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第一章

第三十二部分

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勉強は強いられてやるものではない。勉強に限らず、お手伝い、もちろん仕事も強制されれば、そこには、人間としての生き方に疑問が出てくる。それは時に活力源にもなる。
湖線、光葉は同じことを考えていた。
あれ?どうして副会長たちの言いなりになってるのだろう?化け物になりたくない気持ちは当然だ。でも自分の大切な時間を消費するんだから、
1位になることはいつもやってること。義務感でやるのではない。勉強は本来、自分との戦い。でも勝ったら、手に入るものは何。
ここからふたりの思考は分岐した。
「ワタクシにはまっすぐが必要。まっすぐと言えば彼のこと。ワタクシの手に入らないものはこの世界にはありません。下らないものでも自分のモノにする、それがワタクシですわ!」
湖線は肉食系の思考を全階させた。
光葉は安売りのポテトチップスをかじっていた。
「自分が光に困った時には彼がいた。大事なモノかどうかわからないけど、そばに置いておきたい気がする。貧乏人にはモノを大切にする回路が組み込まれているからね。」
ふたりは違うアプローチで、考え方のゴールを同じくした。

テスト期間はほどなく終わった。
結果はふたりとも全教科満点だった。ミスすらしないほど、頭とからだに知識と思考力を叩きこんだ成果は条件反射に匹敵する学力を醸成していたのである。
しかし、この時点では1位ではなかった。中間テストというのはただの勉強ではなかった。いかんせん、ここはビーデル高校である。
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