしてもテスト得点に腹は変えられないわ。」
損することがなく、複数が参加表明した段階で、生徒たちの興味ベクトルは一方向に向かっていった。十人規模になると、後は付和雷同の群集心理。夕方までに、全学年の三分の二はエントリーすることとなった。

放課後のホームルームで、担任は喜びを隠せない様子で、話し始めた。
「これから、追加科目について、テストを行います。場所は各の教室です。それではまず、ふたり一組になってください。テストには話し合いと連繋が必要なので、なるべく仲がよい、コミュニケーションが取れているカップリングが望ましいと思われます。」
生徒たちはざわつきながらも、友達同士で組を作っていった。
「それでは、『酷互(こくご)』のテストを行います。」
「酷互?」「国語の追試の間違いじゃないの?」
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